ソードアート・オンライン~知られざる天才剣士~   作:モフノリ

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オリジナルストーリーになります。
人によっては蛇足になっていますので、うへぁ、とおもった方はブラウザバックをお勧めします。

なんだかんだ、二人っきりであれやこれやしてるときがなかったなとおもったので書かせていただきました。

辻褄とかほぼガン無視になってしまっていて
矛盾があるかもしれませんがご了承ください。

まだレインがリズベットと出会う前の話になっています。











アインクラッド番外編
二人の攻略 Ep.1


 それなりににぎわっていて、いい空気の流れるおしゃれな酒場に真っ黒い奴が二人。

 そこだけ異様に黒いせいでかなり目立っている。

 一人は日本人に対しての嫌がらせなのかとおもうほど足の長い男。

 もう一人はぶっちゃけ女でも通りそうな可愛い顔をしている男。

 兄弟なのか、それとも兄妹なのか。

 遠目からみることしかできない人たちには判断することはできなかったが、気になるものは気になってしまうもので、ちらちらとそちらを見るものは多かった。

 しかし、事実とは面白いもので、日本人に対しての嫌がらせなのかとおもうほど足の長い男は日本人でもなければ、異世界から来た異邦人の少年で、ぶっちゃけ女でも通りそうな可愛い顔をしている男は皮肉が多くいたずら好きで辛いもの好きという少年だったりする。

 そして、兄弟などでは全くない。

 まあ、同じ色の服を着ていたり、かもし出す空気が似ていたり、同じソロプレイヤーだったり、戦闘狂だったり、普段は飄々としていて頭の回転も速いくせに女性関連に関してだけ鈍感だったり、似てるところが多いものまた事実だったりする。

 二人のことを知っている人が黒の兄弟と面白半分で言うのは仕方のないことだろう。

 

 

 周りにそんなことを思われていると思ってもいないレインとキリトは静かに食事をしていた。

 戦闘狂である二人が昼間に静かに一緒に食事をしている理由は簡単で、とにかくお腹が空いていたからというだけである。

 

 

 

-----------二日前-----------

 

 まだ最前線までいけるレベルではないレインの今日の予定はキリトに装備を見てもらい、そのまま最前線に連れて行ってもらう予定だった。

 一応、キリト同伴であれば最前線に行くことの許可は出ている。

 本当はそんなことを無視したいのだが、無視したらしたでかなりうるさい。

 そして、この世界のステータスというものはレインにはかなり理不尽に働き、筋力パラメータでキリトに劣っているレインはキリトが強引に連れ帰ることから逃げることができないのだ。

 無視して行動しているのにレインをことごとく見つけて連れ帰るキリトは一体どういう方法を使っているのかレインには全くわからなかった。

 その方法とは、キリトがフレンドリストでレインがいる層を確認しているだけだったりするが、キリトに教えてもらっていないレインが知ることはできない。

 そんなことも知らないレインはいまだ、この世界のシステムというものに順応できていないでいる。

 というのも、キリトがなかなか教えてくれないのだ。

 いわく、全部ちゃんと教えたら何し出すかわからなくて怖い、ということらしい。

 世界を知らないのは死とつながるのではないのかと聞いたら

 

「お前がそんなもんで死ぬんだったら初日に死んでる。そんなことよりも、お前の技術にレベルとステータスを合わせる方が先だ」

 

 と言い返されたのは記憶に新しい。

 キリトが言うには、レインの技術が高いのにレベルが低く、ステータスも足りないせいでたいした武器を持てないからすぐに壊れるらしい。

 すでに一ヶ月はたっており、折れてしまった剣を数えなくなったのは五十を過ぎたあたりだっただろう。

 折れたら最初のころに所得した体術スキルしか使えないのでただでさえ足りない攻撃力が減ってしまう。

 まあ、ウィンドウを操作しながら猛ダッシュで距離を取って武器を出すというふざけた技を使っているので、そこまでストックさえ持ち合わせていればそんなことにはならないのだが。

 最初のころに比べるとレベルもステータスも上がっているお陰で武器の壊れる頻度は減っては来ているが、それでも一日に数本は途中で砕け散っている。

 そんなこともあって、レインが現実世界で使っていた愛剣、傾国の剣を手に入れる前までのことを思い出してしまう。

 

