愛しき龍神と過ごす日々   作:shin-Ex-

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サブタイ通り今回は黒歌さんがメインです

それでは本編どうぞ


健気な黒歌さんとか普通にお嫁に欲しい by作者

「ご苦労だったな黒歌。それとありがとな」

 

「別に。好きでやったことだからお礼なんていらないにゃ」

 

パーティの翌日、私はグレモリーの屋敷の一室で伊槻お爺さんと二人で話をしていた。話の内容は・・・・・先日のパーティでの咲良の護衛について。ちなみに咲良はこの屋敷のメイドで魔王の女王(クイーン)のグレイフィアって女に料理を教えていて、オーフィスはそれに付き添っているにゃ。

 

・・・・・私も教えるように推したけど、正直グレイフィアには同情するにゃ。咲良がガチで料理を教えるとなると相当・・・・・・まあ今はそんなことはどうでもいいにゃ。

 

「それで?どうだった?」

 

「別に怪しい動きをしてる奴はいなかったにゃ。料理にも飲み物にも毒とかは入ってなかったし」

 

「そうか。まああんな人目に付くような場所で滅多なことを起こす奴はいないだろうと思っていたが・・・・何事もなくて良かった」

 

ほっとした様子でお爺さんは胸を撫で下ろす。どうやらよほど心配だったらしいにゃ。

 

先日のパーティで、私はお爺さんに言われて咲良の護衛として役割を果たしていた。和平の仲介役といえば聞こえはいいかもしれないけれど、他種族との和平を快く思っていないものというのは間違いなく存在する。その理由は様々だが、それでもそんな連中にとって咲良は邪魔者でしかない。だからこそ・・・・・お爺さんは咲良の命を守るために、私に護衛を頼んだようにゃ。

 

パーティでは咲良の口にするものは全て事前に毒見をして、咲良に敵意を持っている者がいないか仙術でずっと警戒していた。咲良を守るためなら、命さえ差し出す覚悟をしていたけれど・・・・まあ、結果として咲良を狙う不届きものがいなくて良かったにゃ。

 

ただ・・・・・

 

「別に我が身可愛さに言うわけじゃないけど、咲良が知ったらそれこそお説教どころじゃ済まないと思うにゃ」

 

「だろうなぁ。そんなこと俺が黒歌に頼んだって咲良が知ったらあいつは間違いなく怒る。黒歌が自分の護衛につくこと自体は認めていても、そのために黒歌が犠牲になろうとすることをあいつは良しとしないだろうからなぁ。多分俺だけじゃなくて、そうとわかっていて護衛の任を受けた黒歌にも怒るだろうな」

 

お爺さんの言っていることはそのとおりだと思う。咲良の性格上、自分のために必要以上に体を張って欲しくないと思うだろうし・・・・・だからこそ、バレたら私が怒られるのは確定的にゃ。咲良のそういう優しさは私も好きだけど、護衛した挙句怒られるのはさすがに勘弁ね。

 

「けど私の護衛なんてなくてもオーフィスが居ればよほど大丈夫じゃないかにゃ?」

 

そう、咲良にはあの世界最強の無限龍神(ウロボロス・ドラゴン)のオーフィスが付いている。そのオーフィスがついていれば咲良に危害を加えようなんて奴はいないと思うけれど・・・・・

 

「まあ、確かにオーフィスがついていればよほどのことは大丈夫だと思うがな。咲良に対して異常とも言えるほどの加護が与えられてるし、戦闘面に関しては咲良を守るためなら多分俺以上に強くなる可能性あるだろうし」

 

「それってとんでもないことなんじゃ・・・・・」

 

いや、まあ冷静に考えれば咲良が関わらなければオーフィスよりも強いお爺さんも大概とんでもないような気もするけれど・・・・・というか、それならやっぱり私が護衛するまでもない気がするにゃ。

 

「ただ、世の中絶対ってものはないからな。オーフィスは強いし咲良に対する危険感知能力は高いが、それでもオーフィスでは手が回らないこともある。だからこそ、俺はお前に頼んだんだ」

 

「オーフィスでも手が回らないね・・・・・そんな事態、起きないに越したことはないけどそういうことなら了解にゃ。私は私にできることで咲良を守るにゃ」

 

それが・・・・・咲良に助けてもらった私にできる数少ないことだから。

 

「おう。頼んだぞ黒歌。と、そういえば咲良の奴、若手悪魔3人と接触したようだな」

 

若手悪魔3人というと・・・・・あいつらのことね。そういえば、そのことでこのお爺さんに言っておきたいことがあったにゃ。

 

「お爺さん、いくらなんでも咲良は物怖じしすぎない気がするにゃ。私がゼファードルとかいう悪魔に絡まれてたとき、当然のように前に出てきたし。私のためっていうのは嬉しいんだけど・・・・・」

 

「あー・・・・あいつ日常的に俺やオーフィスっていう世界最強レベルとずっと一緒にいたからなぁ。神やらドラゴンやらの知り合いも多いし、若手の上級悪魔程度ならあいつにとってそこらのパンピーと変わらないんだろう」

 

「上級悪魔がパンピーって・・・・そのへんの感覚、矯正したほうがいい気がするにゃ。危機感を持たせないとこの先・・・・・・私やオーフィスがいるから大丈夫かもしれないけど厄介事に巻き込まれることも多いと思うにゃ」

 

実際、あのゼファードルとかいうのには目をつけられちゃっただろうし。あの時サイラオーグとシークヴァイラが来なかったらもっと面倒なことになってたかもしれない。

 

