そしてサブタイから分かるようにヴァーリさんのキャラが軽く崩壊しますのでご注意を
それでは本編どうぞ
「最近イッセーが構ってくれないんだ。どうすればいいと思う?」
「知るか」
いやに神妙な面持ちのヴァーリが持ちかけてきた相談を、俺は一蹴した。
新学期が始まって一ヶ月少々したある日の学校帰り。ヴァーリに相談があると言われたのでオーフィスに帰りが遅くなると電話して(その際オーフィスは不満げだったが)、近くの喫茶店でコーヒー飲みながら話を聞いたわけだが・・・・・・
「はっきり言うぞヴァーリ・・・・・なんで俺に相談した?俺関係ないよね?」
正直、それを俺に相談してどうするつもりなのって思った。俺にできることないじゃん。俺にどうしろっていうのさ。
「関係ないだと?そんなことはないだろう。君だって婚約者がいるんだ。俺の気持ちは誰よりもわかるはずだ」
「一方的な理解を求められても困るわ。そしてお前の気持ちもわからん」
なにせオーフィスが俺に構わなくなることなんて全くないからな。もちろん逆もだ。俺もオーフィスも互いに黒歌が呆れるほど、あるいは胸焼け起こすほどに構い合ってるからな。
「くっ、君に理解が得られないというなら俺は誰に相談すればいいんだ?」
「自分と同じで婚約者がいるからって理由でお前はどんだけ俺を頼りにしてたんだよ」
「これ以上適任はいないと思う程度には頼っていた」
友人として頼られていたこと自体は嬉しく思うが、なんか釈然としないなぁ・・・・・・
「というか構ってくれなくなったと言っていたが、その理由やら原因に心当たりはないのか?」
「・・・・・ある。最近イッセーはアーシアに構ってばかりでな。今日だって授業が終わってすぐに二人で買い物に出かけてしまって」
「ああ、なるほど」
アーシアとは最近うちのクラスに転入してきた、イッセーの家にホームステイしている少女のことだ。ヴァーリがいるのになんでさらにホームステイする人が増えるんだと疑問に思ったが、それはまあ事情があるんだなと納得するとしよう。
そのアーシアというのが随分とイッセーを慕っていて、イッセーもまたアーシアのことを相当に可愛がっているのだ。それこそ、傍目から見ると姉妹に見えるほどに。
「まあ、イッセーは以前から妹が欲しかったと言っていたからな。アーシアは妹にしたい系の性格してるから、イッセーの中で妹萌えが爆発してヴァーリのことおざなりになっちゃったんじゃないか?」
「そういうものなのだろうか?」
「多分な」
俺もそういった感情は漫画やら小説やら読んで知ったものだから、実際どうなのかは正直わからないけどそういうものなのだろう。たぶん。
「だが、だからといって俺の誘いを断って毎日のようにアーシアと一緒に寝たりお風呂に入ったりするのは・・・・」
「お前なに普通に爆弾発言してんの?」
「爆弾発言?」
一緒に寝るやら風呂に入るやら・・・・・若者の性の乱れが深刻なんですけど。しかも当人に自覚なし。
俺?俺はまあ一緒に寝てはいるけどそういうことは致してないし。お風呂は今は一緒に入ってないし。
「一緒に寝たり風呂入ったりだよ」
「恋人同士なのだからそれぐらいは普通だろう?君もしているのではないか?」
「・・・・・・恋人同士ならしてるだろうけど、少なくともお前みたいにあけっぴろげには言わないと思うぞ」
俺は話の後半を無視して、(おそらく)一般的であると思われる回答を述べた。
「そういうものなのか・・・・・まあいい。とにかく、最近誘ってもイッセーは乗ってくれないんだ」
「女の子同士で一緒にお風呂に入ったり寝たりは恋人とのそれとはまた違った良さがあるってことさ。イッセーにとっては新鮮なんだろう」
「そうか・・・・イッセーが喜んでいるのならまあ俺としても嬉しい。だが、断られる度にアーシアが勝ち誇ったような笑顔で俺を見てくるのがどうにもな」
「ちょっと待ってその情報聞きたくなかった」
あの純粋なアーシアが勝ち誇ったような笑顔って・・・・・なに?あの子ちょっと腹黒入ってるの?それともイッセーの恋人だからってヴァーリのこと嫌いなの?
