バンドリ!〜輝く星と白い球〜   作:VOSE

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どうも、VOSEです。
はたまたストック放出です。
前回出したパスパレ編の続きとなっておりますので、どうぞご覧ください。
では、本編どうぞ!


Pastel*Pallet編~自分の夢編・第2話~

…彩さんたちの練習が終わった後、千聖さんがおすすめする喫茶店へと向かった蓮二達。

その千聖さんのおすすめの喫茶店というのが、『羽沢珈琲店』だった。

 

蓮二「…どうしてここに?」

千聖「ここははずれのメニューがないの。どれもすごく美味しいのよ」

蓮二「なるほど…確か、ここは学校にも近いですよね?」

イヴ「はい!なので、私はここでバイトをしているのです!」

 

蓮二と彩さん達は色んなメニューを頼んで、互いにお茶やクッキーの交換などをしてお茶を楽しんだ。

 

蓮二「…日菜さん、どうしました?」

 

蓮二がふと、日菜さんが浮かない顔をしていたのを見て質問した。

 

日菜「あ、うん。人を励ますのって難しいなーって」

麻弥「ひ、日菜さん!?」

彩「あはは…ありがとう、みんな」

麻弥「大丈夫っすよ。そりゃ、目標にしていた人のニュースは大きいですし」

蓮二「それに、放っておけませんでしたから」

彩「れ、蓮二君?」

日菜「おぉー、男らしい〜」

蓮二「男ですが」

麻弥「そういう意味で言ったんじゃないかと…」

 

ここで、みんなの話題は自分の原点についてだった。

 

彩「そういえば、麻弥ちゃんはなんでドラムを始めたの?」

麻弥「ジブンは…元々音楽が好きだったんですけど、根っからの引きこもりで…」

蓮二「まぁ、そう見えるわな」

麻弥「蓮二君、酷くないっすか!?」

蓮二「そう見えるんだからそうだろ」

麻弥「うぅ…」

千聖「そ、それで…?」

麻弥「あ、それで、ある時にあるドラマーの方のパフォーマンスを見て、いつか自分もあんな風に叩けたらいいなぁって」

蓮二「それで練習をしたってところか…」

麻弥「そうっす!色んな研究をして、スタジオで叩きまくって…」

千聖「そして、私たちに会ったということなのね」

麻弥「はい!そんな憧れの人みたいになりたくて!」

彩「憧れの人かぁ…」

 

彩さんはふと、そのあゆみさんのことを思い浮かべていた。

 

彩「あゆみさんは…私の憧れの人で…私の目標となる人で…本当にすごい人なんだ…」

千聖「でも、その人が居なくなって、今は心に穴が空いた状態ってことなのね」

彩「そうかも…」

イヴ「でも、アヤさんは強いです!アヤさんのぽっかり空いた穴を、私たちが埋めましょう!」

麻弥「そうですね。ジブン達も彩さんを励ましていきましょう!」

彩「2人とも、ありがとう!」

 

そんなパスパレの会話を、蓮二は思わず微笑みながら見ていた。

 

蓮二「…俺の原点か…」

 

蓮二はふと、自分が野球を始めた理由を思い出してみたのだった…

 

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…次の日…

練習の合間の休憩時間での事…

 

蓮二「…なぁ、流星」

流星「ん?どうした?」

 

蓮二が俺に話しかけてきた。

 

蓮二「…お前が野球を始めたきっかけってなんなんだ?」

流星「なんだよ、急に」

蓮二「実はな…」

 

蓮二はここ数日のことを俺に話してくれた。

俺はなるほどと納得した。

 

流星「…彩さんが沈んでると…」

蓮二「あぁ…んで、話していると、自分の原点のことについての話になったからさ…ちっと聞きたくてな」

流星「別にいいけど…お前はどうなんだよ」

蓮二「俺は…あるっちゃある…でも、なんか他のやつのが聞いてみたい」

流星「ならいいけどさ…俺は…単純だけど、野球をやってるやつがカッコいいって思ってた。だから始めたんだ。特に惹かれたのはキャッチャーが盗塁を刺すシーンなんかが好きで、いつか俺もやってみたいって思ったんだ」

蓮二「バンドの方はどうなんだ?」

流星「『LINEDRIVE』は…面白そうだから。それだけだ」

蓮二「なるほど…」

流星「んでさ、蓮二はどういう理由で野球始めたんだ?」

蓮二「俺はな…」

 

蓮二は自分の原点について話してくれた。

俺はその話を静かに聞いていたが、あまりにもいい話であったが故に…

 

蓮二「…ってとこかな?…って、おい、泣いてんのか?」

流星「な、泣かねえ訳ねぇだろ…いい話すぎて…」

蓮二「はぁ…俺は泣かせるためにこの話をしたつもりはねえっての…」

流星「でもさ…それがお前の原点なんだろ?だったら、俺らもそれに応えねえとな」

蓮二「当たり前だ」

 

蓮二はそう言って、練習場所へと戻っていったのだった…

 

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…数日後…

蓮二は麻弥さんに呼ばれてスタジオに来ていた。

そこには彩さん以外の4人がいた。

彩さんは先に帰っていた。

 

麻弥「…あ、蓮二君!」

蓮二「どうも…どうしました?」

麻弥「少し、手伝って欲しい事があって…」

蓮二「手伝って欲しい事…とは?」

麻弥「確か、蓮二君の父親は『鬼の編集長』と呼ばれている、日刊紙の編集長、日下成通さんでしたよね?」

蓮二「そうだが…」

麻弥「その成通さんに、今度の『Marmalade』のあゆみさんとコンタクト取ってくれませんか?」

蓮二「…一応お願いしてみる」

麻弥「ありがとうございます!」

 