「おまたせ」

 

 昔のことを思い出しかけていたとき、キリトはやって来た。

 レインは頭からファヌージュの騎士にもかかわらず、見た目は山賊のような男を頭から追い出し、遅れてきたキリトにしかめっ面を向ける。

 

「遅かったな」

 

「悪いって。いろいろあったんだよ。ほら、とりあえず武器屋行くぞ。本当はクエスト報酬のやつがいいんだけど、結局お前すぐ折るしなぁ」

 

「折りたくて折ってるわけじゃないぞ」

 

「いやいや、あのほとんど見えない剣の振りはおかしいから。剣先が見えないぐらい速いフェンサーもいるけど、お前は下手すると腕消えるし」

 

「それはお前の目の問題だろ」

 

「お前の基本戦闘能力がおかしいんだよ。俺より筋力値低いのにでかい図体の敵も投げるし、敏捷値だって低いくせに俺の大差ないだろ」

 

「これでも足りないと思っているし、遅いと思ってるぞ」

 

「何基準」

 

「俺基準」

 

 いつものようになんだかんだ会話が途切れない二人は強さを求める者同士で、なんだかんだ気が合うのだろう。

 なにせ、二人共大切な者を失い、強さを求め始めたのだから。

 

 

 

 

 

 会話は途切れることなく、新しい防具や武器を揃えた二人はそそくさと最前線の迷宮区に潜っていた。

 夜から朝方までの時間帯にしているのは、言わずもがな、キリトがレインを目立たせたくないからだ。

 レインの動きをみたらキリトのビーターどころではなく、チーター扱いされてもおかしくない。

 まあ、剣の腕は確かだし、よく見ればチートなんかではないとわかるだろうが、もしものときもある。

 人のステータスやスキルの詮索はマナー違反ということもあるので、強い人だと思われるだけですむ場合もあるだろう。

 それでも、この途中参加者を表に出すのはあまりよろしくないと思ってしまうのだ。

 

「レイン!スイッチ!」

 

 しかし、と思いながら後ろに飛びのいた自分の横を敏捷パラメータが大してないのにキリトと大差ないスピードで駆け抜けるレインをちらりと見る。

 自分と似たような真っ黒の服装。ただでさえレベルの低さもあるせいで着れる服に制限があるのに動きやすさ重視のせいで大した装備ができず、紙装甲といっても過言ではなく、シャツ一枚にズボンにブーツといういでたちだから当たり前だろう。部屋着といわれたほうがまだわかる装備だ。

 あれでも、ブーツには敏捷補正が付いていたり、シャツだって防御がそれなりに上がり筋力補正も付いている。

 程度の低い装備をごちゃごちゃと着させるより、それなりにいいものを少し着させたほうがレインの"動きやすいほうがいい"という見た目と性能をガン無視した要望に答えられるのだ。

 もはやチートといっても過言ではないレインの強さとキリト付き添いによる的確なレベリング方法のおかげで異常なスピードでレベルが上がっているので、すぐにでも迷宮区にふさわしい見た目になるだろう。

 そんなことをキリトが考えている間もレインはじわじわと敵モンスターであるドワーフのHPを削っていく。

 フィールドではじめてまともにレインの戦いを見た時と変わることなく、敵から全く離れることなく最小限の動きで攻撃をよけながらも敵の急所を的確に狙い、わずかな隙ですら見逃すことのない鮮麗されたレインの動きは、もやは人の動きではない。

 彼の話す内容から考えるにあまり触れてはいけない世界の裏側のようなものがあるので深く聞いてはいないが、間違いなく軍人レベルの、いやそれ以上の戦闘訓練は受けていただろう。

 下手をするとここにきたのも訓練の一部の可能性や、実験的なものの可能性もあるキリトは考えている。

 実際は、剛の好奇心とレインの強さへの執着心の結果でしかないのだが、キリトが本当のことを知るのはもう少し後になってからのことだ。

 誰も通らないような迷宮区の隅のほうで数時間にわたるレベリングを続けていた二人は朝が近くなってきたこともあり、迷宮区を後にすることにした。

 

