ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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教会へ(リメイク版)

 

塔城小猫

 

性別:女

 

悪魔ではあるが、それとは別の妖怪の妖力らしきものも感じられる。恐らく元は猫の妖怪で悪魔の駒によって悪魔に転生したと見られる。

力量はあるが、動きが鈍重。

 

彼女の駒である戦車(ルーク)は持ち主の筋力を底上げするものと見られる。

 

ーーーーーー

 

目の前に立つゼノを小猫は鋭い目で見つめる。

 

「…」

 

「ん?なんだよ?」

 

ゼノはケロンとしながら理由を尋ねてくるが、それどころではなかった。先程の魔力とは全く異なる体内エネルギーの具現化と放出そしてあり得ない身体能力。

 

確かにゼノの力は朱乃からは事前に聞いていた。だが、見ればそれは予想以上であり、それどころか、その技術が自身の秘めている術に共通していた。

 

「(仙術…とは違う…確かに気を使ってたけど、明らかに用途が違ってる…本当に一体…何者なの…?)」

 

「おい。行くんじゃないのか?」

 

「あ…はい…行きましょう」

 

そう言い小猫が歩き出すとゼノもついていった。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

その後、小猫に連れられたゼノは教会付近の林へと案内され、そこには既にイッセーと木場の姿があった。

 

「遅くなりました…」

 

「おぅ小猫ちゃん……ってえぇ!?なんでゼノも!?」

 

「ん?」

 

小猫とともにゼノがいることにイッセーが驚くと、ゼノは首を傾げる。

 

「なんだ?俺がいたらダメなのか?」

 

「いや…別にそんなことないけどよ…お前は人間だろ!?いくら何でも連れて行けねぇって!!なぁ木場!?」

 

「うん…確かに朱乃さんからは、君の強さについて聞いてはいるけど、堕天使は強敵だ。あまりお勧めできない。小猫ちゃんも、なんで連れてきたんだい?」

 

木場もイッセーの意見に頷き、小猫にゼノを連れてきた理由について尋ねると、小猫は答えた。

 

「信じられないかもしれませんが…先程、私達は堕天使3人から襲撃にあい…その時にゼノ君が全て倒してしまいました。一瞬で…」

 

「「!?」」

 

その言葉に、二人の動きが止まり、改めて木場が確認をとる様に尋ねる。

 

「…それは本当なのかい?」

 

「はい。この目で確かに」

 

「なるほど…」

 

木場は朱乃から聞いた話や小猫の話を思い返しながらゼノを見つめる。

それに対してゼノはめんどくさそうに答えた。

 

「なんならお前らの目で確かめてみればいいだろ?これから教会いくんだし」

 

その提案に木場は頷く。

 

「…うん。そうするよ」

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

その後、教会へと到着する。そこへ向かう中でゼノは今回なぜ教会へと奇襲をかけるのか理由を尋ねてその答えを聞いた。

 

イッセーと出会ったシスターの少女『アーシア・アルジェント』の救出のためだ。

彼女と再会した際にイッセーを殺した堕天使『レイナーレ』にも遭遇し、手も脚も出ずアーシアも攫われてしまった。その時にレイナーレは彼女の神器を抜き取ろうとしていたのだ。

 

それを防ぐべく、イッセーは木場そして小猫と共に教会へ攻め込むことに決めたのだ。

 

「あれ?それは部長のリアスが許したのか?」

 

「いや、途中、何か用があるみたいで朱乃さんと出て行ったよ。最初は反対されたけど…」

 

「ふぅん」

 

 

それからしばらくして、一同は教会へと到着した。

 

「ここが教会…か」

 

その教会は街では有名なのか、綺麗で大きい建物であった。

何度かこの建物について見たが、これが教会だとは思ってもいなかったためか、思わずゼノは声を漏らしてしまう。

 

「うん。この中に兵藤くんの言っていたシスターさんがいると思う。何度も言うが、気をつけるんだよ?君も兵藤くんも」

 

「お…おぅよ!!」

 

「ゼノ君も……あれ?聞いてる?…あれ!?」

 

木場が声を掛けるが、そこにゼノの姿はなく、さらに

 

ガチャン

 

