まあ、サブタイから察せられるようにオーフィスちゃんとは・・・・
ともかく本編どうぞ
曹操と会ったのは今から5年前のことだ。オーフィスの時と同じように、爺さんが突然連れてきたのだ。とりあえず飯を食わせてやってくれと言われた。どういう事情で曹操を連れてきたのかはわからないが、特に断る理由もなかったのでご飯を作って食べさせた。これが曹操と初めて出会ったときのことだ。
それ以来、曹操はたまにうちにご飯を食べに来るようになって・・・おそらく今日ここに来た目的もそれだろう。
「久しぶりだな曹操。元気だったか?」
「それなりにはな。戦闘も多かったから多少の怪我は負うこともあったが病気を患うことはなかった」
多少の怪我か・・・・・やはり、英雄を志すとなると戦いは避けては通れないということか。
「そういう君の方はどうだ?」
「俺はまあ、健康面に関しては上々だよ。それにしても本当に久しぶりだな・・・・前に来たのは大体1年ぐらい前だっけか?」
「正確には326日だ」
「いや、一々数えてたのかよ・・・・・でも、一年も間を開けるなんて、戦いも多かったって言ってたけど英雄派の活動はそんなに大変なのか?」
「それなりにはな。おかげで俺達は英雄にまた一歩近づけただろう」
ふっと笑みを浮かべながら言う曹操。この様子じゃあ英雄への執着は相変わらずのようだ。まあ、それこそが曹操のらしさなんだが。
「まあ、それならなによりだが・・・・・それにしてもまた一人か?ほかの英雄派の連中も連れてきてもいいって言っただろ?」
「君のその厚意は嬉しい。だが、英雄派の皆には悪いがここには俺一人で来たいんだ。ここでは英雄派筆頭という肩書きなしで・・・・・・君の一人の友人でありたいと思うからな」
「・・・・そっか」
俺は曹操の言い分に納得した。英雄を志すといっても、四六時中それでは曹操も疲れてしまうのだろう。だからこそ、英雄を志す者でも、英雄派の筆頭としてでもない『曹操』としてここに来て羽を伸ばしたいとと思ってくれてるのだろう・・・・・そう思ってくれているのは、友達としては嬉しいな。
「まあ積もり話はあとにして、とりあえず上がれよ。立ち話もなんだし・・・・・今日もご飯食べに来たんだろ?」
「ああ。とりあえず食材は用意しておいた」
そう言いながら曹操は手にしていた袋を俺に差し出してくる。受け取って中を見てみると肉やら野菜やら魚介類やらがそれなりの量入っていた。それもパッと見だがどれもものはよさそうだ。
「・・・・・これ、お前が買ってきたのか?」
「そうだが?」
・・・・・英雄を志す者が食料品の買い物か。なんかイメージするとシュールだな。
「どうかしたか?」
「いや、なんでも。とにかく上がれ。これ使ってすぐに食事の準備するから」
「わかった」
俺と曹操は門戸をくぐり、家の中に入っていった。
「相変わらず趣のある家だな。こういうのをわびさびというのだったかな?」
うちの内装を見渡しながら廊下を歩く曹操が言う。日本古来の平屋の木造建築である我が家を、曹操はやたらと気に入っていた。
「人によったら古臭いとしか思わんだろうがな・・・・・」
「古い=悪いということでもだろう?少なくとも俺はこういう古風な家は嫌いではない」
「そう言ってもらえると俺も嬉しいよ」
もとは爺さんの家とは言え、俺にだってこの家に対して多少なりとも愛着はある。物心つく前から住んでればそれなりの数の思い出もあるしな。
「まあ、とりあえずこの部屋で待ってろ」
走行し得ているとオーフィスと黒歌がいる部屋の前についたので、部屋の麩を開けた。中にいた二人の視線が俺と曹操に向かうが・・・・オーフィスの視線はやけに鋭い。
「・・・曹操」
「久しぶりだねオーフィス。元気にしていたか?」
「・・・・・」
自身を睨みつけてくるオーフィスに、曹操はなんでもないように尋ねるが、オーフィスは答えない。そして沈黙したままこちらに近づいてきたかと思うと、俺の腕を引っ張って俺と曹操を引き剥がしてきた。
「・・・・曹操嫌い。咲良渡さない」
「はははっ。どうやら俺は未だに嫌われているようだな」
ギュッと俺の腕を抱きつくように握るオーフィス。そしてそんなオーフィスを見て苦笑いを浮かべる曹操。この光景でお分かりだろうが。オーフィスと曹操はあまり仲が良くない。いや、正確にはオーフィスが一方的に曹操を毛嫌いしているのだ。
ちなみに、オーフィスが曹操を毛嫌いしている原因は俺にあったりする。いつか曹操が英雄派へと勧誘してきたことがあった。それも結構ガチで。そのときオーフィスは曹操が俺を自分から引き剥がそうと思ってしまったらしく、怒ってしまったのだ。それこそ曹操どころかあたり一面を消してしまいかねないほどの勢いで。そのことがあって、オーフィスは曹操を嫌っている。
・・・・・今思えば、その時から俺はオーフィスに想われてたんだなぁ。
「警戒しなくても咲良を連れて行こうだなんて思わないさ。まあ、咲良が自分から俺たちの元来たいというなら話は別だがな。俺としては大歓迎だ」
