STATELESS SLAVE's STORY   作:UNKNOWN WRITER

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ひらがな多めです。


序章~The age of six~
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 めのまえを、たくさんのひとがとおりすぎていく。あのひとたちのかうものは、わたしたちどれい。わたしたちとおなじようにいちばにならべられ、にげないようにくさりでつながれている。でも、もうだれもにげようとおもっていない。

 ひとりのおじさんが、わたしたちにめをつけた。

 

「おうおう、女だらけじゃねえかよ。ま、痩せぎすばっかだし一回遊んだら終わりか。おいおかみさん、コイツらまとめていくらだ?」

 

「一人20スコル。まとめて買うなら3割引きさね」

 

 ひとり、にじゅうすこる。ちょこれーとがいちまい、かえるぐらいのねだんらしい。それがわたしたちのねだん。わたしたちの、そんざいのかち。

 

「じゃあこいつで全部売ってくれ」

 

おおきなおじさんが、なにかをてーぶるにおいた。

 

「まいどあり。……ほら、お前たち!とっとと動きな!!」

 

おばさんにどなられ、わたしたちはおじさんのほうにあるいた。

 おじさんのほうをみた。このひとは、わたしのあたらしい「パパ」になってくれるかな?

 おじさんがふりむいて、わたしのほうをみた。そのかおが、こわくなった。

 

「テメェ、俺様にガンとばしてんのか?」

 

いつも、こういわれる。そして、このあとどうなるかもだいたいわかっている。

 くびをよこにふるまえに、おじさんのこぶしがわたしのかおにあたった。

 

「う゛ぁっ」

 

「なめた真似してんじゃねえ、このクソガキ!」

 

つぎはおなかにこぶしがとんだ。おなかのそこからにがいのがでてきて、それをはいてしまった。

 

「ちょっと、なにすんのさ!大事な売り物なんだ!!」

 

「黙ってろ!!よくも奴隷の分際で」

 

おじさんがてをふりあげる。いつものようにまたなぐられるとおもって、めをとじた。

そのとき、べつのだれかのこえがきこえた。

 

「マックさん、その辺にしてやってください」

 

「んだと、若造が!俺様に指図できる立場か、テメェは!!」

 

そっとめをあけると、おじさんのとなりに、べつのおとこのひとがたっていた。おじさんよりはわかかったけど、ふんいきはおじさんににていた。

 

「雇われの分際で、俺様のジャマをすんじゃねぇ!!クソッタレが!」

 

「違いますよ。俺はこいつを買いたいんです。なかなかのべっぴんですぜ、このガキ」

 

「だったらこいつの死体でも買ってろ!!」

 

どなったおじさんは、またわたしをなぐった。

 

 

 わたしは、うれのこった。わたしは、またひとりぼっちになった。

 いつもこうだった。ここへきてからなんにちもたったけど、わたしだけが、いつまでもここにいる。

 わたしのママは、わたしがうまれたときにしんだとパパから聞いた。そのパパは、ひこうきのばくだんからわたしをかばってしんだ。わたしだけがのこった。

 もうパパはいない。ひとりぼっちはいやだ。だから、あたらしいパパがほしい。

 でも、だれもパパになってくれない。

 こんどはおばさんがわたしをなぐった。

 

「こぉんのバカタレ!!毎回客をにらみつけやがって……。次やったら、スクラップ行きだから覚悟しな!!」

 

 わたしたちがしんだら、からだはおおきなすくらっぷにほおりこまれて、ばらばらのぐちゃぐちゃになる。

 わたしは、しぬの?

 しぬのは、いやだ。

 わたしは、いきたい。

 

 

 つぎのひも、わたしとみんなはおみせのまえにならんだ。なぐられたところがあおくなっていて、そのせいか、だれもわたしをかおうとしなかった。

 みんながなんにんかうれたところで、きゅうにあめがふってきた。さむくなってきて、なんにんかがくしゃみをした。みんな、おばさんになぐられた。

 わたしもくしゃみがでそうだったけど、なぐられたくなくてがまんしていた。でも、とうとうくしゃみがでてしまった。くしゃみがでたあと、めのまえにだれかがたっていることにきがついた。

 

「俺の脚に、唾吐きかけやがって……」

 

 そのひとは、おとこのひとだった。おもわず、わたしはそのひとのかおをみつめてしまった。

 おとこのひとは、さいしょこわいかおをしていた。また、どなられて、なぐられるんだとおもった。

(…………あれ?)

 けれど、わたしのかおをみたあと、そのおとこのひとのかおは、おこっていなかった。

 そのひとは、おばさんにきいた。

 

「おいおかみさん、こいついくらだ?」

 

「ああ?なんだいあんた。そいつを買おうってのかい?」

 

「ああ」

 

 このひとが、わたしのパパになってくれるの?わたしはそのひとのかおをみつめた。

 

「そいつ、ガンとばしてこなかったかい?」

 

「……確かに、とばして来たな」

 

「じゃあ駄目だ。そんな出来損ない、売れるわけないだろ」

 

 そういって、おばさんはわたしにむかってにらんできた。

きのうのおばさんのことばをおもいだした。

 

『次やったら、スクラップ行きだから覚悟しな……』

 

 わたし、しんじゃうの?

 いやだ。

 しにたくない。

 

「いや」

 

 そうしたら、おとこのひとがいった。

 

「ガンとばしてきたから、買うんだよ。気に入った」

 

「へえ……あんた、物好きだね」

 

「従順すぎる人形より、生意気なガキの方が好みなんでな」

 

「まあいい。20スコル、頂くよ」

 

 おとこのひとが、おばさんにおかねをわたす。そしてわたしをつないでいたくさりをとった。

わたしは、いま、このひとにかわれたんだ。このひとが、わたしのあたらしい「パパ」になるみたい。

 

「いくぞ」

 

そのひとにいわれるまま、わたしはあるきだした。

 

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