「言ってることはもっともだが・・・・残念ながら無理だな。あれはあいつの魂に根付いた習性みたいなものだから今更どうこうできん。なにより、あいつのあの物怖じしないところを気に入ってる奴も多いし、だからこそ和平の仲介役を勧めたわけだしな」

 

お爺さんの言っていることはもっともね。ただ・・・・・それでもやっぱり納得はいかない。

 

「・・・・・一応言っておくけど、お爺さんが咲良を和平の仲介役に推したこと、私はまだ納得したわけじゃないから。咲良が無事でいられるように力を尽くすけど・・・・・咲良に何かあったら私がお爺さんを殺してやるにゃ」

 

私の力じゃこのとんでもお爺さんを殺すことなんて無理だなんてことはわかっている。それでも私はこういってやらなければ気がすまなかった。いくら咲良のたった一人の家族だからといって・・・・・咲良を危険な目に逢わせていい理由にはならないにゃ。

 

「・・・・・はははっ。俺の孫は果報者だな。可愛い龍神様だけじゃなくて、こんなグラマーな黒猫にも愛されてるとは。独り者としては羨ましい限りだ」

 

「はぐらかさないで」

 

「いや、そんなつもりはなかったんだがな・・・・・よし、わかった。咲良に何かあったら俺を殺せ。遠慮なくな」

 

ニッと笑みを浮かべて、なんでもないようにお爺さんは言う。

 

「もっとも、俺もそうならないために動くつもりではいるけどな。たったひとりの孫だ・・・・守るのは当然だ」

 

「その割には咲良をほったらかしにしていろんなところに行ってるにゃ」

 

「それもまあ、咲良を守るためでもあるんだよ。こう見えても俺、結構仕事してるんだぜ?」

 

「あっそ」

 

そっけないように返事を返すけれど、別にそのことに関しては別段疑ってはいなかった。もっとも、それは私がお爺さんの働き振りを見ているからではなく、咲良がそう言っていたからだけど。

 

「それじゃあそろそろ私は咲良のところに戻らせてもらうにゃ。じゃあねお爺いさん」

 

「ああ、ちょっと待った。最後にもう一つだけ」

 

咲良の下へ向かおうとする私を、お爺さんは引き止める。

 

「なに?早くして欲しいんだけど・・・・」

 

「すぐに済む。咲良のことだが・・・・・本当に頼むぞ黒歌。お前も咲良にとっては大切な存在の一人なんだからな・・・・・咲良を支えてやってくれ」

 

言われるまでもない・・・・と、返したかったけれど、できなかった。お爺さんの表情があまりにも真剣で・・・・どこか悲しそうに見えたから。

 

「さて、話は今度こそこれで終わりだ。咲良のとこに行ってこい」

 

「・・・・ええ。そうするにゃ」

 

私はなにか引っかかるものを感じながらも、咲良の下へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあこの具材は85度の角度で厚さ8ミリ。1秒間に3回の速さで切ってください」

 

「え?あ・・・・・はい」

 

「・・・・・やってるわね」

 

咲良のいる屋敷の厨房にやってきた私の目に、料理を教える咲良と教わるグレイフィアの姿があった。案の定というかなんというか・・・・・グレイフィアはかなり苦戦していた。

 

無理もないにゃ。咲良がガチで料理を教えるときはとにかく細かいのだから。ミリ単位、秒単位でこだわる上に食材を切る角度まで気にして・・・・・温度とかも1度どころかコンマ単位で気にしている。

 

咲良はもう、ほとんど感覚でその辺りは平然と見極めるのだけれど・・・・・いくら普段から料理しているとはいえ、これは相当にしんどいはずにゃ。

 

「黒歌、伊槻との話終わった?」

 

私のことに気がついたオーフィスが近づいて来て尋ねてきた。

 

「さっき終わったにゃ。こっちは・・・・・まだまだ時間がかかりそうね」

 

「咲良本気で教えてる。多分あと2時間ぐらいかかる」

 

「・・・・咲良はともかく、グレイフィアの方がもちそうにない気がするにゃ」

 

あんなに細くっちゃ、ひたすらに神経を使うだろうし・・・・・ご愁傷様としか言えないにゃ。

 

「まあ、変に口出しして邪魔するのもあれだし、私はここで見てるにゃ」

 

「我も。黒歌と話ながら見ている」

 

うっ・・・・・これは墓穴を掘ったかもしれないにゃ。オーフィス、私と二人の時に話すことって大概惚気だから・・・・・胸焼けの覚悟をしたほうが良さそうね。

 

ただまあ、その前に・・・・

 

「オーフィス」

 

「なに黒歌?」

 

「咲良のこと・・・・・・絶対に守りましょ」

 

さっきのお爺さんの顔がちらついてしょうがない私は、オーフィスにそう告げた。

 

「咲良は守る。何があっても。当然のこと聞いてきて黒歌、変」

 

「ふふっ、そうね」

 

やっぱり、オーフィスにとっても咲良を守ることは当然なのね・・・・・まあ、愛し合ってるから当然といえば当然にゃ。

 

「それよりも黒歌、前に咲良が・・・・・」

 

表情は変わらないけれど、それでもどこか楽しそうな様子で咲良の惚気を始めるオーフィス。

 

さて、今度はどんな甘い話を聞かされるのかにゃ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 




咲良さんのことになると本当に健気すぎる・・・・・普通に可愛いと思います

もちろんオーフィスちゃんも可愛いですが

それでは次回もまたお楽しみに!
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