インフィニット・ストラトス~疾風とともに~ 作:オラクリオン
フォルスSIDE
教室に入ると教室中の視線がこちらを向く
いきなり三十ほどもの目に見られたものだからシャルは俺の後ろにさっと隠れてしまった
見ると織斑君と五反田君がキラキラした目でこちらを見ている
さしづめ救いの神が来たとでも思ったんだろう
だが...
スタスタスタスタ ガタッ...
「・・・・・」
さすがにこの空気の中喋りかける勇気は俺にはなく無言で席に着く
二人は見捨てられた子犬のような目でこちらを見る
シャルも同情の視線を二人に向ける
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・
一体何分たったのだろう?
チラと時計を確認するがさっき入ってきてから五分もたっていなかった
二人の気分がやっと解った気がする
こんなところにずっといたら気がおかしくなりそうだ
だがどんなものにも終わりがあるようにこの時間にも終わりが来た
ガラッ
「はーい、みなさんそろってますね?」
誰も返事を返さない
入ってきた先生はひきつった笑みを浮かべながら自己紹介をする
「えっと...皆さんIS学園入学おめでとうございます。このクラスの副担任の山田摩耶です。これから一年間よろしくお願いしますね!」
その自己紹介にかえってきたのは沈黙というつらいものだった
若干涙目になりつつ自己紹介をするように促す
いろんな人が自己紹介していきついに織斑君の番になるが緊張で周りが見えていないのか
呼ばれているのにも気づいていないみたいだ
「織斑君。織斑君!」
「へ!?あ、はい!」
「ご、ごめんね?でも自己紹介「あ」から始まって今「お」なんだけどそれで織斑君の番なんだけど」
涙目になりながらお願いする山田先生
いたたまれなくなったのか織斑君は自己紹介を開始する
「えーと、織斑一夏です。」
女子からのほかに刃という期待を一身に背負って...
「以上です!」
ずこー!という効果音が付きそうなぐらいの滑りっぷりを見せてくれたクラスのみんな、五反田君もシャルもひきつった笑みを浮かべていた
「自己紹介くらいまともにできんのかお前は?」
「へ?」
スパァン!
織斑君が後ろを向くと...
「げぇっ!呂布!?」
スパァン!
「うぎゃっ!」
「誰が三国志最強の武将だ。バカ者。」
織斑君を叩いたのは”ブリュンヒルデ”織斑千冬だった
「諸君、私が織斑千冬だ。貴様等新人を一年の間に使い物になるIS操縦者、もしくは技術者にするのが私と此処にいる副担任の山田先生の仕事だ。私の言葉にははいとだけ答えろ。いいな?」
うわー暴君ですかあなたは?
ギロッ
睨まれた、読心術でも使えるのかな
と呑気に考えていると
「キャ~~~~~! 素敵ぃ! 本物の千冬様をこの目で見られるなんて!」
「お目にかかれて光栄です!」
「私、お姉様に憧れてこの学園に北九州から来ました!!」
クラスメイトの女子の殆どが黄色い声援を響かせた
耳がキーンってするし頭痛くなっちゃったよ
「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しくも本望です!」
「私、お姉さまの命令なら何でも聞きます!」
織斑先生は鬱陶しそうな顔で
「毎年毎年、よくもこれだけ馬鹿者共がたくさん集まるものだ。」
とうんざりした口調で話す
「きゃあああああっ!お姉様!もっと叱って!」
「でも時には優しい笑顔を見せて!」
「そして絶対につけあがらないようにキツイ躾をして!」
・・・この人たちは変態なのかな?いや人の性癖に関してどうこう言うつもりはないんだけどさすがにこの人たちと一年間も同じクラスっていうのは俺の精神的にもシャルの精神的にも...というより普通の人たちが変な風にならないか心配になってきたりして...
なんて考えているとシャルの順番が回ってきて
「シャルロット・デュノアです。名前でわかる人も居ると思いますがデュノア社の、令嬢?みたいな立場ですが特に気兼ねなく接してくれるとうれしいです。」
さすがシャル、と言いたくなるようなすらすらとしていい自己紹介だったと思う
そして五反田君の番
「ご、五反田弾です。趣味はえっと、ギターを弾くことです。........よろしくお願いします。」
がちがちになっちゃってるね
まぁ、織斑君に比べればすごい頑張ったんだろうね
最後の間はほかにもなんか言わなきゃと思って考えてたのかな?
...思いつかなかったみたいだけど...
「勇樹。最後はお前だ。」
いつの間にやら回ってきたみたいだね
「勇樹フォルスです。目が緑色で髪が黒いのは日本人とフランス人のハーフだからです。デュノア社のテストパイロットをやっています。」
周りが少しざわつく
そりゃそうだろう、ついこの間現れた男性操縦者がすでに企業の一員になっているのだから
そうそう、最後に重要なことを一つ
「ちなみに、シャルロットとは恋人関係です!」
『え?ええええええええええええ!?』
今日一番の声が学園中に響き渡った
中途半端なところで終わってしまいました