悠斗SIDE
「さて、これで3学期は終了です。4月になればあなたたちは、また一歩大人の階段を………」
こんにちは、俺は『櫻井 悠斗』転生者だ。
今俺は、いや、俺たちはの終業式の真っ最中だ。
暇だなぁ。
横を見ると、俺の親友である『上条 当麻』も同じような顔をしている。
なんで、校長先生の話は、面白くないのに長いんだろうね。
この時間をもっと別の事に使ったほうがいいと思うけどな。
「………では、新学期にあなたたちの顔を見るのを楽しみにしています」
あ、やっと終わった。
「なあ、悠斗。これ終わったらどっか行かないか?」
当麻がこっそりと俺に耳打ちしてくる。
ああ、そうだな、まだお昼前だし、行けるんだったら行きたいけど………
「忘れたのか当麻。俺たちはこの後補修だぞ」
「あ、そうだったな………はぁ、不幸だ」
「いや、これは勉強をサボってた、俺たちのせいだから」
ちょうどそう言ったとき、先生の号令がかかり、俺たちは教室へと移動し始めた。
終業式が終わって2時間後、現在時刻午後3時27分。
俺たちはやっと補修という魂の牢獄から、解放された。
少し時間が経ってしまったが、俺たちはさっき言った通り、どこか遊べるところに行くつもりだ。
「っていうかさあ、なんで悠斗ってさ算数とかはできるのに歴史とかダメなんだ?」
「なんでだろうな、多分興味がないからじゃないか?」
そうだよ。
歴史と、魔法学と、超能力学さえできれば、俺は補修なんて受けなくてもいいんだよ。
これらができない理由は至極単純で、前世にこの教科がなかったからだ。
魔法学と、超能力学なんてもちろんなかったし、歴史もこのミットチルダの歴史だからだ。
ちゃんと勉強する時間が取れれば、それなりの点数は取れるんだろうけど、あいにく俺は傭兵の仕事もやってお金を稼がなければならない。
結果、前世でやらなかったこの教科の点数が下がるという事だ。
「ま、それはこれから頑張るとして、勉強の話はやめようぜ」
「そうだな。それで、どこに行く?」
俺たちはとりあえず、近くにある大型ショッピングセンターに行くことにした。
そこにいつも通りの『不幸』が待っているとは知らずに。
3人称SIDE
さて、ここは悠斗たちが入ろうとしている大型ショッピングセンターの店内。
今この中では私服姿の管理局員と、
なぜかというと、最近巷を騒がせている連続爆破事件の予告がこの大型ショッピングセンターにあったからだ。
この事件が起こったのは3週間ほど前で、最初は爆竹ほどのレベルだった。
しかし、回を重ねる毎にその規模は増していき、前回と前々回ではとうとう死傷者がでた。
しかも今度は人が多く集まる場所への予告だ。
確実に多くの死傷者が出る。
なので、管理局と
しかしここで問題なのは、犯人の姿が分からないという事だ。
なのでこれは、とりあえず被害を最小限にするための措置というわけだ。
と、ここで、一人の男性管理局員が一人の挙動不審な男を見つけた。
手にはあからさまに怪しいスーツケース。
「ちょっとあなた、こちらは管理局の者ですが、すこし、そのスーツケースの中身を見せてもらってもよろしいですか?」
男性管理局員は管理局員証を見せながら近づく。
「い、いや、これは商売道具なんだ。怪しいもんじゃないさ………」
眼をそらし、口ごもりながら男は答える。
怪しい。
もしかすると、この事件の犯人かもしれない。
そう思った男性管理局員はさらに言及する。
「大丈夫です、すぐすみますから。それともその中身は
「………」
男は何もしゃべらない。
しかし次の瞬間。
「くそっ!!!」
突然、男性管理局員を突き飛ばして走り出した。
「グッ!!! D班○○○○より通達! 3階子供服売り場にて不審な男を発見、現在その男は、通路をエスカレーター方向に逃走中。至急応援を!!」
素早く無線を使ってそのことを報告した男性管理局員は、立ち上がって男を追いかける。
角を曲がった犯人と思われる男を追いかけて、男性管理局員も角を曲がると、男はスーツケースを道に置き去りにしていた。
男性管理局員はそれを無視して男を追いかけようとしたが、ある可能性が頭をよぎった。
つまり爆弾の可能性である。
男性管理局員は、あわてて声を張り上げる。
「皆さん、管理局です!!! そこのスーツケースは爆弾の可能性があります。早く離れてください!!!」
この発言はいけなかった。
本来ならば別の言い方があるのだろうが、焦っていた男性管理局員は、『爆弾』という余計なことを言ってしまった。
すぐさまパニックになる。
人々は少しでもそのスーツケースから離れようとして、押し合い、そのせいで、子供や老人が倒されてしまう。
男性管理局員が振り返ると、スーツケースの5メートルほどのところに子供が倒れている。
慌てて駆け寄ろうとするが、こちらに逃げてくる人のせいで、近づくことができない。
スーツケースが内部から膨張する。
助けるのが間に合わないと男性管理局員は思う。
しかしそこに少年が現れた。
ツンツン頭の少年が。
区切り悪いですがここまでです。
次回もよろしくお願いします。