と、ここでイヴちゃんが蓮二の原点について質問してきた。

 

イヴ「そういえば、なんでレンジさんは野球をやっているのですか?」

蓮二「俺か?てか、昨日流星にも言ったけど…」、

 

蓮二はここでも自分の原点について話した。

その言葉一つ一つに重みがあったのか、麻弥さんとイヴちゃんは思わず涙を見せた。

 

麻弥「そ、そんな話が…」

日菜「なんか、るんって来ちゃったなぁ〜」

イヴ「はい…とても、切なくて…」

蓮二「…俺はそれを糧にして、野球をやってるんだ」

千聖「そうなのね…」

 

泣いていない日菜さんと千聖さんも、思わず感動していた。

 

麻弥「…蓮二君、それ、ぜひ彩さんに聞かせてください」

蓮二「…別にいいが…どうしてだ?」

日菜「なんかわからないけど…それは言った方がいいと思うなぁ」

麻弥「その蓮二君の言葉が、彩さんをさらに突き動かしてくれると思います」

蓮二「…そうか?」

 

蓮二は半信半疑ながらも、『Marmalade』解散ライブでその話をすることに決めたのだった…

 

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…そして数日後…

蓮二は夜のライブ会場の前にいた。

人々が『Marmalade』の解散ライブを楽しみ、帰っているところだった。

 

彩「…あれ?蓮二君?」

 

この日はファンとして来ていた彩さんが、入り口で立っている蓮二を見つけた。

 

蓮二「どうも、時間ありますか?」

彩「うん…」

 

蓮二は人があまり通らない場所へと彩さんを連れ、近くにあったベンチに座らせ、蓮二も隣に座った。

 

蓮二「…ライブ、どうでした?」

彩「楽しかった!そして…寂しかった…」

蓮二「…」

彩「でも…あゆみさん達は、自分の意思で、解散に踏み切ったんだから…私も、けじめをつけて、頑張ろうって思ったんだ」

蓮二「…僕の話していいですか?」

彩「え?…うん」

 

蓮二は一言断った後、自分の原点のついて話を始めた。

 

蓮二「…俺が野球を始めた理由…知りたいですか?」

彩「んまぁ…少し興味があるけど…」

蓮二「…妹と…親友の為です」

彩「…え?」

蓮二「…妹は…野球をやっている俺が好きだと言ってくれ…親友は、俺とともに野球をやって、高め合ったライバル…その2人が…同時に居なくなったんです…」

彩「…」

蓮二「ホント、偶然ですよ…2人して病に倒れ…妹が先に行き…その後に俺の親友が…」

彩「…そんなことが…」

蓮二「野球を続けられるのか…妹も、親友も、俺をそばで応援してくれた2人が居なくなって…出来なくなるんじゃないかって思いました…でも…これも本当に偶然…いや…2人とも、一緒の気持ちだったかもしれませんが…妹は『私が居なくても、お兄ちゃんのそばでずっと応援している』…親友は『俺が居なくても、いつも後ろで守ってやる』…なんか、同じ言葉に聞こえたんですよ。その後2人は…」

彩「…そんなことが…」

蓮二「でも、俺の心には…その言葉が今でも残ってるんです。だから、まだまだ諦めるつもりはないって…野球を続けてこられたんです。彩さんも…まだ諦めないでください」

彩「…うん!ありがとう!蓮二君!」

 

その後、蓮二と彩さんは麻弥さんに呼ばれて楽屋へと行き、そこで彩さんの憧れであったあゆみさんと初対面を果たし、色んな言葉やポーズを教えてもらって、この日は解散となった。

なお、帰り際に彩さんが蓮二にお礼を言って投げキッスしたという…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

…それからまた数日後…

 

蓮二「…はい、これで大丈夫です」

編集者「ふひぃ…終わったぁ…」

 

蓮二のOKが出ると同時に、編集者の方は机に突っ伏した。

結局、ダメ出しと修正の繰り返しで編集者の方は徹夜作業を毎日進めたらしく、蓮二の父からも檄が飛んで、ようやく納得のいく記事が出来たという。

 

彩「…あれ?蓮二君、今終わったところ?」

 

蓮二がコンコースでジュースを飲んでいたところに彩さんが来た。

 

蓮二「そんなところだ。彩さんは?」

彩「今レッスンの休憩中。あ、そうそう。ちょっと来て」

 

彩さんはそう言って、蓮二を連れてスタジオへと入れさせた。

 

イヴ「あ!レンジさん!こんにちは!」

麻弥「こんにちはっす!

蓮二「こんにちは。ええっと…なんで俺がここに?」

千聖「渡したいものがあるからよ」

日菜「はい!これ!」

 

と、日菜さんが渡してきたのは事務所に入れるネームプレートだ。

 

麻弥「今回の件で大変お世話になったので、ジブン達でお願いして、蓮二君にも入れさせてもらうようにしたんです」

蓮二「と言っても…いいのか?俺が入っても」

千聖「そのための入館証よ。使って」

蓮二「あ、ありがとうございます…」

 

こうして、蓮二はパスパレのみなさんとともに行動を取ることになったのだった…

 

 




いかがでしたでしょうか?
なかなかストーリーに悩みに悩んだので、これでいいのか心配ではございますが…()
パスパレ編に関しても、Roselia編同様、ガルパ内イベの話を軸に持っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
では、次回お会いしましょう!

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