「咲良、どこにもいかない。咲良、我とずっと一緒にいる。曹操なんかに渡さない」
無限の龍神と英雄派筆頭がただの平凡な人間である俺を取り合っている・・・・・こんな珍景、前代未聞だろうな。特にオーフィスに関しては、その存在を知る者にとっては驚愕だろう。
「えっと咲良・・・・・そいつは一体誰にゃ?」
オーフィスと曹操がバチバチと無駄な火花を飛ばし合う中、完全に蚊帳の外にいた黒歌が俺に尋ねてきた。
「ああ、こいつは曹操。俺のちょっとした知り合い・・・・いや、友達だな」
「曹操?それって三国志の・・・・・」
「その曹操の子孫らしい。5年ほど前に爺さん経由で知り合ってな。たまにうちにご飯食べに来るんだよ」
なお、曹操以外にもうちにご飯食べに来る奴はそれなりの数いる。そのほとんどが爺さん経由なため、普通に生きてれば到底関わることのないような大物ばかりなんだが・・・・・今はどうでもいいか。
「というわけで俺はご飯作りに行ってくる。オーフィス、離してくれないか?」
「・・・・・わかった」
俺は腕を掴んでいるオーフィスに放すように言うと、オーフィスはシュンとした雰囲気を纏って離した。ごめんオーフィス・・・・・でも、さすがにあのままだとご飯作りに行けないから。
「相変わらず咲良の言うことはよく聞くんだな君は」
「・・・・・悪い?」
「別にそうは言っていないが・・・・」
何やらまたオーフィスと曹操の口論に熱が入りそうだ。このまま放置するわけにはいかないが、いかんせん俺は夕食の準備をしなければならない。となるとここは・・・・
「黒歌、二人のこと任せた」
「にゃん!?」
ここは、黒歌に犠牲になってもらおう。黒歌はなんで私がと言い出しそうな勢いでリアクションしていたが・・・・まあ、この場に居合わせた不運だと思って諦めてくれ。
俺は黒歌からの責めるような視線を背に受けながら部屋から出て夕食を作りに向かった。
「よし、できた」
調理開始から1時間半ほどかけて、夕食は完成した。
今日のメニューはエビチリ、八宝菜、青椒肉絲、回鍋肉、カニ玉、春巻き、ワカメスープといった中華メインだ。中華にしたのはもちろん曹操を気遣ったからというのもあるが・・・・・曹操が買ってきた食材を余すことなく使って出来るメニューがこれだったのだ。あいつ、絶対俺に中華作らせるつもりで食材買ってきてたんだろうな。まあ、特に問題はなかったからいいんだけどさ。
ともかく、料理はできたので、冷める前に食べようと三人が待つ部屋に向かうと・・・・
「くっ・・・・まだ敵わないか」
「我に勝つの無理、諦めたほうが身のため」
オーフィスと曹操がゲームで対戦していた。どうやらオーフィスがかったらしく、曹操は苦々しげに悔しさをあらわにしており、オーフィスはドヤ顔で勝ち誇っている。
「・・・・黒歌、説明プリーズ」
俺はとりあえずこの状況を二人のゲーム対決をげんなりした様子で見ていた黒歌に事情説明を求めた。
「口論が収まらりそうになったからゲームで決着をつけるように勧めたにゃん」
「そうか・・・・・まあグッジョブ」
口論が激化するとオーフィスが曹操を消しかねないからな。爺さん曰く曹操の実力は相当高いらしいが、それでもオーフィスの足元にも及ばないだろうからゲームで決着つけさせようというのは黒歌のファインプレーだ。
ちなみに、二人が対決していたゲームはスプラ○ゥーン。なぜこのゲームをチョイスしたのかはあえて聞かないでおこう。
「聞くまでもないだろうが結果は?」
「オーフィスの全勝にゃん」
ですよねー。うん、知ってた。
「でも、曹操もかなりいいところまでいっててオーフィスが追い詰められたこともあったわよ。あれ絶対私よりゲームうまいにゃ」
「あ~・・・・曹操は爺さん曰く技巧の極みらしいからな。ゲームでもそれが発揮されたってことか?」
けど、英雄を志す曹操がゲームで技巧を発揮って・・・・・どことなく間抜けな気がする。本人が気にしていないというならそれでいいが。
「くっ・・・・もう一戦だ」
「構わない。何度やっても我も勝つ」
そうこうしているうちにもう一戦始めようとする二人。だが、夕食が出来上がってる以上、これを見過ごすことはできないな。
「はーいストップ。夕食できたからゲームはここまでだ」
「ん?もうそんなに経っていたのか・・・・・早いな」
「ご飯ご飯」
俺が言うと、ふたりはそそくさとゲームを片付け始めた。やはり食事の力は偉大である。
「今回は負けたが・・・・・いずれリベンジさせてもらうぞ?」
「その時はまた返り討ちにする。我、負けない」
ニヤリと好戦的な笑みを浮かべる二人(オーフィスはほぼ無表情だが)。この様子なら少しは関係も良好になったということかな。ゲームのおかげっていうのがどうも現代っぽさを感じてしまうが・・・まあいいか。
さて、いい加減四人で食事を楽しむとしようか。
龍神と英雄派筆頭が取り合う存在は一般人じゃない気がしてきた今日この頃
いや、違うんよ。ただオーフィスちゃんは咲良さんのこと愛していて曹操は咲良のこと親友だと思ってるだけなんや
というわけで(?)次回もまたお楽しみに!