背後から扉の開く音が聞こえ、振り向けばそこには、何の躊躇もなく教会の扉を開けるゼノの姿があった。

 

「お邪魔しま〜す」

 

「ちょ!ゼノくん!?まずは地図を見て作戦を立てないと!!」

 

「めんどくせぇよ。シスター助けるなら、それ以外の連中をボコボコにしちゃえばいい。それだけでしょ?」

 

「そんな簡単に!?」

 

 

その時であった。

 

「いや〜いや〜いや〜愉快な声が聞こえたかと思えば…悪魔くんではあ〜りませんか〜♪」

 

「「「!?」」」

 

「ん?」

礼拝堂の裏から声が聞こえ、その声に3人は驚き、ゼノは動きを止める。

 

すると、礼拝堂の影から白髪の神父服を身に纏った少年が現れた。

 

「感動的な再会ですねぇ〜?」

 

「フリード!!」

 

「フリード?」

その少年を見たイッセーが目を細める中、ゼノはイッセーへ尋ねる。

 

「なんだ?知り合いか?」

 

「あぁ…前に契約の仕事先にいた奴でな…契約したって理由だけで人間を斬殺しやがったんだよ」

 

「へぇ。あのヒョロヒョロなガキがか」

 

ゼノはフリードを見る。見る限り一般人よりも強い戦闘力を秘めてはいる。体格も申し分ない。その上、身体能力が向上しているイッセーを苦戦させているとなれば、人間だとすればかなりの部類だろう。

 

 

すると、フリードの目がゼノへと向けられる。

 

「おやおやおや〜?よく見ればクソ悪魔くんに加えて人間くんもいるではあ〜りませんかぁ?ややや…なんと可哀想にぃ!またまたクソ悪魔に魅入られた人間が増えてしまった!!」

 

「あぁ?」

 

何を言っているんだコイツは?

思わずそう言ってしまうほど思い込みが激しい様子にゼノは首を傾げてしまう。だが、こんな相手など慣れっこである。

 

宇宙中を飛び回ったゼノにとって、言葉が通じない相手もいたため、このように喋れるならまだマシな方である。それと同時にそのエクソシストに興味が若干ながら湧き、いたずら心で挑発をかける。

 

「別に魅入られてる訳じゃねぇけど、魅入られてたらどうするんだ?」

 

「決まってるじゃないっすか♪」

 

ゼノのその言葉に、フリードの目が血走ると懐から一丁の拳銃と光輝く剣を取り出した。

 

「救ってあげますよ〜それが僕ちゃん『エクソシスト』の務めですから〜♡」

 

「エクソシスト……へぇ」

 

その職業については聞いたことがあった。英国において悪魔を祓う者であり、神父と兼業する者もいる。日本で言えば陰陽師のようなもの。

 

だが、聞いていたのと違う。明らかに頭のネジが外れた狂人であり思想も過激派である。

 

「…イカレてるだけか…」

 

たったそれだけ。この数分の会話で、ゼノはフリードへの興味が完全に失せてしまった。

 

 

その一方で、フリードは取り出した剣の鋒をゼノへと向ける。

 

「さぁさぁさぁ!!邪魔な悪魔よりも先に哀れなボクちゃんを殺して助けてあげないといけませんねぇええ!!!」

 

「させないよ!!」

 

フリードがゼノ目掛けて飛び出そうとした時であった。咄嗟に木場が剣を取り出して握り締めると飛び出し、フリード目掛けて剣を振るう。

 

「ヤァア!!!」

 

「おおっと!?遅いぜ色男よぉ!!」

 

「!?」

 

その一振りをフリードは咄嗟に避け、着地するが、その地点が影に覆われる。見れば小猫が周囲の長椅子を持ち上げていたのだ。

そして小猫はフリード目掛けてその長椅子を投げ飛ばす。

 

「……ぶっ潰れろ」

 

「おっほぉおお!!外れてるぜロリ がよぉ!!」

 

その椅子をアッサリと避けたフリードはそのまま真っ直ぐゼノへと向かう。

 

「しまった!!ゼノくん!!」

 

「ゼノ!!!」

 

 

イッセーと木場、小猫の声が重なった時であった。

 

 

 

「ふぅ…」

 

