吸血鬼に恋愛なんて出来るわけがない!   作:緋月霊斗

9 / 21
書きます!


嘘と真実

「今も生きてる吸血鬼ね……」

「まぁ、いるとは思えないけどな」

つか、生きてたらクッソババアだろうな。

「にしても、話してたら日も暮れちまったな」

「うん、帰ろっか」

「ああ、じゃあな」

「え?」

「え?」

なんだ?なんかおかしかったか?

「いや、じゃあな、じゃないでしょ?帰ろうよ」

「俺も帰るのか?」

「一緒に帰ろう?」

う、上目遣い……。

「わかったよ。行くか」

「バスあったかなぁ……」

「もっと速い方法があるぞ」

「え?タクシーとか?」

「いや。俺だよ」

「……えっと……どゆこと?」

「俺がお前を抱えて跳ぶ」

「……」

「ジェットコースターみたいなもんだ」

やっぱり嫌がるか……?

「な……」

「ん?」

「なにそれ!楽しそう!」

意外と好反応だな。

「やるか」

「やるやる!」

「よし、じゃあ……よっ、と」

「わわっ!びっくりしたぁ」

「ん、すまん」

「いいよ……それより、これ……」

お姫さま抱っこってやつだな。

「嫌か?」

「ううん、嬉しいかな」

「そうか……」

不覚にもドキッとしてしまった。

「じ、じゃあ行くぞ!」

「レッツゴー!」

吸血鬼化して……っと。

「おらぁっ!」

「おぉ!高い高い!凄い!」

「急降下するぞ!」

「ひゃほー!」

ダンッ!

「あ、足いてぇ……」

「凄いよ霊君!もう家まで半分だよ!」

「そ、そうか……」

足首捻った……。

「よ、よし!もう一回!」

「む、無理しないでね?」

「大丈夫だ。よいしょー!」

「おお!また高ーい!」

「うう、足がぁ……」

「霊君!着地体制!」

「え……あ!」

ダムっ!

「いてぇよぉ……」

「足首の向きがおかしいよ!?」

「ああ……外れてるかなぁ……」

よいしょっと。

「ふう、治った」

「治療が雑!」

まぁ、とりあえず家には着いたから、良いだろう。

「じゃ、じゃあな……」

「うん……お大事に」

帰った帰った。

「んで、さっきから着いてきてる奴、出てこい」

っと、出てきたのは女か……。

「気づかれていたのか」

「そりゃああんな勢いで跳んでる俺に着いてきてるんだ。おかしいだろ」

「ふむ。まぁ、お主に会うためにここまで来たのだからな」

「俺に……?」

「うむ」

「そうか、あんたも反人外派か」

「違うぞ?」

「え?」

反人外派じゃないのに俺に会いに……?

怪しいな。

「じゃあ、あんたは何者だ?」

「そうじゃな………エリス・ラ・フレイア・カーミラ、と名乗れば分かるか?」

「確か……唯一の純血の吸血鬼か?」

「いかにも。欧州からお主に会うため、わざわざ来てやったのだ」

「ふ~ん。で、なんの用だ?」

「お前の顔を見ておきたくてな。我が血を引く唯一の吸血鬼であるからな」

「……どういう……事だ?」

「確か……お主の母親は事故で死んだ、はずだな?」

「ああ。父親からはそう聞いている。だから再婚した、とな」

「ふむ。子供には信じさせやすいな……だが、それは嘘だ」

「なっ……!」

嘘……?

父さんが……俺に嘘を?

なぜ?

「本当の事は……お主の父親に聞くがよい」

「ま、待て!」

「さらばだ……」

霧化!?

追えない!

「クソッ!」

父さんと義母さんはしばらくは帰ってこない。

それまでは保留か……。

「なんなんだよ……」

「霊斗」

「!?」

嘘……だろ?

「父さん……」

緋月霊哉。

俺の父親だ。

「出張だからしばらく帰ってこないって……」

「ああ、あれは嘘だ。お前の今の義母さんと……離婚裁判に行っていたんだ」

「離婚……?」

「ああ」

「なんで……」

「お前を殺そうとしたんだよ。あいつがな」

「義母さんが……?」

「そうだ。あいつは反人外派だったんだ」

「そんな……」

つまり……俺が人外化したから、殺そうとした……?

「なんなんだよ……」

「辛いだろうが…まだ話さなくてはならないことがある」

「……エリスのことか?」

父さんの表情が変わった……。

「そうだ。エリス・ラ・フレイア・カーミラは……お前の母親だ」

「は?」

つまり……俺は……吸血鬼と人間のハーフ?

「俺は……」

「いいか、霊斗。お前は、吸血鬼と半人半魔のハーフだ」

「は?」

「俺は人間と猫又のハーフで、それと吸血鬼のハーフがお前だ」

「婆ちゃんがやけに若いと思ったらそういう理由かよ!?」

「だから俺もお前も猫化できるぞ」

「出来んのかよ!?」

猫か……便利そうだな。

「んで、エリスが俺の本当の母親だと」

「そうだ。しばらく行方不明だったんだが……数ヵ月前に再会してな。だから、再婚することにした」

「即決すぎる!」

ったく、なんて女たらしな父親だ。

「あと、お前、妹いるから」

「はぁ、妹ね。妹ぉ!?」

「そうだ。つか、腹へった。なんか作ってくれ」

「ったく。待っててくれ。さっと作る」

手洗いうがいはしっかりして……。

「うーん、ご飯は炊いてあるから、野菜炒めと……目玉焼きでいいか」

「お兄ちゃん適当だなぁ……」

「誰が適当だ」

失礼な奴だなぁ。

さて、人数は四人っと……。

四人?

「二人ほど増えてる!?」

「お兄ちゃん、どしたの?」

「だ、誰だお前!」

「誰って、お主の妹だろう」

「エリ……じゃなくて母さん!?」

妹ぉ!?

あれ、さっきもこの反応したな。

「妹のエイラ・ラ・フレイア・カーミラだよ。よろしくね、お兄ちゃん」

「あ、ああ」

「因みにお兄ちゃんと一歳しか違わないよ?」

「そうなのか」

にしても……綺麗な金髪だな。

「ねぇお兄ちゃん、お腹すいた!早くなんか作って!」

「できたぞ」

「はやっ」

「霊斗も料理が上手になったな」

「うむ、霊哉が昔食べさせてくれたものにそっくりだ」

「私の方が上手だもん!」

「じゃあ、エイラの料理も今度食べさせてくれよな」

「うんっ!」

なんだかんだ、前より楽しいかもしれない。

明日からも、頑張らないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで霊斗。お前のフルネームを知っているか?」

「知らないけど」

「教えてやろう!お前の名は――――レイト・ラ・フレイア・カーミラ・緋月、だ!」

「長い!普通に緋月霊斗でいいよ!」




はい、急展開ですみません。
じゃ、次回。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。