吸血鬼に恋愛なんて出来るわけがない!   作:緋月霊斗

1 / 21
なんとなく、書きたいので書くことにしました。
では、どうぞ。



物語の始まり

朝。

俺は目を開けた。

「俺……リビングでそのまま寝ちまったのか……」

目の前のテーブルには小説が十六冊積まれていた。

昨晩読み返していた小説だが、これがなかなか面白い。

「吸血鬼か……」

この主人公がなんかめっちゃ強い。

「吸血鬼になったら……楽しそうだなぁ……」

俺はそんなことを考えながらふと時計を見た。

時刻は七時三十分。

「やべぇ!新学期早々遅刻する!」

俺は急いで着替えると家を飛び出す。

「くそっ、朝メシ食えねぇ……」

愚痴るが、俺が悪い。うん、知ってた。

そうそう、忘れていたが自己紹介をしよう。

俺は緋月(あかつき)霊斗(れいと)。今年で高校二年になる。

因みに友達は少ない。

(うん、完璧だな」

「何が完璧なんだ?」

「うおっ!?」

どうやら口に出ていたらしい。

「なんだ、久遠か。急に声掛けたらびっくりするだろ」

「悪かったよ」

「全然悪いと思ってねぇ……」

口では謝りながらも笑っているこいつは桜坂久遠。

俺の数少ない友人であり、クラスメイトだ。

「で、霊斗。春休みの課題やったか?」

「むしろやらないのか?」

「疑問文に疑問文で返すとは……まさかお前、国語の課題をやっていないな!」

「全部終わらせたけど」

「馬鹿な!?」

「はぁ……どうせやってないんだろ。どれやってないんだ?」

「あと数学だけやり忘れた」

「……ほらよ」

「すまん、恩に着る」

「まったく……新学期早々課題忘れたとか、弛みすぎだろ」

「そうだなぁ……まぁ、さっきこの近くまで全力疾走してた霊斗が言えた立場じゃないよなぁ」

「げぇっ!?一樹!?」

「げぇっとは失礼だな」

「すまん」

ナチュラルに会話に入ってきたこいつは夜桜一樹。

もう一人の俺の友人で、なぜかモテる。

「で、なんだよモテ王子」

「殺すぞ」

やばい、めっちゃドスの効いた声で脅された。

こわいなぁ(笑)。

「まったく、私だって好きでモテている訳じゃないんだがな」

「うわー、出たよリア充の余裕」

「今全国の非リアを敵に回したな」

「霊斗や久遠もまったくモテない訳ではないだろう?」

「「モテません(キッパリ)」」

「はぁ……お前らは……」

そんな会話をしながら歩いていると既に学校に到着していた。

「じゃ、俺はこっちだから」

「ああ。じゃあ、また帰りに」

留学コースの一樹だけが別れ、俺達は自分の教室に向かう。

「ってか、俺達はクラス替えがあるな」

俺が言うと、久遠は露骨に嫌そうな顔をした。

「クラス替えか……教室の移動がダルいな」

「お前なぁ……何言ってんだ。新しいクラスになれば彼女が出来るかもしれないだろ!」

「そうか!おっしゃー!やる気出てきたァー!」

現金なやつだな……。というか、なにこの不毛な会話。

ちょー虚しい。

「霊斗は誰か気になってるやつとか居んの?」

「いや、俺は女子と基本関わらないからな……」

「お前……かわいそうだな。俺でも多少は関わるのに……」

「うるさいやい」

やめろ!その憐れんだ目で俺を見るな!