「と、ともかくだ。今は妹のような存在ができたからちょっと浮かれちゃってるだけど、ヴァーリのことないがしろにしてるってわけではきっとないと思うからそう心配するな」
「む・・・・まあ、君が言うのならそうなのだろうな」
いや、自分で言っといてなんだけどなにその俺への信頼感?若干プレッシャーなんですけど。
「でもまあ、ある意味ではいい機会なんじゃないか?」
「いい機会?どういうことだ?」
「お前ら今まで一緒にいる時間が長かっただろ?だからこうして少し距離を置くことで色々と見えてくるものもあるんじゃないかと思ってな。実際こうして俺に悩み相談してくるぐらいだし」
恋人付き合いする上では、そういう時間も、きっと大切なのだと俺は思う。まあ、俺はオーフィスに距離置かれると悲しみのあまり首を括りかねないから勘弁だけどな。
「なるほど・・・・・わかった。君の意見を参考に色々と考えてみよう」
「おう、そうしな。それじゃ俺はそろそろ帰るから・・・・・あ、コーヒー代お前が持てよ?相談に乗ってやったんだから」
「容赦ないな・・・・だがまあ、それぐらいだったら構わない・・・・結局、なんだかんだ言いながら君は俺の相談にきちんと乗ってくれていたな」
「・・・・・まあなんだかんだヴァーリは友達だしな。これぐらいの相談なら乗ってやるのもやぶさかじゃない」
オーフィスと一緒にいる時間の方が大事ではあるが、学校生活というのも俺にとってはそれなりに楽しいもの。そしてその楽しさを与えてくれる、分かち合える友達は大切だと思ってる。だから、相談ぐらいには乗るさ。
「また何かあったら君に相談させてもらおう」
「その時はまた何か奢れよ?」
「ああ、もちろんだ」
よし、言質はとった。今度相談に乗るときはファミレスでパフェでも奢らせてもらおうかな。
「咲良、今日は我と一緒にお風呂に入る」
「・・・・・マジかー」
ヴァーリの相談に乗った日の夜、唐突にオーフィスが切り出してきた。なんというタイムリーな・・・・・まさかオーフィス、どこかで話聞いてたんじゃ・・・・いや、それはないか。
「オーフィス?なんで唐突にそんなことを?」
「唐突じゃない。週三だけど咲良と一緒に寝るようになって一ヶ月経った。だから、そろそろ次の段階に進むべきだと我は思った」
「・・・・・・なるほどな」
「いや、そこ反論するところじゃないかにゃ?」
そうは言うけどな黒歌よ・・・・・なんとかして反論しようと思ったけど、言ってることもっともだなと思って納得してしまっんだよ。納得してしまったからには反論できないだろ。
「というわけで咲良、我と一緒にお風呂に入る」
「いや、ちょっと待ってくれオーフィス」
納得はしたものの、このまま一緒にお風呂に入るのはまずい。確かに、数年前まではたまに一緒にお風呂に入ることはあったが、思春期に突入すると男としての本能が疼きだして・・・・・理性を凌駕しかねなくなってしまたのだ。端的に言えば、理性を保てなくなってオーフィスに良からぬことをしでかしてしまいかねないのだ。
いくら婚約者とはいえそれはまだ避けたい・・・・・だが、一緒にお風呂に入るとなるとオーフィスの裸を見てしまうからそうなったら俺は・・・・・はっ!そうか!
「わかった。一緒にお風呂に入ろう。ただし、一つ条件がある」
「条件?何?」
「バスタオルを体に巻くこと。それが条件だ」
バスタオルを体に巻きさえすれば、裸を見ることはない。まあ、バスタオル一枚を身に纏うオーフィスも大変魅力的ではあるだろうが、それでも裸に比べればまだ理性は持つ・・・・はずだ。
「バスタオルを?だけどお風呂に入るとき体にタオルを巻くのはマナー違反だって伊槻が言ってた」
くそ、爺さんめ余計なことを。しかも今回ばかりはそれなりに正論だから説教できねぇ。
ここは・・・・
「確かに一般的にはマナー違反だが、何事にも例外というものはある。今回はその例外に当てはまる事案なんだ」
主に俺の理性的な意味合いでな。
「物凄く強引な物言いな気がするにゃ」
「黒歌、明日の朝ごはんは黒歌の大好きな煮干一匹で・・・・」
「ごめんなさい」
よし、余計なことを言う黒歌は黙らせた。あとはオーフィスがどう出るか・・・・
「ん・・・・わかった。それじゃあ我、タオル巻く。だから一緒にお風呂」
良かった受け入れてくれた。というかオーフィス・・・・・そんなに俺と一緒にお風呂を入りたいのか?まあ理性云々の事抜きにして言えばそのこと自体は嬉しいけども。
「ああ。一緒に入ろうな」
「わーい」
表情はほとんど変わっていないが、それでも嬉しそうに万歳と両手をあげるオーフィス。本当にもう俺の婚約者可愛すぎるだろ。
「よし、それじゃあ行こうかオーフィス」
「うん」
「咲良、ちょっと待つにゃん」
オーフィスの手をとってお風呂場に行こうとする俺に、黒歌が待ったをかけた。
「ん?なんだ黒歌?」
「タオル巻くっていっても、オーフィスが体を洗うときはどうするにゃん?」
「・・・・・・黒歌さん。どうしてそれをもっと早く言ってもらえなかったのでしょうか?」
こうして、俺の本能と理性が大戦争を起こすことが決定したのであった。
ヴァーリさんがイッセーさん(TS)のこと好きすぎて作者が思わず頭抱えるレベル
まあ、二天龍夫婦尊いからしょうがないよね
そして咲良さんと一緒にお風呂入りたがるオーフィスちゃんギザカワユス
それでは次回もまたお楽しみに!