息を吸う音と共に、ゼノの姿が消え、フリードの前に現れた。

 

「……は?」

 

思わず腑抜けた声を漏らしてしまう。それに対して、ゼノは拳を握り締めながら笑みを浮かべる。

 

 

「ぶっ飛べ…ッ!!!」

 

 

その瞬間

 

 

__ッ!!!!

 

 

放たれた拳がフリードの顔面へと深く突き刺さり、頬へと深く抉り込んだ。

 

 

「が…!?」

 

めり込んだ拳はフリードの顔を変形させていき、その身体を教会の壁ごと吹き飛ばしたのであった。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

「「「…」」」

 

その一部始終を後ろで見ていたイッセーや木場達は言葉を失っていた。先程まで内装、外装まで立派だった教会は一瞬にして廃墟と化しており、巨大な風穴の向こう側には貫通して薙ぎ倒された木々があった。

 

「え…ええええええええ!!??」

 

「嘘……」

 

一尺遅れて、イッセーの驚きの声と木場の心の声が思わず溢れた。それもそうだ。自身らが苦戦する程のフリードに対して、真正面それも相手が気付かないほどの速度で接近して殴打1発で倒してしまったのだから。

 

「いや…いやいやいや!なにこれ!?何が起きたんだ!?」

 

「…」

あまりの衝撃に思わずイッセーは隣に立っていた木場に尋ねるも、彼も彼で驚いていたのか、直立していた。

 

「僕にも分からない…辛うじて見えたけど、ゼノ君のパンチだけ…」

 

「パンチ!?」

 

「うん…しかも魔力なんて一切感じなかった。ただ純粋な身体能力一本のみのパンチだってことだよ」

 

「ま…マジかよ…!?」

 

壁に叩きつけられ、出来上がった風穴を目にしたイッセーや木場は改めてゼノへ目を向けると、そこには肩を回すゼノが立っていた。

 

「あれ?やり過ぎたか?」

 

見る限り全く疲れた様子ではない。となると、あの一撃は言葉通り準備運動に過ぎないということになる。

 

それを確信したイッセーや木場は身を震わせた。

 

「力を込めた様子はないね…あの余裕ぶり…さっきの小猫ちゃんの話も本当だったようだ…」

 

そして、改めて二人に加えて小猫もゼノを見つめる。

 

「心強いけど、彼は一体…何者なんでしょう…」

 

 

すると

 

「おい。この下からなんか聞こえるぞ」

 

「え?」

 

ゼノは祭壇を蹴り飛ばしており、その下には隠し通路らしきものがあった。

 

ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

その後、隠し通路から階段で下へと降りると、そこには広い空間があった。その景色の先を見たイッセーは驚愕する。

 

「アーシアッ!!」

 

そこには、巨大な祭壇がありその下には何十人もの神父と、その祭壇の上には黒い羽を生やした堕天使『レイナーレ』そして縛られている金髪の少女『アーシア・アルジェント』の姿があった。

 

イッセーの声に、レイナーレは振り返る。

 

「あら、まさか乗り込んでくるなんて。でも遅いわよ?もう儀式は完了したわ」

 

そう言う女性の手には光り輝く物体が乗せられていた。その光は空気に触れると共に周囲を照らすほどの光を放ち、それに神父達も歓声の声を上げていく。

 

「ん?なんだあれ?」

 

「部長が前に言っていた神器(セイクリッド・ギア)だよ。まずいね…神器を抜かれたとなると、彼女の命が危ない…」

 

「神器…そうか。そう言ってたっけ。危ないってことは死ぬのか?」

 

「…」

 

木場の言葉にゼノが尋ねると彼は深刻な表情を浮かべながら頷く。そしてそれを聞いたイッセーはすぐさま駆け出した。

 

 

「テメェ……!!よくもアーシアを!!」

 

一方で、状況は飲み込めたものの、誰がどれだか分からずにいたゼノは改めて小猫に尋ねる。

 

「どれがアーシアって奴?あの黒い翼の?」

 

「いやあれは堕天使…アーシアさんはあの金髪の人」

 

「あ〜あれか。んで、何だっけ?あの金髪を助けたいんだっけ?」

 

「そう。その隣に立ってるのが…先輩を殺した堕天使だと思う」

 

