愛しき龍神と過ごす日々   作:shin-Ex-

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今回から咲良さんとオーフィスちゃんのデートのお話となります

それでは本編どうぞ


歳の差カップルって傍目からしたら兄妹に見えるのだろうか?

 

とうとう夏休みが始まった。この時をどれほど待ったことか。前にも言ったかもしれないが、別に学校は嫌いではない。むしろ好きな部類だ。最近になってその気持ちは若干強くはなったが・・・・・それでもやはりオーフィスと一緒にいる時間の方が俺は好きだ。だからこそ、長期休暇である夏休みを俺はこの上なく楽しみにしていた。和平の仲介役としてやらなければならないこともあるが、それでも四六時中オーフィスと一緒にいられる機会が増えるのだから。

 

そして夏休み初日の今日・・・・・手始めに俺はオーフィスと二人きりで遊園地へとデートへ向かうことになっていた。

 

「咲良とデート、我嬉しい」

 

遊園地へと向かう電車の中、オーフィスは嬉しそうに言いながら俺に擦り寄ってくる。

 

「うん、俺も嬉しいよオーフィス」

 

擦り寄ってくるオーフィスの頭を俺は撫でる。手触りのいい髪の感触を手に感じる。

 

二人で出かけること自体は買い物などがあったためそこまで珍しいことではないけれど、こういう本格的なデートというのは久しぶり・・・・というより、結婚の約束をしてからは初めてだ。

 

そう言う意味では初デート・・・・・・黒歌や白音も自分たちのことは気にせずに存分に楽しんで来いと言ってくれたのだから(黒歌はちゃっかりお土産を要求していたが)満喫しないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

「あははははは・・・・・」

 

電車の中で満喫しようと心に決めたというのに・・・・・デートは遊園地に入って早々躓いてしまった。いや、躓いてしまったというかなんというか・・・・オーフィスが結構な勢いで不機嫌なのだ。

 

理由は遊園地のゲートで入場チケットを買ったときに、愛想のいい売り子の女の人に・・・・・

 

『ご兄妹ですか?楽しんでくださいね』

 

と、言われてしまったからだ。

 

まあ・・・・うん、売り子の人に悪気は全くなかったと思う。なにせ俺とオーフィスでは外見上の年齢差を考えれば兄妹と思われても仕方がないのだから。というか俺とオーフィスが恋人同士だと気がついてた上であんな言い方してたとしたらあの売り子の人、相当人格ねじ曲がってるってことになるし。

 

オーフィスも悪気はないってことはわかってると思うんだけど・・・・・それでもやっぱり兄妹扱いは気分が悪いらしい。先程から私怒っていますと言わんばかりに頬を膨らませている。不謹慎だけど正直そんなオーフィスも可愛いと思ってしまった。しょうがないじゃないか・・・・・だって俺はオーフィスの恋人兼婚約者だもの。

 

だがまあ、このままではせっかくのデートでオーフィスに嫌な思い出を植え付けてしまう・・・・・よし、俺も男だ。ここは一つ、体を張ってオーフィスの機嫌を直そうじゃないか。

 

「・・・・オーフィス」

 

「なに?」

 

俺はかがんでオーフィスと目線を合わせる。そして・・・・オーフィスの唇に自分の唇を重ねた。

 

「・・・・咲良?」

 

「あー・・・その、あれだ。兄妹じゃこういうことしないだろ?」

 

正直、キスはもっと場所や状況を考えてやりたかったが・・・・・オーフィスの機嫌を治すにはこれが一番最適だと思った。そして結果は・・・・

 

「咲良・・・・うん。我と咲良は恋仲。兄妹なんかじゃない」

 

効果てきめんのようだ。先程の不機嫌さが嘘のようにオーフィスは微笑んでいる。まあ、表情自体はあまり変わりはないのだが。

 

「オーフィス。兄妹に間違えられても気にするな・・・・ってわけにも多分いかないだろうな。やっぱりオーフィスからしたら嫌なんだろうし、俺だってあまり気分のいいものではない」

 

オーフィスほどじゃないけど、俺も多少不機嫌になったからな。あのキスは俺の機嫌直しの意味合いもあったし。

 

「だけどな、俺はオーフィスのことを一度だって妹扱いしたことないしそう思ったこともない。10年前に初めて会った時から俺はオーフィスのことが大好きだったんだ」

 

これは嘘偽りのない俺の本心だ。初めて会った時からオーフィスのことが好きで好きで堪らなかった。そんな子相手に妹扱いするだなんてできるはずがない。そんなことしてしまえば・・・・自分の気持ちに嘘をつくのと同じだから。

 

「もしもまた俺たちのことを兄妹扱いする奴が出てきたら・・・・その時は今みたいにまたキスしてそうじゃないって証明してやる。だから今はデートを満喫しよう。それも恋人だからこそ・・・・だろ?」

 

「・・・・うん。我、咲良とデート楽しむ」

 

ギュッと俺を抱きしめてくるオーフィス。どうやら、オーフィスの機嫌は完全に直ったようだ。

 

さて、そうと決まれば・・・・・・早急にこの場から立去らなければな。さっきからこっちを見てくる視線がヤバい。いや、確かにこんなひと目のつくような場所で外見上はどう見ても幼女なオーフィスにキスしてしまったんだか注目が集まるのは当然だけど・・・・これは下手をすればお巡りさんを呼ばれてもおかしくない事案だ。なんかヒソヒソ話してる人もいるし。

 

「よし、それじゃあ・・・・まずはコーヒーカップから行こうか。すぐ行こう。早く行こう。時間は限られてるんだからな」

 

「我、急ぐ」

 

