かなり短いですが・・・・・
それではどうぞ
我は桜が嫌い
皆は桜は綺麗で可憐で美しいと言う
我も・・・・そう思う。桜は綺麗で美しい
それでも我は桜が嫌い
大好きな
理由は・・・・・・わからなかった。どうして嫌いなのかずっとずっとわからなかった
だけど・・・・最近になってようやくわかった
咲良と結婚の約束をして・・・・我がどうして桜が嫌いなのかがわかった
桜が一番綺麗で、美しいと感じるのは――ときだから
だから我は・・・・・桜が大嫌い
オーフィスと結婚の約束をして一年が経ったある春の日のこと。今日は皆で近くの公園で花見をすることになっていた。今は桜が散り始める頃で、一番見ごたえがあるということで企画されたのだが・・・・・・俺とオーフィスはその花見に参加することはなかった。
理由はオーフィスが異様に桜を嫌っているからだ。桜を視界に入れるとむっとした表情を浮かべてしまう。そんなオーフィスが花見に参加などするわけがなく、オーフィスが参加しないということで俺も不参加ということになったのである。
「咲良と二人きり、久しぶり」
「ああ、そうだな」
いつも通り、俺の膝の上に座り、機嫌よさげに擦り寄ってくるオーフィス。黒歌や白音は花見に参加しているため、今日は久しぶりに二人きりだからいつも以上に積極的にスキンシップを・・・・・あれ?いつもこんなもんだったような気が・・・・・まあ深くは考えないでおこう。
それよりも・・・・・
(やっぱりオーフィス・・・・・桜が嫌いなんだなぁ)
オーフィスの桜嫌いは筋金入りだ。俺にとってそれは・・・・・ちょっとだけ悲しかった。俺と同じ名前をした桜。だからといって俺からしたら特別思い入れがあるわけではなく、単純に綺麗だなと思う程度のものなのだが・・・・それでも、俺と同じ名前の桜をオーフィスが嫌っているというのはちょっとだけ悲しい。
自分のことではないとわかってはいても・・・・・まるで自分がオーフィスに嫌われているのではないかと思ってしまうことがたまにある。
だから俺は少しでもオーフィスに桜の事を好きになって欲しいと思っているのだが・・・・・
「ん?」
ふと自分の手に視線を向けると、桜の花びらがひっついていることに気がついた。どこからか紛れ込んだのだろうか?
「・・・・それ、桜?」
オーフィスが俺の手に付いた桜の花びらを見ながら尋ねてくる。嫌いな桜を目にしたことによりオーフィスはっむっとした表情を・・・・・浮かべていなかった。オーフィスの顔から読み取れる表情はどこか悲しげであったの。
「この桜・・・・・死んでる?」
「え?」
「この花びらは散ったからここにある。散るってことは・・・・死んでるってこと?」
より一層、表情に憂いが帯びてくるオーフィス。
「我・・・・・・・やっぱり桜嫌い」
「オーフィス?」
「桜は綺麗。桜は美しい。けど・・・・・我知ってる。桜が一番綺麗なのは、美しいのは散るとき・・・・・死ぬ時だっていうことを我知ってる。だから我は・・・・・桜が嫌い。だって桜は・・・・・咲良と同じ名前なのに。それなのに死ぬときの方が綺麗だなんて・・・・」
そうか。オーフィスが桜を嫌うのは・・・・・俺の事を想ってくれているからなのか。俺の事を想ってくれてるから・・・・・散るときが一番綺麗な桜のことが嫌いなんだ。
桜は俺と同じ名前だから・・・・・俺と桜を重ねてしまっているのだろう。
ああ、もう・・・・・本当にこいつは・・・・・なんて愛おしいんだろう
「・・・・・オーフィス」
あまりの愛おしさに、俺はオーフィスを抱きしめてしまう。
「我、咲良が好き。だからずっとずっと桜を嫌い続ける。ずっとずっと・・・・・永遠に」
「そうか・・・・・ありがとうオーフィス。嬉しいよ」
俺を愛し、それゆえに桜を嫌うオーフィス。
そんなオーフィスが・・・・・俺は・・・・愛おしくて愛おしくて堪らなかった。
桜が綺麗なのは認めるけど、散り際が一番綺麗だから嫌いだというオーフィスちゃん
それも桜が咲良さんと同じ名前だからという・・・・・咲良さん本当に愛されてるなぁ
それでは次回もまたお楽しみに