「へぇ。あの3匹に加えてまだいたのか……ん?」

 

小猫の説明にゼノは未だに堕天使がいる事に溜息を吐きながらも向かおうとするが、動きを止める。

見ればイッセーが先に駆け出していた。

 

「アーシア!!」

 

「この悪魔めがッ!!」

 

「滅してくれるッ!!」

彼女の名を叫びながらイッセーは祭壇へと向かっていくが、他にも数十人もの神父の姿もあり、イッセーを葬るべく襲いかかる。

 

 

一方で、冷静になれず駆け出したイッセーを見ていたゼノはその姿に呆れていた。

 

「あ〜あ。突っ走りやがって」

 

「…行きましょう。兵藤先輩の援護を…ゼノ君もお願いします」

 

「まぁそうだな。ついてきたからには助けねぇと」

 

ゼノが呆れる中、小猫と木場が前に立ち、小猫の言葉に納得しながらゼノも骨を鳴らすと、木場に尋ねる。

 

「さっきの見て、力は理解してもらえたか?」

 

「うん。悪かったね…だから今は力を貸してくれるかい?」

 

「別にいいよ。付いてきたんだし」

 

そして、3名も一斉に駆け出すと、木場はイッセーの背後から斬りかかろうとした神父を切り伏せる。

 

「木場!!」

 

「後ろは任せて!」

 

そして今度は別方向から襲いかかってきた神父を小猫が殴り飛ばす。

 

「小猫ちゃん!?」

 

「急いでください…」

 

「…!!分かった!ありがとう!!」

 

小猫、木場の助太刀にイッセーは笑みを浮かべると、すぐさま祭壇へと向かうべく振り向く。

 

 

 

その時であった。

 

「よっ」

 

「「「!?」」」

 

ゼノの軽い一声と共に、その身体は一瞬にしてイッセー達の頭上を乗り越え祭壇へと到達した。

 

その一部始終を目にして居た3名は驚きの表情を浮かべる。

 

それはレイナーレも同じであった。

 

「な…なによアンタ!?どうやってこの距離を!?」

 

突如として現れたその存在にレイナーレは警戒心を露わにする。それもそうだ。手練れの木場や小猫のような一般的な悪魔でさえもなし得ない超高速の移動をやってのけたのだから。

 

だが、彼女の言葉をゼノは意に介す事なく、巻き付けられたアーシアを観察していた。

 

「ふむふむ…(確かに気がどんどん減ってる…神器抜かれたら死ぬってのは本当らしいな)」

 

神器というシステムの構造を頭の中で整理し終えると、右腕を手刀の構えに変化させて振り回した。

 

すると

 

___ッ!!!

 

激しい音と共にアーシアを拘束していた拘束具が一瞬にして破壊され、彼女の身体が落下した。

 

そしてそれを受け止めると、担ぎ上げて背後で神父達と交戦しているイッセー達へと声をかけた。

 

「よっと。お〜い!コイツだろ〜?」

 

「ゼノ!!ありがとう!!……っておわ!?」

 

すると、ゼノはイッセーがコチラを向いたと見るや否や彼女をイッセー目掛けて投げ渡した。

 

「おい!もっと優しくしろよ!?投げ渡す必要あるか!?」

 

「知るかよそんなの。ほら、さっさと行け。その金髪を助けるんだろ?」

 

「わ…分かった!!……な!?おい!後ろ!!」

 

駆け出そうとしたイッセーは表情を一変させながら叫ぶ。

 

「後ろ?」

 

ゼノの背後には______激昂し眉間に皺を寄せたレイナーレが光の槍を握り締めながら向かってきていた。

 

「私を無視してんじゃないわよッ!!人間風情がぁあ!!!」

 

「あ〜そう言えばいたっけこんな奴」

 

それに対して、ゼノは振り向くと右手を彼女へと目掛けた。

 

 

「邪魔だよ」

 

 

その瞬間 

 

「がはぁ!?」

 

向けられた光の槍が木っ端微塵に砕け散ると共に、まるで跳ね返されるかのようにレイナーレの身体が吹き飛び、祭壇の柱に叩きつけられた。

 

 

「不意打ち狙うなら静かにやれよ。わざわざ叫び声あげやがって。それにそんな細腕じゃ____ん?」

 

