木場きゅんに憑依した俺は皆に勘違いされながらも生きていく   作:暁紅

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温泉回です!女の裸はいらない、男だけで十分だ!


ウホッ☆男だけの温泉回~ホモを添えて~

「やっぱり露天風呂にいかないとな」

「そうですね、アザゼルさん」

「おいおい、アザゼルさんはねぇだろ。せめて父さんかパパにしろ」

「もう義父はいるのでダメです」

「なら呼び捨てにしろ、さん付けは気持ち悪いからな」

 

アザゼルと裕斗は身にまとっていた服を脱ぎながら雑談をしていた。

 

先程会話でも上がっていた通り、ここは露天風呂であり、傷の治りが早くなったり美容にいいなどのいい事づくめの温泉である。

 

今は何事もなく生活できるようになった裕斗ではあるが、完全に復活した訳ではなく、このように身体に効果のある事をしている。

 

 

一応二人は薄くではあるが血が繋がっていて親族ながらも、仲がいいとは言い難い。なので裸の付き合い一つでもすれば良くなるだろうと、二人きりで温泉に来ていた。

 

裕斗は言葉巧みに曹操などにデタラメを吐き、温泉に来ている事を知られないようにしていた。理由はもちろん貞操を守るためである。

 

最近自宅の風呂に入っている際に突撃してくるようになり、温泉ともなれば広いためその可能性がより上がる。まさに貞操の危機だ。

 

それを回避してきて、久しぶりにゆっくりと湯船に浸かる。

 

「うひょ凄いなこりゃ」

「星が...綺麗だ」

 

服を脱いだ場所は小屋で、そこまでは転移で来ていたので気づいていなかったが、雲ひとつない夜空は星が輝くには絶好の舞台であった。

 

湯船から上がる白い湯気。それは天高く上り消えていく。

 

人避けの結界が張ってあるので人は一人もいない。完全に貸切である。そのおかげで風で揺れる水の音しかない。

 

「はぁ...いい湯だな」

「久しぶりです、こうやってゆっくりするのは」

「だろうな。となればだ、お前は誰が好きなんだ?たくさんいるだろ?」

「いやそれは」

 

まるで親子のように湯船の中で楽しく談話している。

 

で、その二人を遠くから監視している者が多数いた。

 

露天風呂は標高の高い位置にあり、周りは木で溢れている。その中の一つに

 

「ふぅ...耐えきったのはこの三人か」

「はぁ...はぁ...危なかった。さしもの俺でもあと少し我慢出来なかったら、あいつらと同じだったな」

「全くだぜ」

 

木から落ち鼻血を池のように垂れ流している琴音、奏汰は死人のようにピクピクしている。

 

どうにか耐え抜いた虞淵と曹操とヴァーリは鼻を抑えながら、望遠鏡を覗いている。

 

そう、彼らは全員揃って怪しげな裕斗を追跡し、裕斗の裸を覗き戦死者が多数現れたのだ。

 

「だが、イマイチ声が聞こえないな」

「確かにそうだな...」

「くくく、ならいい物があるぞ、これだ」

「「な、なんだってー」」

 

驚愕の声が響き渡らない程小さな声で驚いた。

 

 

 

 

追跡者がバレる大きな要因は隠れ眺めているからだ。怪しい視線を感じ気づかれる。

 

ではだ。隠れなければバレにくいのではないか?

 

『透明マント』これはとある漫画より作り上げた道具だ。被れば魔術的にも視覚的にも感知出来なくなり、最強のステルス状態になる。

 

だが、今はまだ未完成のためかなり衝撃に弱く、下手な衝撃が加わるとステルス状態が切れてしまう。

 

だとしても彼らは大見得切って覗く。

 

『すまない...本当にすまない』

『馬鹿!ジークみたいな事を言うな!』

『俺も...もう...ぐはぁ』

 

魔術的にも感知されないので魔術により脳内に直接語りかけている。

 

既に裸でかなりのダメージを受けたのに、触れられる距離にあるのだからもう死んでもおかしくない。

 

鼻をねじ曲げ血が流れないようにしているが、それももう限界が近い。

 

「ふぅ...そろそろ出るか」

「そうだね」

 

裕斗達は湯船から出て立ち上がる。

 

そうすれば、今まで隠れていた物が顕になるのだ。

 

人類悪顕現。

 

顔が少し童顔チックな裕斗の股間に一匹の無限が佇んでいる。

 

顔に見合わず凶悪なそれは、水を弾き月明かりで輝く。えげつないそれは三人の瞳を奪うと共に死を宣告した。

 

「うん?なんかやけに濡れてるな」

「そうですか?よく分からないけど」

「まぁいいか!よし、下の街のそばでも行くか、昔から変わらない美味いどこがあんだよ」

「美味しそうですね。楽しみにしてます」

「おうよ」

 

変な生ぬるい液体が足に当たったが、特に気にすることなく服のある小屋へ戻っていく。

 

そして、血に伏せた三人含めストーカーし倒れた五人は五日間家に帰る事はなかった。

 


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