ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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破滅の予知夢

「ゔぅぅ…んん…!!」

 

ビルスは自分の寝床で夢を見ていた。

 

ーーーーーー

 

場所は空が赤く、魔界のような場所。ビルスの目の前には白髪で、血のように真っ赤に染まる目をした少年が立っていた。見るとその周りには身体がバラバラに引きちぎられていたり、頭部が潰されて脳髄が撒き散らされたりと無残な状態となった暗黒魔界の兵達がいた。

 

「ヴォオオオオオッ!!!」

その少年は、まるで理性を失くしたかのように獣のような唸り声をあげた。すると、身体中からドス黒いオーラが湧き上がり、ビルスの身体を吹き飛ばした。

 

「うぐぅ!?何だコイツは!?」

戦い好きなビルスでも、冷や汗を流しており、相当な危険度を感じ取らせる。すると、その少年はビルスを見ると襲いかかってきた。その速度は軽く光の速さを越えており、一瞬にして ビルスの寸前まで迫ってきた。

 

「ヴォオオオオオッ!」

振り下ろされた拳をビルスは受け止めた。ビルスは破壊神であり、第七宇宙で2番目に強い者だ。並大抵の者に本気を見せる事はない。だが、今回ばかりは本気を出していた。その理由は今 自分にパンチを放ってきた少年の攻撃を受け止めた際 受け止めたにも関わらず衝撃が激しく伝わってきたからだ。

 

「舐めるなよッ!」

ビルスは少年の受け止めた手を捻ると、蹴りあげた。だが、少年は笑いながら怯みもせずに状態を戻すと またもや拳をふりあげビルスの頬へ向かって拳を放った。

 

バァンッ!

「ガバァ!?」

その瞬間 ビルスの身体に巨大な衝撃が走り その地点から身が一気に宇宙まで吹き飛ばされた。

 

 

ガァァァンッ!

「ごばぁ…!」

そして 吹き飛ばされたビルスを受け止めたのはその星から何光年も離れている星だった。叩きつけられたビルスは肺の空気と共に血を吐き出した。

 

だが、彼は気分がとても良かった。それは、古の時代の好敵手『孫悟空』以来 味わえなかった興奮をもう一度味わえるのだから。

 

「へへ…いいね君…僕も本気でいっちゃうよッ!」

ビルスは怒りとテンションが混ざり合い自身も本気を出すと宣言すると、身体中から紫色のオーラを溢れ出しその星から一気に跳躍するとその少年の胴体へ向けて水平に蹴りを入れた。

 

「ゔぉりゃッ!」

「ガバァ…!」

蹴りは深く抉り込み、少年の腹を歪ませ数千万キロも先へと吹き飛ばした。

 

「ハァァァァッ!!!」

だが、手は緩めない。ビルスは両手から無数の小さな気弾を作り出すと吹き飛ばした少年へ向かって投げた。その気弾は全て少年に向かっていき、少年の身体へ次々とあたり爆発していった。

 

「さて。どうかな?身体の部位一つは吹き飛んでいると思うがね」

だが、ビルスの予想は全く外れた。煙が晴れるとそこには 身体がボロボロでありながらもケラケラを不気味な笑みを浮かべている少年の姿があった。

 

「凄いなぁ。まさかそんな傷だけで済んじゃうなんて。正直 驚いたよ」

ビルスは自分の予想を上回る少年を賞賛すると、一気に自身の気を最大限に解放した。

 

 

「こっからは僕も本気でいくよ…?」

 

ス…

 

両手を上に上げると身体中からエネルギーを集め惑星半分程はある超特大の太陽を生成した。

 

「ハァァァァ!!!」

そして 叫び声を上げると少年へ向け、銀河数十個をまとめて吹き飛ばす程の太陽を投げた。すると、その少年も手を大きく上に上げた。

 

「ヴォオオオオオッ!!」

その少年は再び雄叫びをあげるとビルスと同じ大きさの太陽を作り出した。だが、ビルスが作ったモノとは全く色が違い、太陽というより、まるでブラックホールのように全てを飲み込もうとする黒い色だった。

 

少年は向かってくるビルスの太陽に狙いを定めると、その太陽へ向け、自身の作り上げた黒い気弾を放った。

そして 互いの気弾がぶつかり合い、両者の激しい押し合いが始まった。

 

「うぉおおおおおお!!!!」

 

「ヴァァァァァァァ!!!!」

 

その瞬間 ぶつかり合う気弾が大爆発し、辺り一面を白く包み込んでいった。

ーーーーーー

 

 

「うおおおお!!!」

「おや?」

ドンドーンッ!!

