今回は原作キャラが二人登場します
それでは本編どうぞ
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン
ある日の昼下がり、呼び鈴の音が3回聞こえてきた。
「ん?客か・・・・誰だろ?」
「3回ってことはお爺さんじゃないし・・・・・曹操とかじゃない?」
「曹操・・・・」
曹操の名前を聞いて、俺の膝の上に座っていたオーフィスが若干不機嫌そうになった。
「黒歌・・・・・オーフィスの機嫌が悪くなったんだけど?」
「わ、私のせい?」
「まあいいや・・・・出迎え行ってくるよ」
俺はオーフィスを下ろして、客を迎えに行った。
「おお、咲良。久しぶりじゃの」
「お久しぶりです咲良さん」
門前に来た俺に、お客である二人が挨拶してきた。一人は片目を隠した年老いた老人。もう一人は銀髪の女性・・・・・北欧の主神であるオーディンさんと、そのお付のヴァルキリー、ロスヴァイセさんだった。
「お久しぶりですオーディンさん、ロスヴァイセさん。お二人共、変わらず元気そうでなによりです」
「変わらず・・・・・はい、そうですね。相変わらず年齢=彼氏いない歴は変わっていませんよ・・・・うふふふふ・・・・」
おっと、どうやら地雷を踏んでしまったようだ。自嘲気味に笑いながら涙を流すロスヴァイセさん・・・・普通に挨拶しただけだけど、なんか俺が悪いみたいに感じてしまう。
「これロスヴァイセ、咲良はそういうつもりで言ったわけではないぞ。そんなんだから男ができんのじゃ」
「こんなんで悪かったですね!」
「まあまあ落ち着いてくださいロスヴァイセさん。大丈夫ですよ。ロスヴァイセさんほど器量のいい美人さんならいつか必ず素敵な男性とお付き合いできます」
正直俺からしたらどうして彼氏ができないのか不思議でならない。
「ならいっそのことお主がもらってやったらどうじゃ咲良?」
「なっ!?オ、オオオオオーディン様!そんなこと言ったら咲良さんが困ってしまうじゃないですか!」
「じゃがお主、付き合うなら咲良みたいな男がいいと言っておったであろう?」
「オーディン様ァァァァァァ!!咲良さんの前ではそれは言わないでって言ったじゃないですかぁぁぁぁぁ!!」
すっごい取り乱してるロスヴァイセさん。というか俺みたいなのと付き合いたいだなんてロスヴァイセさんも変わってらっしゃる・・・・・俺なんて大した男じゃないというのに。
「さ、咲良さん!今オーディン様が言ってたのはその・・・・さ、咲良さんと付き合いたいとかそういうことではなく、あくまでも咲良さんのような素敵な男性とお付き合いしたいという意味でして・・・まあ咲良さんとお付き合いできたらそれはもう嬉しいといいますか天にも昇る至福といいますか・・・・というか本当は咲良さんのような方ではなく咲良さんとお付き合いできたらいいなぁと思ったりそうじゃなかったり・・・・いえ、そうじゃないということは全然なくてやっぱり私は咲良さんと・・・・」
何やら早口且つ小声でゴニョゴニョ言っているロスヴァイセさん。言ってることのほとんどが聞き取れなかったけれど、なんか年上とは思えない程に可愛らしく見えた。
「まあ、長々と言っておるが要は『私を娶ってください』だそうじゃ」
「オーディン様ァァァァァァ!!」
いや、オーディンさん。よくわからないけれどきっとその要約は間違っていると思いますよ。というかロスヴァイセさんもそんなに取り乱したらまるでその通りだと言ってるように聞こえるじゃないですか。
けどまあ、冗談だとしても一応断りを入れるのが筋ってものなのかな?
「えっと・・・・申し出は嬉しいんですが、俺はもうオーフィスと婚約しているのでそれは受けられません。すみません」
「「・・・・・え?」」
オーディンさんもロスヴァイセさんもポカンとした表情を浮かべる。
「お二人共どうしました?」
「いや・・・・咲良、お主オーフィスと婚約したのか?」
「ええ。今年の春先に。高校を卒業したら結婚しようと約束しましたので」
「相手はあの
「まあ常識はずれというのはわかっていますが、俺もオーフィスも両想いなので(おそらく)問題はないかと・・・」
「「・・・・・」」
口を閉ざし、唖然とするオーディンさんとロスヴァイセさん。いや、まあオーフィスの事を知ってるひとからすればこの反応は自然なのだが。実際何度も見てきているし。
「そ、そうか。オーフィスと婚約か・・・・・とりあえずおめでとうと言っておくかの」
「あ、はい。ありがとうございます」
「・・・・そうですかー。オーフィスさんと婚約ですかー。確かにお二人はとても仲が良かったですもんねー。咲良さんはいつもオーフィスさんを気遣っていましたし、オーフィスさんは咲良さんにべったりでしたからねー。種族の違いはあっても婚約しておかしくないですよねー・・・・・あはははははは」
ぎこちないながらも俺とオーフィスの婚約を祝福してくれたオーディンさん。それに対してロスヴァイセさんはなぜか虚ろな目で笑っていた・・・・・どうしたんだろう?
