「さあ、宿屋は、もう少しよ」
「ああ、急ごう」
そう言って俺達は小走りで宿屋に向かう。
「そういえば、この剣の名はなんというんだ?」
「その剣は「漆黒剣 暗眠」というわ。私の相棒剣の一つだけど、貴方に預けるわ。転生者君。」
この少女の話によるとこの剣は漆黒剣 暗眠というらしい。いい名前だ。
「さあ、そろそろ宿屋よ。」
少女がそういうと森の拓けたとこに宿屋らしき物が見えてくる。
「もう歩いても大丈夫か?」
俺は少し疲れたので歩く事を提案はする。
「…まさか、もう疲れたの?転生者のくせに使えないなぁ…」
少女は俺を馬鹿にする。
「…なんで転生の女神は俺を選んだんだろうな。」
ヤケクソ気味にそういう。
「知らないわよ。さあ、宿屋についたわ。」
そういった少女は宿屋の扉を開ける。
そこには、少し古臭い良い感じの空間が広がっていた。
「宗次郎おじさーん!新しい転生者よ!」
少女がそう叫ぶと、カウンターの奥から強面のおじさんが出てくる。
「…如月。…新たな転生者が現れたのか。」
強面のおじさんは小さい声でそういった。
「ええ。あの場所に倒れていたわ。」
「そうか…」
あの場所。まさか、少女はあの場所に転生者が来ることを知っていた?
「あの、貴方はあの場所に俺が来ることを…」
「…転生者諸君。そなたの名は…覚えていないか…。私の名は宗次郎という。」
強面のおじさんはそう言う。
「宗次郎さん。宜しくお願いします。」
俺は丁寧にお辞儀する。
「フム…ここに少しの間、滞在させる代わりに私と決闘してくれたまえ。そなたの実力が果たして転生者に相応しい強さか見極めさせて欲しい。」
宗次郎さんはそういう。すると少女は不満そうな顔をするが、明治郎さんは気にしない。
「ええ、宗次郎さん。決闘、お願いします。」
「ああ、もう、何勝手に進めてるのよ!私が審判をやるから!」
少女は怒った様子でそういう。
「…如月、庭へ行くぞ。」
「はーい」
今思うと、少女はどこか宗次郎さんの前だと明るく振舞っているように感じる。そう思いながら俺は庭へ出る。
「宜しく頼む。」
「いえ、こちらこそ宜しくお願いします。」
互いに挨拶を交わし、真剣な眼差しで互いを見つめる。
「決闘方法は寸留め方式、先に降参するか、本来ならば致命傷だと私が判断した場合、武器の破損等を敗北と見なします。」
少女は敗北条件を語る。
「「では、決闘始め!」」
俺はゲームの経験通り、まず始めに頭でシュミレーションをする。明治郎さんは、多分俺の方向に向かってくるから、それを弾く、そしてその隙を狙って一発KOだ。
宗次郎さんは予想通り俺の方向に走り始める。俺も宗次郎さんの方向に向かって少し駆ける。宗次郎さんは俺の目を見ながら、剣を振る。それを俺は漆黒剣で防ぐ。
しかし、防ぐ事はできなかった。
剣は突然軌道を変え、俺の予想した位置を大幅にズレた位置から俺を襲う。
「勝者、宗次郎おじさん!」
俺は敗北した。
主人公、早速敗北しますw
次回も見てくださいねー