愛しき龍神と過ごす日々   作:shin-Ex-

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調子が乗らず、また短く・・・・・

今回は風邪のおはなしです

それでは本編どうぞ


風邪は身体的にも精神的にも辛い

 

小猫がリアス先輩やイッセー達と冥界へと出立して数日経ったある日。

 

「オーフィス、お粥作ってきたぞ」

 

「ん・・・・・ありがとう咲良」

 

部屋で布団に包まれて横になっているオーフィス。そのオーフィスにお粥を作って持ってきた俺。そう、オーフィスは夏風邪をこじらせてしまったのだ。爺さんに連絡をとってみたところ、どうやらドラゴン特有の風邪だそうだ。

 

無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)であるオーフィスはドラゴンの中でも極めて特殊な存在だ。そんなオーフィスがドラゴン特有とは言え風邪を患うことがあるのかどうか疑問だったが、どうやらそれは今の生活環境が原因となっているらしい。10年もの間、人間的な生活を送ってきたが故に、オーフィスの体はにいくらかの変化が生じ、風邪を患うようになってしまったようだ。

 

「気分はどうだ?」

 

「体が少し重くて頭もクラクラする。それに熱い」

 

赤く染まった顔で言うオーフィス。典型的な風邪の症状だ。

 

「食欲はあるか?」

 

「・・・・あまり食べたくない」

 

食事を好むオーフィスだが、風邪ともなればやはり食欲は落ちるようだ。

 

「けど、咲良が作ってくれたのは食べる。食べたい」

 

どうやら食欲がなくても俺が作ったものなら食べる意欲が湧いてくるようだ。少しでも食べておいて欲しいから良かった。

 

「咲良、ふーふーして食べさせて」

 

「ん。おっけ」

 

土鍋に入ったお粥をさじでひと掬いし、息を吹きかけて冷ました後にオーフィスの口元に持っていく。別にオーフィスは猫舌ではない、というかマグマのようにグツグツしたおのでも平気で口に含もことができるのだが、風邪ということもありそういう雰囲気を味わいたいということだろう。

 

「はい、あーん」

 

「あーん」

 

お粥を口に含むオーフィス。数回かんだ後に喉を鳴らして飲み込む。

 

「美味しいか?」

 

「咲良の料理はなんでも美味しい」

 

風邪をひくと味覚が鈍るとかたまに聞くが、どうやらオーフィスは違ったようだ。満足げに微笑みを浮かべている。

 

「咲良、もっと」

 

「ああ。あーん」

 

オーフィスに求められるまま、俺はお粥をオーフィスの口元に運び続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・苦い」

 

「まあ薬ってのは大概そういうものだよ」

 

お粥を食べ終えたオーフィスに、爺さんから送られてきた薬を飲ませる。その薬というのが随分と苦かったようで、オーフィスの表情はゲンナリとしている。

 

「口直ししたい」

 

「て言ってもな・・・・・薬飲んだあとはあまり食べない方がいいぞ?」

 

「それは我も知ってる。だから食べなくてもできる口直しする」

 

食べなくてもできる口直し?それって一体・・・・・

 

「咲良、ちゅーして?」

 

・・・・おう、そうきましたか。これはまた変な本に影響されたか爺さんか黒歌あたりが余計なこと吹き込んだんだろうなぁ。まあいいけど。断る理由はないし。

 

「ああ、わかったよ」

 

オーフィスの要望に応じて、唇を重ねる。口直しという名目のもと行われているためか、オーフィスの舌が俺の口内に入り込み、舌を絡ませてきた。さっきオーフィスが飲んだ薬の苦味を感じる。

 

「ん・・・・ちゅ・・・・」

 

結構激しめに舌を動かしてくるオーフィス。結構長いことしているためか、風邪をひいていない俺の方が頭がクラクラしてきた。

 

「・・・・ん、美味しかった」

 

「そうか。それはなによりだ」

 

正直美味しくはないと思うが・・・・まあ敢えて突っ込まないでおこう。口直しには成功したようだし。

 

「それじゃあ、俺これ片付けてくるな」

 

「待って」

 

お粥の入った土鍋を片付けようとするが、そんな俺の手を掴んでオーフィスが引き止めてくる。

 

「どうしたオーフィス?」

 

「・・・・行かないで」

 

「え?」

 

「咲良・・・・行かないで」

 

上目遣い気味で俺を見つめながら言うオーフィス。これまで見たことないほどに弱々しく見える。

 

「一人・・・・・嫌。寂しい。一人で寝てると嫌な夢見る」

 

「嫌な夢?」

 

「咲良が・・・・いない夢」

 

俺がいない夢?

 

「夢の中の我・・・・咲良がいなくても平気そうな顔してた。それが当然みたいな感じで、不思議に思ってもいなかった。咲良がいないの怖いことなのに・・・・それなのに・・・・」

 

俺の腕を掴む力だ少しづつ強くなっていく。それにつれ、オーフィスの表情もどんどん暗くなっていった。

 

風邪をひくと、体だけでなく心も弱ってしまうことがあるがオーフィスもそうだったのだろう。明確の原因はないのに、寂しさや孤独感を感じてしまう・・・・俺も風邪を引いたときはそうだった。

 

「オーフィス・・・・・俺はいるよ。ここにいる・・・・オーフィスのそばにいる」

 

包み込むようにオーフィスを抱きしめる。俺の存在をしっかりと感じさせるように、そしてオーフィスの存在をしっかりと感じられるように。

 

オーフィスの怖さは俺にもよくわかる。時々であるが、自分がいなかったらと考えてしまい、もしかしたらそれが自然のことなのではないかと思ってしまう。

 

だからこれはオーフィスのためでもあり、自分のためでもあった。

 

「一緒に寝るか?怖い夢見ないように」

 

「うん。我、咲良と一緒に寝る」

 

オーフィスを抱きしめたまま、布団の中に潜り込む。

 

「暖かい・・・・咲良の温度感じる。咲良の匂いも、咲良の音も」

 

俺の胸に耳を当てるオーフィス。俺の音、というのは心音を指しているのだろう。

 

「咲良・・・ずっと我と一緒にいてくれる?」

 

「うん。オーフィスと一緒にいるよ」

 

「どこにもいかない?」

 

「傍にいる」

 

オーフィスが今言ったことは、俺の願いでもあるから。だから一緒にいるのは、傍にいるのは当然のことだ。

 

ただ・・・・

 

「ずっと一緒。我と咲良はずっと一緒」

 

「ああ・・・・そうだな」

 

ごめんなオーフィス。『ずっと』は一緒にいられない。俺が生きられるのはあとせいぜい80年がいいところ。長い時を生きてきたオーフィスからすれば、おそらくそれはほんの一瞬にも感じられるほど短い時だろう。

 

俺が人間である限り、この死別は避けられない。だけど、それでも俺は人間をやめられない。俺は人間としてオーフィスを愛し続けていたいから。

 

だから・・・・

 

「咲良・・・ずっと・・・・一緒・・・」

 

どうやら眠ったらしく、俺を抱きしめたまま寝言を呟くオーフィス。その表情は安らかで微笑みを浮かべている。

 

「オーフィス・・・・嘘ついてごめんな」

 

オーフィスへの謝罪の言葉を口にしながら俺も目を閉じ、眠りについた。

 

 




さすがの龍神も風邪には参ってしまう模様。まあ、龍神が風邪ひくなんてうちぐらいでしょうが

でも風邪で弱々しくなってるオーフィスちゃんやっぱり可愛い

それでは次回もまたお楽しみに
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