愛しき龍神と過ごす日々   作:shin-Ex-

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サブタイどおり若干シリアスです

まあ大事なことなので・・・・・

それでは本編どうぞ


ほのぼの目指してるけど、たまにはシリアスもいいよね?

「食った食った~。あんなにうまい飯食うの数百年ぶりだ」

 

食事を終え、お茶を飲みながらアザゼルさんが満足げに言う。

 

「数百年って・・・・言い過ぎですよアザゼルさん。あれぐらいの料理なんていくらでもあるでしょう?」

 

「いや、そんなことはない。長年生きてるだけあっていろんなもん食ってきたがさっき食べた料理のレベルに並ぶものはそうなかった。だからそんな謙虚にならずもっと自信を持ってもいいと思うぞ?」

 

「同感にゃ。咲良の料理はどれもこれも絶品だって断言できるわ」

 

「咲良の料理は世界一」

 

「あの料理食べられるだけでもお前が孫でよかったと切実に思うぞ俺は」

 

アザゼルさんの言葉に同調するように、皆が俺の料理を絶賛してくる。嬉しいといえば嬉しいのだが・・・・少しむず痒いし恐縮してしまう。

 

「というか、伊槻の孫だって言う割には随分と謙虚だな」

 

「おいアザゼル、そいつはどういうことだ?俺だってそれなりに謙虚だと自覚して・・・・」

 

「謙虚な奴は会って早々に口説いたりしねぇよ」

 

「伊槻が謙虚とかありえない」

 

「被害者である私も同意せざるを得ないわね」

 

「俺のことはともかくとして、爺さんが謙虚だって言うなら全人種(悪魔や天使、堕天使等を含む)の8割以上が謙虚ってことになるな」

 

「俺に味方はいないのか・・・・?」

 

いや、そんなこと言われても普段の行いからしてさぁ・・・・こういう時味方になってくれる人がいないのは仕方がないだろ。

 

「ま、まあこの際今はそんなこと置いておくとして・・・・本題に入るか」

 

急に爺さんの顔が神妙なものとなる。爺さんの隣にいるアザゼルさんの表情もだ。

 

「本題って・・・・・一体どういうことだ爺さん?」

 

「ああ。これから話すことは咲良、お前の今後に大きく関わることだ。心して聞いて欲しい」

 

「俺の・・・・今後?」

 

よくわからないが、俺に関わる大事な話らしい・・・・・それなりの心構えをしておく必要がありそうだ。

 

「えっと・・・・私席を外したほうがいいかしら?」

 

「いや、黒歌も居てくれ。咲良と親交が深いのなら聞いておくべきだ。もちろんオーフィスもな」

 

席を外そうとする黒歌であったが、爺さんはそれを引き止める。オーフィスにもいうが・・・・まあ、オーフィスはもともとどこにも行く気はないみたいだけどな。俺の膝の上にちょこんと座って離れる気配ないし。

 

「・・・・わかったにゃ」

 

「我も話、聞く」

 

「よし。さて、どこから話したものか・・・・」

 

「まずは三種族のことからでいいだろ。咲良、お前は三種族の現状のことは理解しているか?」

 

アザゼルさんが俺に尋ねてくる。

 

「三種族って悪魔、天使、堕天使のことですよね?今は直接的且つ大規模な争いはないけれどお互い睨み合ってて一触即発状態にあるんじゃありませんでしたっけ?」

 

「まあ、その認識で間違ってはいない。ただ、その関係性に今変化が訪れようとしてるがな」

 

「変化って・・・・もしかして戦争?」

 

もしやと黒歌が言葉を漏らす。もしも三種族の戦争となると・・・・具体的にどうなるかは俺では想像もつかないが、大変なことになるだろうな。三種族だけじゃなくて人間も巻き込まれる可能性も十分にあるだろう。

 

「いや、戦争にはおそらくならない。断言はできないがな。変化っていうのはむしろ戦争とは逆だ」

 

「戦争の逆というと・・・・和平?」

 

「少なくとも俺はそのつもりだ。今度の三種族会談で切り出してみようと思う」

 

「三種族会談?そんなのがあるんですか?」

 

「ああ。数日前にこいつの部下、堕天使の幹部のコカビエルってやつがこの町でちょっと面倒やらかしてな・・・それがきっかけで駒王学園で三種族のトップと関係者の間で話し合いが設けられることになった。ちなみに人間代表として俺も参加する」

 

三種族の会談に参加するって・・・・爺さんの立場ってどうなってるんだよ。まあそれはともかくとして、コカビエルって確か聖書にも載ってる堕天使の大物だったっけか。面倒やらかしたって一体何を・・・・って、ん?数日前ってもしかして・・・・

 

「なあ、その関係者の中にゼノヴィアとイリナって女の子いるか?」

 

「ん?確かいたと思うが・・・・知り合いか?」

 