突然 叫びながらビルスはベッドから跳ね起き、その振動で辺りの目覚まし爆弾が破裂していった。

 

「どうしました?また変な夢でも見たんですか?」

「そうだ!そうなんだウイス!」

目覚めたビルスは目をキラキラとさせながら見た夢を語った。

 

「凄いぞ…!僕に本気を出させてきた奴がもう1人 出てきたんだ!ソイツと僕は激しい戦いをして、最後は撃ち合いで目が覚めちゃったけどね!」

まるで子供のようにはしゃぐビルスにウイスは呆れた。

「はぁ…。つまり『予知夢』ですか。でも…孫悟空さんの時以来も相変わらず的中率高くないじゃないですか。この前だって宇宙でもトップのアイドル事務所のスカウトが来るって夢、当たらなかったじゃないですか?」

「またバカにしてるな?」

 

「はい。まぁそれよりも、戦った相手の詳細は分かりますか?一応 予知夢は予知夢ですし、当たる確率も存在します。早めに動いた方がよろしいかと」

「そうだな。まず、奴は髪が長く真っ白だったな。そして目は真っ赤っかだ。んで、気はまるで悪人のように真っ黒だった」

ビルスの曖昧な説明にウイスは首を傾げた。

 

「随分と曖昧ですね。それで?いつ頃現れるとお思いで?」

「そうだな…場所は恐らく暗黒魔界だ。周りに奴の死体が転がってたから、ゼノが事件を解決した直後だろう」

「ほぅ。となると、2年以内という事になりそうですね。まぁ あんまり期待はできませんけど」

 

そう思いながらも、ウイスは少し不思議に思っていたのだ。先程 ビルスが話したその戦士の特徴が、どこかで見た事があると。

 

「(まさか…いや、それはないでしょう…彼の封印は余程の事がない限り解けないはず…)」

その目からは不安が感じ取れた。

 

ーーーーーーー

 

 

一方でゼノは控え室を出ると、観客席へと移動した。先程の試合で顔がバレているため、見つかると騒がれるだろうと思い顔に口髭とサングラスを付けていた。

見てみると次のステージの準備が進められており、次のステージはどうやらショッピングモールのようだ。

 

「さて、どうなるかな」

近くで買ったジュースを飲みながらゼノは試合場を見る。

 

ーーーーーーー

 

「いい?相手はライザーよりも数は少ないけれど巧みに眷属を使ってくるわ。あまり前に出過ぎないように戦いましょう」

 

『はい。部長!』

リアスの言葉に皆は一斉に頷いた。数で攻めるライザーと違いソーナは戦略を精密に立て的確に繰り出す知的な戦い方をするだろう。そうとなると今回ばかりは少し苦戦してしまうだろう。

すると

 

『フィールドの用意が完了しました。選手の方々はゲートへお進みください』

 

放送が入る。いよいよ対決の時だ。

皆は息を飲みながらゲートをくぐった。

 

ーーーーーーー

 

『転送された場所が本陣となります。今回のステージは人間界のショッピングモールです。ルールにつきましては必要以上の破壊は禁止とし違反した場合は即 失格となり退場となります。各チームで2人がルールを違反し、退場となった場合は、その時点でゲーム終了とし、相手の勝利となります。なお、兵士のプロモーションは本陣から約5メートル範囲に入った瞬間に可能となります』

 

少し特殊なルールにパワー重視のイッセーと小猫は少し苦い顔をする。イッセーはまだしも、小猫は下手をしたらフィールドもろとも吹き飛ばす可能性があるので危険だろう。

そのため 小猫は少し後衛守備、朱乃もだ。彼女達の技の威力は修行により大幅に上昇しているため 切り札としてとっておいた方が良いだろう。

そして騎士の二人であるゼノヴィアと木場は同伴行動。ギャスパーとアーシアは本陣での待機となった。

「相手は必ず隙を突いてくるわ…。特にイッセー。禁手化をした際は注意してちょうだい?」

「はい!」

「それと、朱乃と小猫はできるだけ技の威力を抑えてちょうだい。下手をすれば失格になるかもしれないから」

リアスは念を押しながら二人に指示する。二人は頷くと、話は終わり、皆はそれぞれの持ち場へと着いた。

 

 

 

ーーーーーー

 

