吸血鬼に恋愛なんて出来るわけがない!   作:緋月霊斗

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書くよ。


ちょっとした思い出1

久遠に呼び出され、天音の買い物に付き合った翌日。

俺は図書室に来ていた。

「海外文学は……この辺りか?」

お、あったあった。

「タイトルは……吸血鬼伯爵ドラキュラか……有名だよな」

俺、読んだことないけど。

「あとは……女吸血鬼カーミラ、ねぇ…これも有名だな」

「あれ、緋月君?」

「ひゃいっ!?」

噛んだ。死にたい。

「な、なんだ。委員長か……驚かさないでくれ」

「驚かしてないけど……」

彼女は俺のクラスの委員長、冬坂小雪。

面倒見はいいし、成績は優秀。さらに超美少女。

「緋月君が図書室に居るのって久しぶりにみたなぁ」

「久しぶりに来たからな」

「本当だよね。しかも海外文学なんて……頭でもぶつけた?」

「どういう意味だよ」

「いや、緋月君が海外文学なんて読むと思わなかったから」

「奇遇だな。俺も自分が海外文学を読むことになるとは思わなかった」

「ふふっ、おかしな事言うね」

「そんなにおかしかったか……?っと、もう昼休みが終わるな」

「あ!私、次の授業のプリントを運んでくれって頼まれてたんだった!」

「大変そうだな、手伝うぞ」

「いいよ、そんなに多くないし」

「そうか……?じゃ、大変だと思ったら次から言ってくれ。手伝うからな」

「うん、その時はお願いね」

「ああ。んじゃ、俺は先に戻る」

「うん、またね」

俺は片手を挙げて答える。

にしても……本、借りられなかったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「二日目にあった吸血鬼関連の出来事はこんなもんだな」

「ふーん、委員長にも優しくしてたんだー?」

「いや、それは……」

「むー……」

「ああもう、撫でてやるから怒るな」

「ん……うん、許してあげる」

「じゃあ、次は……その一週間後だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一週間かけてやっと二冊読み終わるとは……海外文学恐るべし……。

「あ、緋月君」

「おお、委員長か」

「今回は『ひゃいっ!?』って言わないんだね」

「言うかっ!」

二度と言わねぇよ。

「あ、緋月君、それ読み終わったんだね」

「ああ。長かった……」

「そんなに長いかなぁ……」

「長いだろ。で、なんか用があるから声をかけたんじゃないのか?」

「あ、そうそう。放課後、桜坂君と一緒に屋上に来て」

「?ああ、わかった」

「それだけ。じゃ、後でね」

「ああ、走ってこけるなよ」

「大丈夫だよ――あっ(ズベッ――ビタン!)」

「あ」

痛そうな音したな……。

「いてて……」

「大丈夫か?」

「う、うん。大丈夫……」

あ……スカートが。

「す、スカート……」

「え――あっ!」

耳まで真っ赤だな。

「み、見た!?」

「いや、見てない」

ほんとは見えたけど。

「よ、良かったー。じゃ、私は行くね」

「ああ、気を付けろよ」

「わかってるよ!」

ああ、また走って……水色しましまが見えちゃうぞ。

 

 

 

 

 

 

「で、放課後屋上って言われたが……」

「なぜ本人がいないのでしょう」

うーん……どういう事だ?

「あ、教師の雑用をさせられてるとか?」

「ありえますが……っ!霊斗!避けろ!」

「え?っておわあっ!?」

なんか飛んできたぁ!

「これは……氷?」

「死ぬだろうが!誰だ!」

ん?貯水タンクの上に誰か……。

「あ!委員長!」

「ばれたかぁ……にしても、桜坂君は良い感覚してるね」

「それはどうも、"雪女"さん?」

雪女?

「水色しましまの委員長が雪女ぁ!?」

「見てないって言ったじゃない!嘘だったの!?」

「あ。適当に言ったんだけど……当たった?」

見たけど。

「~~~~っ!死ねぇーっ!」

「危ないって!止めろ!」

「はいはい、そこまで」

サンキュー久遠。

「で、委員長は私達に話があって来たのでは?」

「うん……ほんとは緋月君はいなくてもいいんだけど」

「あれ、俺だけ要らない子?」

「では霊斗、離れていてください」

「ご、ごめんね、緋月君」

「良いよ。じゃ、俺扉の向こうにいるから」

男はクールに去るぜ。

ま、聞き耳は立てるんだがな。

『桜坂君はもう知ってると思うけど……反人外派が動き出したみたい』

『やはりですか。狙いは……恐らく霊斗でしょうね』

『うん。人間が人外になるのは本来有り得ないからね。イレギュラーは消しておきたいんだと思う』

『となると……"あれ"の開発を急がないといけませんね』

『早くて来週には本格的に動き出すと思うから……』

『ええ。急ピッチで開発します』

『お願いするね』

『任せてください――霊斗、聞いているのでしょう?事情は把握しましたか』

ばれてたのかよ。

「ああ。大体わかった」

「恐らく今現在のこちらの切り札は貴方です」

「んなこと言われてもな……」

「大丈夫。緋月君なら出来るよ。だって、吸血鬼の事を知るためにあれを読んだんでしょ」

「わかってたのかよ……」

「まぁ、吸血鬼化のコントロールは桜坂君に教えてもらってね」

「だ、そうだ。久遠、頼めるか?」

「ええ。ただし、開発を手伝ってもらうことになりますがね」

「わかった」

「あ、桜坂君。あと、もう一つだけいい?」

「ええ、構いませんが」

「じゃ、じゃあ……」

ん、なんだこの流れ。

「桜坂君、君の事が好きです」

「申し訳ありませんが、その気持ちは受け取れません」

は?即答?

「あ、うん……そ、そうだよね。私なんて――」

「ですが、とりあえず霊斗の件が一段落するまで考えさせてください」

「え?」

ん?なんかデジャ・ビュ?

「霊斗の吸血鬼化のコントロール。それが出来るようになったら私と付き合ってもらえますか」

「は、はい!喜んで!」

おぉ、なんか久遠がかっこよく見える。

それに比べて俺は……。

全然デジャ・ビュじゃなかったわ。

「では霊斗、早速訓練ですよ!」

「嫌だぁぁ!」

なんでこんなにやる気なんだよ!

あ、冷静なフリしてほんとは嬉しいんだな?

「ああ、さっさと出来るようになってやるよ」

「言いましたからね?」

「緋月君、がんばれー」

この後、死ぬほど訓練して、その日のうちに出来るようになったのは余談だ。




次回も思い出編です。
じゃ、また。
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