「ああ。ちょっと前うちで一緒にご飯食べたけど」

 

「・・・・うん、やっぱお前俺以上の交友チートだわ」

 

「は?」

 

この爺さんは一体何を言ってるんだ?まあいいけど。それよりどうやらゼノヴィアとイリナの件はその出来事が関わっているようだな。できれば詳しく聞きたいが・・・・話の根幹はそこではないだろうし、聞くとしたら後でになるかな。

 

「話を戻すが、駒王学園で行われる三種族会談で俺は和平を申し出ようと思っている。天使長ミカエルも今の魔王達も戦争を好むような危険な連中じゃないからおそらく問題なく和平は結ばれるだろう」

 

「それはなによりです。戦争なんかよりも平和の方がいいに決まってますし。ですが・・・・・そのことと俺の今後にどう関係が?」

 

いろんな神郡の神と知り合いではあるけど、三種族に関しては俺そこまで親交深いってわけじゃないからな。関わりがあるって言うなら俺の今後に影響があるっていうのは納得できるけど・・・・・

 

「まあ、正直三種族の和平には咲良は全くといっていいほど関係ない。だが、問題はその先だ」

 

「その先?」

 

「会談で結ぶ和平は三種族だけだが、アザゼルは・・・・俺達はそれだけに留まらせておくつもりはない。その先・・・・・他の種族、他の神群との和平も見据えている」

 

他の神群との和平って・・・・・三種族の和平だけでも規模がでかいのに、これはそれ以上だな。詳しくはわからないけど、これまでそんなことはなかったんじゃないか?

 

「さて、ここからが特に重要なんだが・・・・・咲良、俺達に協力してくれないか?」

 

アザゼルさんは俺を真っ直ぐに見据えながら言う。

 

「協力って・・・・・なんの取り柄もない、特別な力もない俺に何ができるって言うんですか?」

 

「いいや、お前には力がある・・・・それも縁の力っていうとんでもない力がな。咲良、最低でも年一回以上ここに飯を食いに来る奴の名前を言ってみろ。護衛とかはとりあえず除いてな」

 

「あ、ああ・・・・えっと、曹操にクロウさんにぬらりひょんさん、八坂さん、神でいうとオーディンさん、ゼウスさん、帝釈天さん、シヴァさん、それと・・・・」

 

「あ、咲良。俺から聞いといてなんだけどやっぱもういいわ」

 

思いつく限り名前を上げていくが、途中で爺さんに止められてしまった。どうしてだろ・・・・なんか黒歌とアザゼルさんは顔引きつかせてるし。

 

「咲良・・・・その交友は正直ありえないにゃ」

 

「色々気になる名前もいくつか出てきたがそれは置いておくとして・・・・・このうえさらにオーフィスの婚約者とかとんでもないってレベルじゃないな」

 

「え?どういうこと?」

 

「「そしてさらに自覚なしか・・・・」」

 

呆れたような様子で言う黒歌とアザゼルさん。自覚ないって何の話だ・・・・

 

「我、今咲良が言った誰よりも強い」

 

そしてオーフィスさん、それは自慢ですか?大変可愛らしいですね。

 

「咲良・・・・それだけの奴らと親交深めておいて何もできないなんてあるわけないだろ?はっきり言ってお前が仲介に入れば各種族、神群との和平がスムーズに結べる可能性が高い」

 

「いやいやいや・・・・それ別に俺じゃなくても良くないですか?さっき言ったひとたちって大半は爺さんに紹介されたので仲介に入るなら爺さんでいいんじゃ・・・?」

 

「いいや、俺じゃあ駄目なんだ。確かにあいつらとはそれなりに仲はいいが、それでも俺ではな・・・・自分で言うのもなんだが俺は強すぎる。俺が間に入ってしまえば、それは仲介ではなく脅しになりかねない」

 

んー・・・・まあ言ってることはわからなくはないか。誰よりも強い爺さんが和平を結ぼうと言っても、向こうからしたら力ずくと取られてしまう可能性がある。そんな強制的な和平は見せかけだ。

 

「だからこそ咲良じゃなければならないんだ。特別な力、強大な力を持っていない咲良が間に入ってこそ仲介となる。お前は力で脅すなんてことできやしないからな」

 

「まあ確かにそうかもしれないけど・・・・・」

 

「それに、だ。確かに大半は俺が紹介したが、そのあとの親交に関してはお前が築いたものだ。俺がしたのはただのきっかけ作り・・・・奴らがここに来るのは、お前の作る料理以上に、お前自身を気に入ってるからにほかならない。お前が和平を願うのならば、奴らはそれを真摯に受け止めるだろう」

 

そういうのもなのだろうか?和平ってのはその種、神群全体に関わるものだから俺のことを気に入っているからってどうにかなるものでもないと思うんだが・・・・・

 

だけど・・・・・・そういうこと抜きにして俺が仲介に入ることで和平を結べやすくなるっていうなら俺は・・・・

 

