「今も生きてる吸血鬼ね……」
「まぁ、いるとは思えないけどな」
つか、生きてたらクッソババアだろうな。
「にしても、話してたら日も暮れちまったな」
「うん、帰ろっか」
「ああ、じゃあな」
「え?」
「え?」
なんだ?なんかおかしかったか?
「いや、じゃあな、じゃないでしょ?帰ろうよ」
「俺も帰るのか?」
「一緒に帰ろう?」
う、上目遣い……。
「わかったよ。行くか」
「バスあったかなぁ……」
「もっと速い方法があるぞ」
「え?タクシーとか?」
「いや。俺だよ」
「……えっと……どゆこと?」
「俺がお前を抱えて跳ぶ」
「……」
「ジェットコースターみたいなもんだ」
やっぱり嫌がるか……?
「な……」
「ん?」
「なにそれ!楽しそう!」
意外と好反応だな。
「やるか」
「やるやる!」
「よし、じゃあ……よっ、と」
「わわっ!びっくりしたぁ」
「ん、すまん」
「いいよ……それより、これ……」
お姫さま抱っこってやつだな。
「嫌か?」
「ううん、嬉しいかな」
「そうか……」
不覚にもドキッとしてしまった。
「じ、じゃあ行くぞ!」
「レッツゴー!」
吸血鬼化して……っと。
「おらぁっ!」
「おぉ!高い高い!凄い!」
「急降下するぞ!」
「ひゃほー!」
ダンッ!
「あ、足いてぇ……」
「凄いよ霊君!もう家まで半分だよ!」
「そ、そうか……」
足首捻った……。
「よ、よし!もう一回!」
「む、無理しないでね?」
「大丈夫だ。よいしょー!」
「おお!また高ーい!」
「うう、足がぁ……」
「霊君!着地体制!」
「え……あ!」
ダムっ!
「いてぇよぉ……」
「足首の向きがおかしいよ!?」
「ああ……外れてるかなぁ……」
よいしょっと。
「ふう、治った」
「治療が雑!」
まぁ、とりあえず家には着いたから、良いだろう。
「じゃ、じゃあな……」
「うん……お大事に」
帰った帰った。
「んで、さっきから着いてきてる奴、出てこい」
っと、出てきたのは女か……。
「気づかれていたのか」
「そりゃああんな勢いで跳んでる俺に着いてきてるんだ。おかしいだろ」
「ふむ。まぁ、お主に会うためにここまで来たのだからな」
「俺に……?」
「うむ」
「そうか、あんたも反人外派か」
「違うぞ?」
「え?」
反人外派じゃないのに俺に会いに……?
怪しいな。
「じゃあ、あんたは何者だ?」
「そうじゃな………エリス・ラ・フレイア・カーミラ、と名乗れば分かるか?」
「確か……唯一の純血の吸血鬼か?」
「いかにも。欧州からお主に会うため、わざわざ来てやったのだ」
「ふ~ん。で、なんの用だ?」
「お前の顔を見ておきたくてな。我が血を引く唯一の吸血鬼であるからな」
「……どういう……事だ?」
「確か……お主の母親は事故で死んだ、はずだな?」
「ああ。父親からはそう聞いている。だから再婚した、とな」
「ふむ。子供には信じさせやすいな……だが、それは嘘だ」
「なっ……!」
嘘……?
父さんが……俺に嘘を?
なぜ?
「本当の事は……お主の父親に聞くがよい」
「ま、待て!」
「さらばだ……」
霧化!?
追えない!
「クソッ!」
父さんと義母さんはしばらくは帰ってこない。
それまでは保留か……。
「なんなんだよ……」
「霊斗」
「!?」
嘘……だろ?
「父さん……」
緋月霊哉。
俺の父親だ。
「出張だからしばらく帰ってこないって……」
「ああ、あれは嘘だ。お前の今の義母さんと……離婚裁判に行っていたんだ」
「離婚……?」
「ああ」
「なんで……」
「お前を殺そうとしたんだよ。あいつがな」
「義母さんが……?」
「そうだ。あいつは反人外派だったんだ」
「そんな……」
つまり……俺が人外化したから、殺そうとした……?
「なんなんだよ……」
「辛いだろうが…まだ話さなくてはならないことがある」
「……エリスのことか?」
父さんの表情が変わった……。
「そうだ。エリス・ラ・フレイア・カーミラは……お前の母親だ」
「は?」
つまり……俺は……吸血鬼と人間のハーフ?
「俺は……」
「いいか、霊斗。お前は、吸血鬼と半人半魔のハーフだ」
「は?」
「俺は人間と猫又のハーフで、それと吸血鬼のハーフがお前だ」
「婆ちゃんがやけに若いと思ったらそういう理由かよ!?」
「だから俺もお前も猫化できるぞ」
「出来んのかよ!?」
猫か……便利そうだな。
「んで、エリスが俺の本当の母親だと」
「そうだ。しばらく行方不明だったんだが……数ヵ月前に再会してな。だから、再婚することにした」
「即決すぎる!」
ったく、なんて女たらしな父親だ。
「あと、お前、妹いるから」
「はぁ、妹ね。妹ぉ!?」
「そうだ。つか、腹へった。なんか作ってくれ」
「ったく。待っててくれ。さっと作る」
手洗いうがいはしっかりして……。
「うーん、ご飯は炊いてあるから、野菜炒めと……目玉焼きでいいか」
「お兄ちゃん適当だなぁ……」
「誰が適当だ」
失礼な奴だなぁ。
さて、人数は四人っと……。
四人?
「二人ほど増えてる!?」
「お兄ちゃん、どしたの?」
「だ、誰だお前!」
「誰って、お主の妹だろう」
「エリ……じゃなくて母さん!?」
妹ぉ!?
あれ、さっきもこの反応したな。
「妹のエイラ・ラ・フレイア・カーミラだよ。よろしくね、お兄ちゃん」
「あ、ああ」
「因みにお兄ちゃんと一歳しか違わないよ?」
「そうなのか」
にしても……綺麗な金髪だな。
「ねぇお兄ちゃん、お腹すいた!早くなんか作って!」
「できたぞ」
「はやっ」
「霊斗も料理が上手になったな」
「うむ、霊哉が昔食べさせてくれたものにそっくりだ」
「私の方が上手だもん!」
「じゃあ、エイラの料理も今度食べさせてくれよな」
「うんっ!」
なんだかんだ、前より楽しいかもしれない。
明日からも、頑張らないとな。
「ところで霊斗。お前のフルネームを知っているか?」
「知らないけど」
「教えてやろう!お前の名は――――レイト・ラ・フレイア・カーミラ・緋月、だ!」
「長い!普通に緋月霊斗でいいよ!」
はい、急展開ですみません。
じゃ、次回。