一方で客席ではゼノはサングラスを外しながら試合の状況を見ていた。両者共に持ち場につくと、いよいよ試合開始となった。

 

「(あまり壊さないというのがルールなら、朱乃と小猫を後衛に置くのは正解だな。もっとも…2人がそれを守るかどうかだが…)」

そう思っていると隣に誰かが座る音がした。

 

「隣、失礼するね」

「あぁ」

気さくに返事をする。すると、ゼノは「ん?」と首を傾げた。

 

「(この声…どこかで聞いたような…)」

そう思いながら隣に座った人物をサングラスを上げながら見てみた。

 

「あ、お前か」

「え?……ん!?」

そう言うと相手もゼノの方へ顔を向けてきた。その人物は『イリナ』だった。

 

「ぎ……ぎぎぎぎ銀河神さ…ぐはぁ…!?」

とてつもない声量でイリナが驚き、危うく自分の通り名を口に出してしまおうとしたので、ゼノな咄嗟にボディーブローを叩き込んだ。

「静かにしろ。ここでバレたら大騒ぎになるだろうが」

「うぐ…ずみばぜん…」

腹を抑えうずくまるイリナに容赦なく言い放つ。一方でイリナは泣きじゃくり恨めしな目を向けながら謝罪した。

 

ーーーーー

ーーー

 

「成る程、教会に戻ってから俺が神である事を知ったのか」

「は…はい」

試合を観戦するゼノの横では土下座をするイリナの姿があった。ゼノが神であった事を知ったイリナは信仰心から、神に対して無礼を働いていたと思い返し土下座をしたのだ。

 

「まぁ、俺が神に任命されたのは聖剣の後だからな。気にしなくていい」

その時だった。

 

ドォオオオオオオオオンッ!!!

「え?」

「…ん?……まさか…」

突然の大爆音が鳴り響き、イリナは驚きすぐさまスクリーンへ目を向ける。一方でゼノは何か悪い予感がし、冷や汗を流した。

 

ゼノの悪寒は当たっていた。

 

『ソーナ・シトリー様の騎士、僧侶 全てリタイアです。なお、リアス・グレモリー様の戦車は会場の過剰破壊のため、失格となります』

 

「………」

「………」

 

さぁてどうなります事やら。

 

ーーーーーー

 

試合の会場では、とんでもない光景が広がっていた。

 

「……」

「……」

とても狭い通路のショッピングモールが、廃墟と化し、下と上の階層が丸見え状態となっており、上の階にいるソーナの眷属達は腰を抜かしていた。

そしてその通路のまだ新品さを残している本陣に繋がる道にて、禁手化をし 赤龍帝の鎧を纏ったイッセーと、キングであるリアスは 目を点にして 唖然としていた。

その原因は…

 

「ふぅ〜…」

猫又の姿となり、身体に微量な稲妻を纏いながら一息ついている小猫だった。何故こうなったのかというと……ギャスパーとアーシアが敵の僧侶によってリタイアさせられたと同時に イッセーと行動している途中に多数の駒に見つかった為、小猫がイッセーを逃がそうと殿を名乗り出て猫又の姿になったのだ。

 

「さぁ!早く!」

そう言い小猫は手に鬼火を生成する。

イッセーはすぐに戻ってくるといい、背中を預け走ろうとした。だが、次の瞬間 、後方が大爆発し、見れば今の現状が広がっていたのだ。

途中、音で駆けつけたリアスも何が何だか理解できなかった。

 

「ん?」

すると、まだイッセーがいる事に気付いた小猫はすぐさま戻るように促した。

 

「イッセー先輩!早く本陣へ…!いつ他の相手が来るか分かりません!早く!」

すると

『リアス・グレモリー様の戦車、会場の過剰破壊により、失格となります』

 

「……ん?」

呆気に取られる小猫、放送が流れると共に魔法陣が現れ、小猫は真顔で吸い込まれていった。

 

小猫 退場

ーーーーーー

 

「………」

ゼノも頭に手を当て呆れていた。隣のイリナは何が何だか分からず混乱していた。

 

「え…?なに!?何が起こったの!?」

「馬鹿がバカしでかした…」

 

ーーーーーー

 

一方でリアス達は気を取り直すと 作戦を変更し、残りの皆とイッセーと共にソーナと椿のいる場所へと走った。

 

「まさか朱乃まで同じ 事しでかしたりはしないわよね……」

「部長それフラグですよ!?」

走りながら呟くリアスの言葉は後に………

 

 

 

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