「あの、オーディンさん。ロスヴァイセさんの様子がおかしいんですがどうかしたんでしょうか?」
「それを本気で言っておるならお主はやはり大物じゃな」
「え?どういうことですか?」
「いや、気にするな。ロスヴィセのことはあまり触れぬ方が賢明じゃ。おそらく今はお主が何を言ってもダメージを受けるだけじゃろうからな」
俺が何を言ってもダメージを受けるって・・・・・本当にどういうことだ?けどまあ、オーディンさんがそこまで言うなら増えないでおいてあげるのがベストなんだろう。
「とりあえず上がりますか?ここで立ち話というのもなんですし」
「おお、そうじゃな。行くぞロスヴァイセ」
「咲良さんが婚約・・・・・オーフィスさんと婚約・・・・・あはははははは・・・・」
まだ何やらブツブツ言っているが、オーディンさんの言っていることは聞こえるらしく、家に上がるロスヴァイセさん。よくわからないがこれは俺のせいなのだろうか・・・・?
「話には聞いていたけど、まさか本当に北欧の主神であるオーディンと知り合いだったなんて・・・・やっぱり咲良は異常ね。人外だわ」
「解せぬ」
オーディンさんに視線を向けながら言う黒歌。なぜオーディンさんと知り合いというだけで異常だ人外だと言われなければならないのだろうか・・・・・
「というか、知り合いといっても俺は爺さんに紹介されて知り合ったんだから。異常なのは爺さんの方だろ。いや、まあ今更の話だけど」
「知り合ったきっかけはお爺さんでも、親交を深めたのは咲良でしょ?だったらやっぱり異常にゃ」
「そこの黒猫の言うとおりじゃな。自分で言うのもなんじゃが、北欧の主神である儂が気に入るなど滅多にないことじゃ。人外扱いされても仕方がないじゃろう」
「・・・・・オーフィス、俺の人間性が否定されてしまいました。泣きたいです」
「よしよし」
膝の上に座るオーフィスは、俺の方に振り返って頭を撫でてくる。最近事あるごとに撫でられてるけど、これは結構いいかもしれない。まあ、同じくらいかそれ以上俺の方がオーフィスの頭を撫でたりしているのだが。
「よしよしですって・・・・ラブラブじゃないですかー。物凄く幸せそうじゃないですかー。あはははははは・・・・・」
「・・・・咲良、あのひとは一体どうしちゃったにゃ?」
部屋の隅で体育座りしながらいじいじと畳を指でなぞるロスヴァイセさんに視線を移しながら、黒歌が引き気味に言う。
「いや、俺にもよくわからなくて・・・・オーフィスと婚約してるって言ってからどうにも様子がおかしくてさ」
「・・・・ああ、なるほど。わかったにゃ。それなら仕方ないわね」
え?今ので納得できちゃうの?というか仕方ないって・・・・本当に意味がわからない。
俺が首を傾げている間に、黒歌はロスヴァイセに近づいて声をかけた。
「大丈夫?」
「え?あなたは・・・・」
「私は黒歌。この家に居候しているにゃ。そして・・・・・あなたの気持ちを誰よりも理解してあげられる女でもあるわ」
え?黒歌、ロスヴァイセさんの気持ち理解できるの?どうして・・・・?
「ッ!?ではあなたも・・・・?」
「ええ。といっても、私ははじめから諦めているんだけどね・・・・この家に来たの、二人が婚約したあとだし」
「そうですか・・・・辛くはないんですか?」
「正直に言うと、全く辛くないわけじゃないにゃ。けど・・・・私は見守るって決めたの。だから・・・・それでいいのよ」
一体何がいいのだろうか・・・・・すっごい気になるんだ。
「強いですね・・・・・私はしばらく立ち直れそうにありません」
「それは普通のことよ。気にする必要はないな。さっきも言ったけど私はあなたの気持ちを理解できるから・・・・話ぐらいはいくらでも聞いてあげられるにゃ」
「ありがとうございます・・・・早速ですがいいですか?」
「わかったにゃ・・・・咲良、私ちょっとこのひとと話をしてくるにゃ」
「わかった。よくわからんがロスヴァイセさんのことよろしくな」
「うん」
ロスヴァイセさんを連れて、別室に移動する黒歌。一体なんの話をするんだろうか・・・・?
「オーディンさん、あの二人一体どうしたんでしょうかね?」
「・・・・・触れてやるな咲良。それがお前にできるせめてもの情けじゃからな」
・・・・触れてやらないことが情けって、どういう情けなんだろうか?
「なあオーフィス、どういう意味だと思う?」
「咲良が鈍感でも我気にしない。咲良のそういうところも可愛い」
どういう意味なのか訪ねたらなぜか鈍感と言われてしまった。そのうえ可愛いって・・・・オーフィスに思われる分にはまだいいけど。
まあ、結局意味は分からずじまいだが・・・・・
咲良さんに好意を持っていたロスヴァイセさん・・・・咲良さんとオーフィスさんが婚約したとしり撃沈
というか、これで気がつかないとか咲良さん鈍すぎる・・・・・
ちなみにロスヴァイセさんの方言に関しては使いこなせる自信がないので・・・・・ご容赦を
それでは次回もまたお楽しみに!