「さて、改めて言わせてもらおう・・・・・咲良、俺達に協力してくれ。頼む」

 

「俺からも頼む。咲良、協力してやってくれ」

 

アザゼルさんと爺さんは頭を下げて俺に頼み込んでくる。その姿からは二人の真剣さ伺い知れる。

 

頭を下げられてまで頼まれてしまっては断りづらいが・・・・どうしたものかな。

 

「・・・・ふざけないで」

 

どう返事を返そうかと悩んでいると、黒歌が口を開く。その声色はいやに重い。

 

「さっきから黙って聞いてれば・・・・・自分たちが何を言ってるのかわかってるの?確かに和平が結ばれるのはいいことかもしれないけど・・・・・そんなの咲良を危険にさらすのも同然にゃ!」

 

「俺が危険に?黒歌、それってどういう意味だ?」

 

「誰しもが和平を望むわけじゃない。例えトップが和平を推すとしても、それに従えない、気に入らないって思う連中だって出てくるはずよ。そういった連中にとって和平の仲介となる咲良は邪魔者。咲良を始末しようとするものが出てくる可能性は十分にあるにゃ」

 

俺を・・・・始末?そんなことが・・・・?

 

「それは・・・・わかっている。だから咲良が危険な目に遭わないようにしっかりと守るつもりだ。幸い咲良のそばにはオーフィスもいるしな」

 

「オーフィスだって四六時中咲良と一緒にいるわけじゃないにゃ。少なくとも学校に行ってる間はオーフィスは咲良と一緒にいられない。その間はどうするって言うの?まさかずっと護衛を張り付かせるつもり?そんなの咲良の自由を奪うようなものじゃない」

 

「・・・・・・」

 

黒歌の言い分に、爺さんはなにも言い返してこなかった。まあ、俺にだって黒歌の言ってることが正論だってわかるからな。さすがに学校に行く時はもちろん、外にいる間護衛やらなんやらに張り付かれると落ち着けない。

 

「そもそも、咲良に仲介役になって欲しいって言うけどそれは絶対に必要なこと?例え咲良がいなくたって和平を結べる可能性はあるんじゃない?それなのにわざわざ咲良を危険な状況に置いてまで咲良を仲介役にするだなんて・・・・・勝手すぎるにゃん」

 

「・・・・・我も嫌」

 

「オーフィス?」

 

これまでずっと沈黙していたオーフィスが口を開く。

 

「我、難しいことはよくわからない。咲良は何があっても我が守るけど・・・・・咲良が危ない目に会うのは嫌。伊槻もアザゼルも間違ってる」

 

キッと爺さんとアザゼルを睨みつけるオーフィス。

 

オーフィスも黒歌も俺のことを心配してくれて・・・・・それで爺さんとアザゼルさんに怒っているのか。

 

「・・・・まあ、二人が怒るのもわかる。どうしたってそいつには多少なりとも危険な目に遭わせてしまう」

 

「その件に関しては俺達も心苦しく感じてはいる。確かに咲良がいなくとも和平を推し進めることはできるだろうがが、咲良がいれば確率はぐっと上がる。だから咲良に協力して欲しいと俺は思っている・・・・咲良、お前はどうしたい?」

 

「俺?」

 

「ああ。俺たちが何を言おうとも、最終的にはお前の意思を尊重する。それがどんな答えであってもだ。どうするのかはお前が決めろ」

 

俺がどうしたいのか・・・・・・どうするべきなのか・・・・・

 

爺さんには育ててもらった恩がある。その恩に少しでも報いたいとは思う。だけど、俺のことを心配してくれているオーフィスと黒歌の気持ちを無下にすることはできない。

 

俺は・・・・俺は・・・・

 

「・・・・一晩考える時間をくれ。明日にはちゃんと答えを出すから」

 

時間が欲しかった。今すぐには決められないから・・・・我ながら自分の優柔不断さが恨めしい。

 

「わかった。お前の今後に関わることなんだ。ゆっくりと考えるといい」

 

「確かにすぐに答えを出せってのも酷だしな。俺も明日まで待たせてもらうさ」

 

「・・・・ありがとう」

 

爺さんとアザゼルさんの了承は得られた。これで考える時間はできた。

 

俺の今後の人生を左右するんだしっかりと考えないとな。

 

 




いろんなところのお偉いさんと親交が深い咲良さんだけど、実はそのおかげで結構危うい立場にいたりする

今は咲良さんのこと知ってるひとがそこまで多くないからいいけど、和平の仲介役になったらそうもいかないのでぶっちゃけ命を狙われたり利用しようとする輩が出てくる可能性は十分にあります

さて、咲良さんははたしてどうするのか・・・・・

それはともかくとして、咲良さんの身を案じるオーフィスちゃんと黒歌さんマジいい子

それでは次回もまたお楽しみに!

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