と、教室に着いた。

「はぁ……」

「はぁ……」

二人して席に着きながらため息をつく。

すると、俺と久遠の隣の女子が二人してこちらに話かけてきた。

「ねぇ霊君、朝からため息って……なんかあった?」

「ああ、天音か。おはよう」

「久遠、一樹となんかあったの?」

「いや、なんもないけど……」

久遠の隣の席にいるのが桜坂美桜で、俺の隣の席にいるのが焔宮天音。

因みに、名字からわかるように久遠と美桜は双子……と言いたいがこれは偶然同じだっただけらしい。

天音の方は俺の幼馴染で、幼稚園からここまですべて同じクラスという謎。

「で、なんで美桜さんはいきなり一樹の話をしだすのかな~、なんて」

「わ、私は別に一樹が心配とか、そんなんじゃなくて!」

「あーはいはい、リア充は幸せそうでいいねー。はぁ……」

「違うってば!」

「なるほど、二人が朝から沈んでいるのは自分が非リアな事に絶望していたわけね」

「はうっ!?」

「いや、俺は忘れた課題やんなきゃなーって」

「あ、霊君は図星なんだ……」

「大丈夫だよ、霊斗君!君のことを好きな人だっているよ!例えばあ――」

「はいストップ!美桜!言ったら怒るからね!?」

「冗談だって~」

二人がなんかいってるけど、なんか耳鳴りが……。

「まぁ、霊君も希望を捨てないで!」

「ああ、どうも」

あ、治まった。なんだったんだ?

「あ、クラス発表の紙、張り出されたみたい」

「じゃあ、見に行ってくるわ」グイ

俺は紙を見に行こうと席を立つ……ぐい?

見ると、天音が俺の制服を掴んでいた。

「なんだよ」

「なんで一人でいこうとするの!?一緒に行こうよ!」

「いや、わざわざ二人で行く必要がないだろ……」

「むー!」

なんでこいつこんなに怒ってるんだ?女子ってわかんない。

「……わかったよ。ほら、見に行こう」

「うん!」

なんか、子犬みたいだな……。

仕方なく、天音を連れてクラス発表の表を見に行く。

「俺は……一組だな」

「私も一組だよ」

また同じか……。

「あー、今、もううんざりって顔したー」

「し、してねぇよ」

「こーんな美少女と同じクラスなんだよ!?何が不満なのさ!」

それだよ。

確かに顔もいいし、スタイルもいい。

「でも、自分で美少女とか……ないわー」

「う……」

あ、声にでてた。

まずい、こいつ涙目だよ。なんか、なんか言わないと!

「まぁ、俺は天音と同じクラスで嬉しいよ」

「ほんとに?」グスン

「ああ、本当だ。だから泣くな」

「うん……じゃあ、今年もまた一年よろしくね」ニコッ

「……」

不覚にもドキッとしてしまった。

……可愛い。

「よ、よし。席に戻ろう!」

「うん」

席に戻ると、久遠がつついてきた。

「なんだよ」

「クラス、どうだった?」

「ここの四人はまた同じだったよ」

「おー。じゃあ、美桜にはまた一樹の情報が提供できると」

「……」ボンッ

うわっ!?美桜さんの顔が真っ赤になった。

……リア充って妬ましい。

「まぁ、美桜さん、頑張ってね」

「あ、ありがとう……」

うん、この人も美少女なんだよな……一樹が妬ましい。

と、皆が教室を出始めた。

「始業式が始まるぞ」

「え、ダジャレ?」

「霊斗……死にたいのか?」

「冗談だよ。行こうぜ」

「まったく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!?」

ここはどこだ!?

「どうした霊斗」

「く、久遠。始業式は?」

「は?もう終わっただろ?なに言ってんだ?」

「いや、教室を出た辺りから記憶がない」

「はぁ?」

「まぁ、いいや。もう放課後だろ?帰ろうぜ」

「ああ、そうだな」

俺達は校門へと向かった。

「おーい一樹」

「来たか……久遠、後ろにいるのは……」

「ん、美桜だけど」

「なんで隠れてんだよ……おいで、美桜」

「一樹、久しぶり」

「いや、朝その辺まで一緒に来たろ」

「うぅ……でも、教室違うし……」

「……一樹」

「なんだよ」

「たまには二人で帰れば?」

「……悪いな」

「気にすんな」

うん、友人の恋愛を応援する俺偉い。

「じゃ、久遠、行こうぜ」

「ああ……天音も行くよな」

「うん、霊君と家近いし」

なんで着いてくるんだよ……。

まぁ、いいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ、なんで俺リビングに……。

「これはまさか……編集というやつか」

違うよね。知ってた。

「……眠い……」

しばらくは両親もいないので自由に過ごせるが、生活リズムは整えたい。

従って昼寝などもっての他だが……。

「寝よう」

俺は自室に戻った。

「おやすみー」

その日は自分でも驚くほどぐっすり眠れた。

だが、それが異変の前兆だったのかもしれない。




久しぶりに書きました。
では次回。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。