「どれぐらいレベル上がったんだ?」

 

 ぎこちない操作でウィンドウをいじっているレインにキリトは何の気なしに聞く。

 

「六」

 

 そっけなく答えたレインをキリトはぎょっとした様子でみる。

 それを特に気にするわけでもなくレインはウィンドウ操作を続け、何か宝石のようなものをオブジェクト化してキリトの前に差し出す。

 

「そういえば、こんなものがドロップしたんだが、何かわかるか?」

 

 それは不思議な形をした赤く透き通った石のようなものだった。

 タップしてアイテム名を見てみる。

 

「ドヴェルグの鍵?これがどっかの扉の鍵になるのか?」

 

「名前の通りなら、そうなんだろうな。ドワーフにまぎれてうじ虫が一匹まぎれててな。そいつをしとめたらドロップした」

 

 いつの間にうじ虫がわいていたんだろうか。

 じっくりそれをみているとどこか既視感を覚える。

 ぐるぐるとそれを回しながら見ている途中でかちりと頭の中ではまった。

 

「あぁ、思い出した。迷宮区から少し離れた特に何もない洞窟の奥のほうにこれをはめ込めるような窪みをみた覚えがある。でも何であそこに使うアイテムが迷宮区で見つかるんだ?」

 

「俺が知るか」

 

「いや、まあ・・・・・・そうだろうけど」

 

 表情を変えるでもなく即答してくるレインに多少驚いたキリトは引きつった顔のままレインにアイテムを返す。

 

「あれ、いらないのか?」

 

 受け取ったレインはアイテムをしまいながら目を丸くして間抜けな顔をした。

 ナーブギアが神経に直接繋がっているせいで表情を抑えたりすることが難しい世界なのにも関わらず、感情の起伏がほとんどなく、仏頂面ぐらいしか見せることのないレインがぼけっと間抜けな顔をしたので、キリトも間抜けな顔をさらしてしまう。

 

「おい」

 

 しばらく、沈黙のまま見つめあってしまっていたが、レインがいつもの仏頂面に戻って沈黙を破った。

 

「へ?あ・・・・・わるい。その鍵のところは今から行こうぜ。レインだって気になるだろ?」

 

「まあ気にはなるが・・・・・いいのか?」

 

「人のドロップしたやつを横取りするようなことはしないよ。それにその鍵を使うとおもう洞窟のモンスターはこの迷宮区のやつらより弱いし大丈夫さ」

 

 それに、多少強い敵が出てきたとしても、少し前に無茶なレベリングをして、ニコラスを倒した自分ならば大丈夫だろう。

 レインほどの強さがあれば足手まといになることはない。

 もちろん、一人のゲーマーとして気になるからでしかないのだが。

 止めていた足を再び迷宮区の出口へと動かし始めながらも会話を続ける。

 

「クエストフラグみたいなのをお前立てた覚えとかある?」

 

「まず、クエストフラグというのがいまいちわからん」

 

 レインの言葉を聞いて、キリトが最初に教えた体術スキルのクエスト以来、滅多にクエストを消化しないことを思い出した。

 それと同時に、体術スキルを所得するクエストを受けたときのことを思い出す。

 

 

 

 体術が効かないのが不便だ、というレインの言葉を聞いたキリトは今では遥か下の層になってしまった第二層まで戻ったのだ。

 当時は苦労した層で間違いないのだが、最前線が五十層を過ぎてしまっている今では適当に剣を当てるだけでもしとめることができてしまう。

 そのときはレインのレベルも大して高くなかったので全ての敵をレインに任せて件の老人のところに行った。

 キリトは三日間かけて岩を殴り続けてようやく割ったのだが、後々聞いた話によると、近くにいる牛型のモンスターをトレインしてぶつけて岩を割ってもらう方法でも良かったらしい。

 なので、赤い布をストレージにキリトは入れて行った。

 難なく到着し、レインにクエストを受けさせるために老人に話しかけてもらい、武器を奪われ、お髭のペイントを施されるはずだった。

 そう、はずだった。

 老人がレインの武器を奪うために人外じみた動きを下のにもかかわらず、レインはあっさりそれをよけてしまったのだ。

 老人のNPCは何事もなかったかのように体勢を整えて、懇切丁寧に武器を預かる理由を述べるという珍妙なものを見せられたときはため息をつくことしかできなかったのは仕方がないだろう

