「朝から疲れた……」
「霊君、結局猫耳直ってないけど……」
「諦めた」
「あはは……」
なんだって今日に限って……。
フード被ってるから大丈夫だろうが……心配だ。
「あ、見えてきたよ!」
「意外と近くなんだよな……」
「近くはないでしょ」
いや、全力疾走したからか。
「ちょうど開園時間だね」
「ああ。まだ空いてるだろ」
「じゃあ……ジェットコースター行こ!」
「おーう。行ってらっしゃい」
「え?」
「ん?」
「いや、行ってらっしゃいって……一緒に行くんだよ?」
「いやいやいや。俺ジェットコースター苦手だから」
「行くよ!」
「嫌だ!」
「むー……じゃあこっちも強硬手段に出るしかないね」
なんだ!何をする気だ!?
「ふふふ……サキュバスだけの特権……"催眠"!」
催眠!?まさかっ!
「これで私の言うことしか聞けないように……あれ?」
「うん、全然効かねぇな」
「なんでぇー!」
危ねぇ……。
「うー……行こうよー」
「やだよ」
「いーこーうーよー」
「嫌だって」
「……駄目?」
うあーっ!涙目上目遣いは駄目だって!
「ぐ……仕方ねぇな」
「やったー!」
「うぷ……気持ち悪い……」
「だ、大丈夫?」
三半規管がおかしくなりそう……。
「吐き気が止まらねぇ……」
「ち、ちょっとそこのベンチで休も!」
「ああ……悪いな」
はぁ……なんてこったい。
「ん……あれ、久遠と小雪ちゃんじゃない?」
「本当だ。偶然だな」
これは嘘。
実は今日は一樹からもらったチケットで来ている。
あいつらも居るはず。
「呼んでみよっか」
「やめろ。邪魔したら悪いからな」
「じゃあ俺達は邪魔させてもらおう」
「やっほー、天音ちゃん」
「美桜ちゃん!?」
「一樹か……」
「なんだ。案外仲良くやってるんだな」
「ねぇ、一樹!聞いてよ!霊君ってばジェットコースターだけでへばってるんだよ!」
「霊斗は酔いやすいからなぁ……」
「じゃあ……皆でお化け屋敷行こうよ」
「美桜ちゃん……あわよくば一樹に抱きつこうと?」
「そ、そんなこと!……ある、かな 」
「良かったなー、一樹」
「まぁ、悪くはないな」
素直じゃねぇな。
ま、行くか「霊斗に一樹。何やってるんだ?」げ……。
「久遠……」
「あと委員長か」
「緋月君に夜桜君、久しぶり」
「小雪ちゃん!やほー!」
「委員長、久しぶりー」
ふぅ……こうなったら……。
「レッツ!お化け屋敷!ルール説明、一樹!」
「ルールは簡単だ。どのチームが一番怖がりかを決める。判定にはこの小型マイクをつかう。最も悲鳴の小さかったチームの優勝だ」
「「「なんか始まった!?」」」
ふふふ……俺達の秘技。名付けて"いきなり選手権"。
まぁ、楽しむだけだよな?
「またか……。まぁやるけどよ」
久遠も乗ってきた。じゃあ決定だな。
「最初に久遠、小雪ペア!」
「わ、私達!?」
「よし、行こうか」
お化け屋敷
久遠side
「小雪、大丈夫か?」
「う、うん……大丈夫」
怖がってるな~。
おっと、蒟蒻か。
「(ヒョイ)よっと」
「(べちゃっ)ひゃぁぁぁぁぁぁ!?」
あ、しまった。
「ひぇぇ……久遠君……」
「よしよし……っと(ヒョイ)」
手か。避けるのは簡単。
問題は……。
「(ぴとっ)うひゃぁぁぁぁぁぁ!?」
またか……。
「ぐすっ……ひぐっ……」
「よしよし。大丈夫大丈夫」
気を付けないとな……。
ん?
唐笠お化け「ばあっ!」
「うおっ」
「ぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁ……あぅ(カクッ)」
「ん?小雪?大丈夫か?」
失神してる……。
仕方ない。リタイアだな。
お化け屋敷
小雪side
久遠君がいれば大丈夫。大丈夫。
「小雪、大丈夫か?」
優しいなぁ……。
「う、うん……大丈夫」
でも怖いなぁ……。
ん?久遠君が横に動いて……。
「(べちゃっ)ひゃぁぁぁぁぁぁ!?」
何!?今の何!?
怖いよぉぉ……。
ん、また久遠君が?
「(ぴとっ)うひゃぁぁぁぁぁぁ!?」
もうやだよぉ……。
「ぐすっ……ひぐっ……」
「よしよし。大丈夫大丈夫」
久遠君……助けてぇ……。
唐笠お化け「ばあっ!」
いやぁぁぁぁぁぁぁ!?
「ぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!?……あぅ」
あ、もう無理……意識が……。
「んで、リタイアしたと」
「まぁな。下手すりゃ最下位だな」
「おお大変だなぁ」
思ってないけど。
じゃあ、次は……。
「俺達が行こう」
「そうか。じゃあ次は一樹、美桜チーム」
さて、こいつらは手強そうだな……。
一樹side
「さて、美桜。お前は大丈夫だよなぁ?」
「う、うん。全然平気だひょ。(ガタガタガタガタ)」
あ、駄目だこれ。
む、前方から……蒟蒻?
「子供だましか(スッ)」
「(べちゃっ)~~~!?」
おお。声を押し殺した。
「美桜?本当に大丈夫だよな?」
「……(コクコク)」
っと、次は手か。
「ふっ(ヒュッ)」
「(ぐわし)いやぁぁぁぁぁぁぁ!?掴まないでぇぇぇぇ!」
「おいこらぁ!お化け役の奴!ぶっ殺すぞ!」
手の人「す、すみません!」
まったく。負けたらどうすんだ。
「ううぅ……一樹ぃ……」
可愛い(確信)
次は唐笠お化け?
唐笠お化け「ばあっ!」
「「……」」
唐笠お化け「あ、あれ?」
「行こうか」
「うん」
なんか冷めるなぁ……つまらん。
久遠達はここでリタイアだったな。
次は……ゾンビか。
ゾンビ「ウボァァァ」
「……(すっ……がっ)」
ふっ、足掛けてやったぞ。
ゾンビ「あっ」
「(がっ――ずりっ)ひゃぁぁぁぁぁぁ!?スカートがぁぁぁ!」
やべぇーっ!
ゾンビ「……(頭ぶつけて気絶)」
「ふぇぇ……一樹……見た?」
「……すまん、少し」
「もうやだぁぁぁぁ!」
致し方ない。リタイアだな。
また次回!