 

その時であった。彼女の身体が黄緑色の光に包まれると共に叩きつけられた際に出来上がった打撲傷などが次々と回復していった。

 

「ふ…ふふ!最高!!これが『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング』!!これさえあれば!私はアザゼル様とジェムハザ様から寵愛を!!私を馬鹿にした連中を見返してやれるわ!!」

 

「なるほど。回復系統で、それがあの金髪から奪ったやつか」

 

「えぇそうよ!!」

 

そう言い全身が回復したレイナーレは再び槍を生成する。

 

 

「今の衝撃波は驚いたわ…人間ごときがどこでそんな技術を身につけたかは知らないけど…これさえあればお前なんて___」

 

 

そう言いレイナーレが目を向けるとそこには____

 

 

「おい。さっさと行けよ。間に合わなくなるだろ」

 

 

「…!!分かった!!絶対後で会おうなッ!!約束だからな!!」

 

 

「ん」

 

____アッサリと目を離すゼノの姿があった。ゼノの言葉に頷いたイッセーはアーシアを抱えたまま駆け出していき、それをゼノは陽気に手を振りながら見送っていた。

 

 

「む…無視…!?」

 

 

 

 

「え?」

 

すると、その声にゼノはようやく気づいたのか、振り向いて首を傾げた。

 

「なんか言った?」

 

「…ッ!!!」

 

己を吹き飛ばすのみならず、羽虫の様に扱い挙句の果てには無視。その一連の行動は更にレイナーレの堕天使としてのプライドを刺激させた。

 

「クソがぁ!!!死ねえ!!!」

 

「おぉ?」

 

そして、遂に怒りが頂点に達したレイナーレは光の槍をゼノ目掛けて投げつけるが、それをアッサリと避ける。

 

「クソ!!クソクソクソクソ!!!」

 

「おほほ〜頑張れ頑張れ〜♪」

 

続け様にレイナーレは何本も何本も光の槍を生成しては投げて振り回していくが、それをゼノは笑いながらアッサリと避けていく。

 

「畜生!!何なのよコイツ!?」

 

「ほらほら。どうする?このままだとアイツ逃げるぞ〜?」

 

「ッ!!」

息を切らし悪態をつくレイナーレに対して、ゼノは更に誘うかの様に手で招く。

 

それに対してレイナーレは舌打ちをしながらもその場から飛び立った。

 

「お前の相手などしてられるかッ!!」

 

「およ?」

 

飛び立ったレイナーレは神父達と交戦する木場や小猫の頭上を通り過ぎると、外へと続く入り口へと向かっていく。

 

「逃げやがったか」

 

「あははは!誰が逃げるですって!?まずは悪魔を殺したあと…じっくり痛ぶってやる!!」

 

そう言いレイナーレは入り口を通り過ぎて外へと出ていってしまった。

 

 

「…」

 

その場に取り残されたゼノは、少しばかりため息をつきながらも、拳を握り締めると目を鋭くさせた。

 

「…飛べば逃げれると思ってんのか…?ゴミ女が」

 

彼女の捨て台詞に頭に来たのか、目を鋭くさせたゼノは近くの小石を持ち上げると、体内から微量の気を解放し、足に纏わせると握り締める。

 

「胴体に風穴あけてやる」

 

そして、ゼノはすぐさまレイナーレを追いかけて葬るべく駆け出そうとした。

 

 

その時であった。

付近から魔力を感じ、振り返るとそこには赤い魔法陣が展開されていた。その魔法陣の中から感じられたのは、自身の所属する部活の部長であるリアスの魔力であった。

 

「これは…リアスの魔力か…」

 

彼女が来ることを悟ると、自身の現在の状態を改めて振り返る。体術はまだしも、小猫の前とはいえ気を解放してしまった。

 

その技術をリアスにまで見られでもすれば、より面倒な事となり、最悪の場合、調査が続行不可能となる。

 

「…」

 

 

故に、レイナーレを殺したい気持ちを抑えながらゆっくりと気を沈め、舌打ちをしながらも出口に目を向けた。

 

「ッ…あとはお前に譲ってやるよ兵藤一誠」

 

 

 

 

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