 そして、お髭のペイントつけられたレインはかなり不機嫌な顔をしていたのはいうまでもない。

 あれほどの強さを持つレインがどれぐらい岩にヒビをいれられるのか気になったので一回目は傍観することに決めていたキリトは少しはなれたところに座って様子を見ていた。

 レインはバキバキと指の関節を鳴らして岩の前に立ち、すっと拳を構える。

 

「ふっ」

 

 レインが息を吐いて拳を突き出した瞬間、けたたましく轟音が鳴り響き、衝撃で一瞬激しい風が吹く。

 思わず顔を逸らしたキリトが視線をもどしたときには岩は本当にそこにあったのかわからないほど粉々に砕かれていた。

 

「現実の岩より柔らかいな」

 

 最後にぼそりとつぶやいたレインの言葉にキリトが顔を引きつらせることしかできなかった。

 

 

 

 

 

「おい」

 

 キリトがげんなりとした気持ちで少し前のことを思い出していると、レインが声をかけてきた。

 意識を昔から現在に戻すと、いつの間にか迷宮区の出口についていたようだった。

 

「あぁ、わるい。えっと、例の洞窟はあっちだ」

 

 キリトの案内によって二人は迷宮区でないとはいえ、最前線の層のフィールドを立った二人でいつも通り難なく目的地であるドヴェルグの鍵をはめるとおもわれるくぼみのところまでやってきた。

 一見だただの汚いくぼみでしかないが、よく見ればドヴェルグの鍵がはめれる形なのがわかる。

 

「よくこれが鍵をはめる場所だってわかったな」

 

「これでもゲーマーの端くれだからな。ただのオブジェクトに見えても怪しいものぐらいわかる」

 

 胸を張って言うキリトだが、胸を張れることなのかは怪しいところだ。

 アスナであれば、呆れて何か一言を言うかしてくれるのだが、レインが特に何か言うことはなかった。

 

「何かいえよ・・・・・」

 

 さすがに恥ずかしくなったので催促するとレインはアイテムストレージからドヴェルグの鍵を出しながら返事をする。

 

「普通にすごいとおもうぞ。知識があるのとないとではその時点で差が出るからな」

 

 至極まともに答えられてしまったキリトは驚いて何も言えなくなってしまう。

 キリトが無言なことを気にするはずもないレインは鍵をくぼみにさっさとはめてしまった。

 何かするときはせめて一言ぐらい言ってくれとキリトは思いながらも何が起きるのか成り行きを見守る。

 二人して無言で立っているとじわじわと地鳴りが聞こえ始め、どんどん大きくなり、洞窟自体も揺れ始めた。

 

「いでっ!な、なんだ?!」

 

 急な大きな揺れに対応できなかったキリトはしりもちをつく。

 立って耐え切るレインは真剣な表情で視線を巡らせている。

 しばらくすると地鳴りもなくなり、揺れも収まり洞窟に静寂が戻った。

 

 ドンッ

 

「えっ?」

 

「なっ」

 

 鈍い音が聞こえたと思った瞬間、キリトとレインが立っていた地面は消え去っていた。

 

「うわぁああああああああああああ?!」

 

「っ?!」

 

 突然のことに二人とも反応することはできず、重力によってそこの見えない穴に二人して落下していった。




あと二話ほど続きます。

次回、戦闘回


※フェアリーダンス編について。

活動報告のところにも書いてありますが、一応進めています。
しかし、これを書いているのは基本的に仕事の合間なので
仕事が忙しいとかけません!
つまり、今わりと忙しいのです!

申し訳ないです!!!!

一応五月のゴールデンウィーク明けからぼちぼちと
フェアリーダンス編はあげていく予定です








漫画のレインの眼鏡かけてるのは控えめに言って最高すぎるし
意識失ったときのレインの表情まじで綺麗過ぎて何度見したかわからないし
最新話の襟の短いYシャツみたいなの着てるレインも眼福すぎてもだえ死にしそうなんですけど

ほんとレインかっこよすぎかな( ˘ω˘ )
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