俺はオーフィスの手を掴んでコーヒーカップのあるところを目指して小走りでこの場をあとにする。俺達に向けられる視線から逃げるようにして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おう・・・・ふ」

 

周囲の視線から逃げるようにオーフィスと共にコーヒーカップに駆け込んだ俺だが・・・・・気分は大変優れない。それは先程のオーフィスのように機嫌が悪い的な意味ではなく・・・・・三半規管的な意味でだ。

 

理由はオーフィスにあった。どうにも、先程のキスでオーフィスのテンションは俺の予想以上に上がってしまっていたようで・・・・コーヒカップではしゃぎまくって回しに回してくれたのだ。オーフィスが楽しそうだったのはこの上なくいいことなのだが、おかげで俺の三半規管は深刻なダメージを受けてしまった。

 

「咲良、大丈夫?」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

「我知ってる。それ大丈夫じゃない時に言うセリフ」

 

強がってみたがオーフィスにはものの見事に看破されてしまった。まあ実際問題あまり大丈夫ではないのだが。こんなことになったらもっと三半規管を鍛えておけばよかった・・・・そうすればオーフィスにこんな醜態を晒すことにならなかったのに。いや、これまでも結構晒していたような気もしないでもないが。

 

「咲良、これ飲んで」

 

「ああ、ありがとう」

 

オーフィスは持ってきていた水筒のお茶を俺に差し出してくる。水分を摂取したことで、多少は気分が良くなったが、それでも依然グロッキー状態から脱っすることはできなかった。

 

「まだ気分良くない?」

 

「んー・・・・ちょっとな。けど大丈夫だよ。もう少しすれば回復するから」

 

「咲良・・・・・・わかった。ならここに頭乗せて」

 

そう言いながら、オーフィスは自身の膝を指差す。つまり・・・・・膝枕だ。

 

「え?オーフィス?なんで?なんで膝枕?」

 

「我、咲良に膝枕されると気分が落ち着く。だから咲良も我の膝枕で気分を落ち着かせて欲しいと思った」

 

な、なるほど・・・・・これは理に適ってるぞ。確かにオーフィスは俺が膝枕すると安心したように直ぐに眠ってしまう。ならば俺も同じようにオーフィスに膝枕してもらえば・・・・・流石に眠る訳にはいかないが、気分は間違いなくよくなるだろう(断言)。

 

問題があるとすれば・・・・・ここが人の目につきすぎるということだ。ここでオーフィスの膝に頭を載せてしまえば、間違いなく目立つ。

 

だがしかし、オーフィスは善意で自らの膝を差し出してきている。それを断ることができるだろうか?いや、できない。そんなことをしようものなら俺は一生俺を許せなくなる・・・・どころか首を括るぞ。

 

つまりだ・・・・・俺の取るべき行動は唯一つ。

 

「・・・・・失礼します」

 

「ん」

 

俺はオーフィスの膝に頭を乗せる。もちろん可能な限り体重がかかり過ぎないように慎重にだ。まあ、オーフィスなら気にしないかもしれないが。

 

「咲良、気分どう?」

 

「ああ・・・・・落ち着くよ」

 

ごめんなさいオーフィスさん。俺は嘘をつきました。いや、俺の三半規管はものすごい勢いで回復しているのだが・・・・いろんな意味ですっごいドキドキしています。

 

正直、俺は膝枕を舐めていた。いつも膝を差し出す側だったが、まさか恋人の膝がここまで心地いい感触だとは思わなかった。確かに気分は良くなるが、これは正直興奮して落ち着かない。

 

それと同時に・・・・・こっちを見てくる視線がヤバい。いや、そりゃ見た目幼女の膝に頭載せてるんだから注目されるのは当然だけど・・・・・・これは下手をすればお巡りさんを呼ばれてしまう。まさか一日のうちに二度も遊園地でこんな思いをするとは思わなかった。

 

ただ、先程と違うことが一つ・・・・早急にこの場から立ち去ることができないということだ。

 

「咲良・・・・我のせいでごめん。時間気にしなくていいから我の膝でゆっくり休んで」

 

「うん。ありがとう」

 

申し訳なさそうに謝罪しながら俺の頭を撫でてくるオーフィス。オーフィスの気遣いは嬉しい。すっごい嬉しい。だけど・・・・そんなこと言われたらゆっくりせざるを得ないじゃないか。

 

実際、俺の三半規管はまだ回復しきっていない。この状態でもう大丈夫だと言ってもおそらくオーフィスには通じない。俺のことに対するオーフィスの鋭さはマジ半端ないからな。

 

というわけで・・・・・三半規管が完全に回復するまで、俺はこの状況から脱することはできない模様。

 

「咲良・・・・いい子いい子」

 

ああ、なんかオーフィスさんこの状況で母性に目覚めつつあるよ。傍から見るとこの光景ってどう見えるんだろう・・・・・ダメだ、想像できない。というか想像したくない。

 

こうなりゃヤケだ・・・・・オーフィスの膝を堪能しまくってやる。周りの奴らににシスコン、変態、ペドと思われようと知ったことか。社会的信用なんてここで放り投げてやる。

 

「咲良・・・・泣いてる?」

 

「エ?ソンナコトナイヨおーふぃす。ナイテナンカナイ・・・・・オレハナイテナイヨ」

 

目から流れるのは俺の熱いパトスだ。涙なんかでは断じてない。

 

 




のっけからイチャつきまくりな咲良さんとオーフィスちゃん。マジラブラブすぎ。

というかオーフィスちゃんの膝枕とか・・・・・・寿命半分支払ってでもしてもらいたい(真顔)

それでは次回もまたお楽しみに!
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