吸血鬼に恋愛なんて出来るわけがない!   作:緋月霊斗

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書きます


彼女の正体

俺は今、人生の岐路に立たされている。

と、いうか。死にそう。

「……どうしてこうなった……」

事の発端は数時間前に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「霊君!おっはよー!」

「んだよ朝から、眠らせてくれ」

「吸血鬼だからって寝てていいわけじゃないんだよー!」

「うるさい!つか、どうやって入ってきやがった!」

「え?窓から?」

「鍵かかってるしここ二階だしおかしいだろうが!」

「おお、ナイス肺活量」

「全く……せめて午後にしてくれ」

「やーだー!デートしようよー!」

「出掛けたくない。晴れてるし」

「むー」

なんでそんな出掛けたがるんだよ……だるいんだって……。

「お兄ちゃん?なに騒いで……は?」

「おうエイラ、おはよう」

「お兄ちゃん、その女……誰?」

「誰って、ああ。エイラは会ったことないんだよな。俺のか、彼女の天音だ」

「彼女……?」

「ど、どうしたんだ?」

「知らない!お兄ちゃんの馬鹿!」

バチーン!

「おぐっ!?な、なんで殴った!?」

あ、逃げやがった。

「なんなんだ全く……」

「ねぇ、霊君?」

!?

「な、なんだ?」

「妹がいるなんて言ってなかったし一回も会ったことないよ?」

「あ、ああ。父さんの再婚相手の子供だからな」

「ふーん……あの子も吸血鬼だよね?」

「!?な、なんでわかったんだ!?」

「話してるとき、牙が見えたの……あと、魔力が霊君と似てたから」

「な、なんでそんな事が?」

「まだわからないんだ?ほんとに鈍感だね」

「お、おま……それ……」

翼に尻尾?

人外?

「霊君は前にも二回、これを見てるはずなんだけど……覚えてないかな?」

二回……。

一度は夏休み前。

そして本当に初めて見たのは……。

「反人外派と……戦った時……」

「やっぱり覚えてたんだね?昨日話してくれなかったから覚えてないのかと思ったよ」

「いつから……なんだ?」

「ん?何が?」

「いつから天音は人外になったんだ?」

「私が人外……サキュバスになったのは……霊君より少し前。高校に入学した年の秋、だよ」

そんなに前から?

「サキュバスって……確か、人の夢に浸入してあんなことやこんなことをするって……」

「言わないでばかっ!(バチーン)」

「はうっ!?だ、だって事実だろ!」

「うぅ……私はまだ少ししかしたことないもん」

「あんのかよ!」

「したけど、霊君だけだもん!」

「俺にはしたのかよ……ってえぇ!?」

「う……最近……ちょっとだけ」

「じゃ、じゃあ最近お前と(自主規制)したりする夢見んのは……」

「言うなぁー!私だってやったあとに恥ずかしくなるんだよ!?」

「じゃあやんなきゃいいだろ!?」

「それは……所謂吸血衝動のようなものだから……」

「ああ、なるほど。それを押さえられない、と」

「うう……最近は押さえられるようになってきたもん……」

「……まぁ、俺だったらいつでも付き合ってや(ゴギッ)え……」

「お兄ちゃんは、変態だったんだね……」

「エイラ……?」

「霊君!?首折れてる!」

「え、まっ、待って……」

あ、意識が……なくならない。

痛い。

とにかく痛い。

「が……あ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今に至る。

「まったく、妹を構わないでサキュバスなんかの誘惑に負けるなんて……カーミラ家の名折れだね」

「霊君に……なんてことを……」

「やる気みたいね。サキュバスごときが吸血鬼に勝てると思わないで」

「吸血鬼?そんな貧弱な種族に負けないよ?」

「……」

「……」

まずい。非常にまずい。

何とかして止めないと……。

しかし、綺麗に折れてやがる。

身体が全く動かない。

声も出ねーし……どうする……。

回復を待つわけには行かない。

「吸血鬼を舐めたら痛い目見るわよ」

「舐めてるんじゃなくて見下してるの。お兄ちゃんが捕られるのは悔しい?」

「ぐっ……」

ゆ、指が動くようになった……。

そうだ!母さんに電話を……。

「……」

番号知らねぇ!

駄目だ。二人が魔力を放出し出した。

家も倒壊するな。

万事休す……か。

「そこまで」

「っ!」

「お、お母さん!」

母さん……貴女が天使に見える。

「エイラ……霊斗の首を折った上に緊急時以外の吸血鬼化。我らの約束、忘れたわけではないだろう?」

「う、う……だって……」

「如何なる理由があろうと客人に手をあげるなと言ってあるはずだが」

「そ、それは……」

「後でお仕置きが必要なようだな」

「ひっ……」

「さて、客人よ。我が娘が大変な無礼を……申し訳ない」

「い、いえ。私も熱くなっちゃったので……」

「お詫びと言ってはなんだが、霊斗の精を好きなだけ搾り取ってもらって構わないぞ」

「ありがたき幸せっ!ぜひお義母さまと呼ばせてください!」

おかしいだろ!俺が犠牲になってるだけじゃねーか!

「ふむ。将来的に霊斗と結婚……吸血鬼と夢魔のハーフ……ありだな」

なしだろ。

「では私は失礼する。霊斗を末永く頼む」

「こちらこそ……不束者ですが」

あぁ、母さん……行っちゃったよ。

「じゃあ霊君……しよっか?」

「待て待て!いきなり服を脱ぎ出すな!」

「え、だってお義母さんの許可ももらったし……」

「だからっていきなりすぎるって!もっと良く考えろ!つか、俺に心の準備をさせろ!」

「ん~……じゃあ、明日?」

「しばらく待て!」

「霊君はヘタレだなぁ……」

「うるせぇ……こちとら生き返ったばっかだっての」

「病み上がりみたいな?」

「そう。だからしばらく安静にするから」

「わかった。じゃ、また夢の中でね」

「わかってねぇな!」

はぁ……最近いろいろありすぎて辛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、霊君のお母さんって外国の人?」

「ああ。欧州の方だかって」

「名前、なんて言うの?」

「エリス・ラ・フレイア・カーミラ」

「え、こないだの……」

「そうだ。俺も正直驚いてる」

「じゃあ、霊君のフルネームってどうなるの?」

「レイト・ラ・フレイア・カーミラ・緋月、だな」

「長っ!」




ではまた次回。
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