アイリッシュの口調がいまいち分からないので
そこらへん、甘く見てください!!
№2
ボーイから、ちょくちょく工藤邸に来て、情報交換するという最近恒例になっている気がするが、まあ気にしない。
「それで、昨日ベルモットと直接会ったよ。
やっぱり、今回の件はベルモットも関与している可能性が高い。
麗華さんの言った通り。」
「どういった経緯でボウヤと接触したんだ?」
「それが、人質だったんだよ。
あれから、警察が、連続殺人事件の第一被害者を刺した傷害事件の容疑者『深瀬稔』が犯人として、張り込みをしてたんだ。でも警察のミスで張り込みがバレて、近くに居た女性が人質にされた、それがベルモットだった。なんとか、取り押さえる事に成功したんだけど、その、『深瀬稔』は、肩を怪我してる事が分かった、加えて今回の被害者が殺害された凶器は鈍器。肩を痛めている人が人を鈍器では殴れない。」
「ほう・・・・。よく、人質の女がベルモットだと、分かったな」
「人質の人、『深瀬稔』が持っていたナイフで少し、切られたんだよ。
なのに、血が出ない・・。おかしいと思って、追いかけたらベルモットだった。」
「なるほど、だからアイリッシュに潜入させたのね」
「どういういうことだ?」
「さっき、CIAから連絡が来たのよ。
広域連続殺人事件の被害者の中に一般人を装って組織の工作員が居るらしくて
犯人に持ち去られた所持品の中に、工作員のリストが入ったメモリーカードを取り返すために、アイリッシュが潜入してるってわけ。先に警察に犯人を捕まえる前に」
「流石、情報課分析管理担当だな・・。仕事が早い。」
「ああ、ベルモットが言ってた事と同じ。嘘はつかれてねぇみてぇだ」
「それで、どうしましょうか。ドローンでボーイの小学校と高校の教室に隠しカメラを設置してみたけれど、多分、今夜か明日辺りよ。
あたしの憶測が正しければ、『深瀬稔』逮捕に至る時に、警察に変装したアイリッシュがいたとすれば、ボーイの事が気になり始める頃合いね。腐っても組織の一味。
多分調べるわね、アイリッシュの正体、先にネタバレ公開する?」
「それより、俺の指紋をどうにかしてくれえねえのかよ・・・」
「無理よ、あたしは工作員でもないタダの情報局に居て、ワーカーホリックなだけ」
外で、秀君みたいに銃ぶっぱなしてる事は滅多になかったのよ」
「おいおい、酷い言われ様だな。俺もデスクワークの仕事はあったぞ?」
「それでも、今までの任務は諜報活動でしょ?情報収集はハニトラってところかしら?」
「・・あながち、間違ってはないな」
「赤井さん、せめて間違ってるって言ってくれよ・・・」
「無理ね、正論だもの。」
緊張した空気が溶けて穏やかな空気が流れ始める。
「まあまあ、今夜の事はあたしに任せておきなさい。ただし、犠牲は少しばかり出るかもしけれど。」
ウインク付きで言ったあたしを、期待していると男二人にプレッシャーにかけられる嵌めになった。
深夜、設置していた隠しカメラから動きが見られた。
その正体はやはり、アイリッシュとみて間違いないだろう。
授業で作った、粘土の指紋と高校で取った何かしらのボーイの指紋。
そして、それを組織には内密でボーイの正体を知る。
さて、ここから彼はどう動くのだろうか・・。
と言っても、彼が成り済ました本物の刑事は多分、ボーイの小学校仲間が見つけるはず・・。
そこは、ノータッチでも大丈夫だ、問題は彼をどうやって、死なずに確保するかだ。
この事件の真犯人は、確か『本上 和樹』だ。
彼の妹『本上 ななこ』と彼女の恋人だった『水谷 浩介』
彼の連続殺人事件の動機は、彼女の死に関係する人達だったはずだ。
それを、『水谷 浩介』に全て、なすりつけるため・・。
その後に駆けつけてきたのが・・・・。
駄目だ、糖分足りなくて頭回んない。
そうこうしているうちに、アイリッシュは撤退しようとしていた。
『盗み見とは、いけ好かねえな』
・・・・・・・・やっべ、気付かれた。
カメラ目線で話をしてくれるアイリッシュ。
暗視カメラで、良かった・・・。
これを録画して、分析をしていくと、ある程度体格が判明する。
それを元に、彼が誰に変装していくのに都合が良いか、頭を回転していく。
そして、ある人物にたどり着く。
マイクを口元に持っていき、カメラ越しに挨拶する。
「はあい、アイリッシュ。はじめまして。」
『女?・・・・てめえ、何者だ』
「そうねえ、シェリーの次に執着された女って言えば、分かるかしら?」
これは、組織内でも結構な噂で広まっているだろう。
だって、いつも言ってたものね。
「(お前の最期を見るのは俺1人だけだ)」
今思えば、随分熱烈な殺し文句だわ。
『お前が・・・。ほう、死んだと聞いていたがまさか生きていたとはな』
「お生憎様、悪運だけは強いもんでね」
『この事を、ジンに俺が知らせるかもしれないのに、よくこうして喋れるな』
「あら、それを言ったら貴方の方が先に殺されるわよ、彼他の男の口からあたしの名前出ただけで、随分な殺気を出すもの。それに、あたしは彼の目の前で一度死んでいるし
信憑性が低いわよ」
クスクスと笑いながら挑発すると、アイリッシュは苦虫を潰した様な顔で口を閉ざす。
『随分と、計画的な女じゃねえか。おもしれえ』
「あら、これ位やらないと何処までも追いかけてきそうなほどのストーカーじゃない?
まあ、貴方は喋らないわ、よその指紋の結果がどうであれ。」
『この指紋の奴の事も知っているのか。近いうちにもしかしたら、あんたの顔を拝めるかもしれないな』
「そうね、会うのを楽しみにしてるわ、アイリッシュ」
言い逃げして、カメラをシャットダウンする。それから、USBメモリーに保存してから、痕跡を消す。これで、今夜の仕事は終わった。
物語がこのまま進めば、明日の夜ぐらいには決着がつく。
最終舞台は、東都タワーで間違いない。
「貴方の思い通りにはさせないわよ、ジン」
小さく呟いた、あたしの独り言は、暗闇に溶け込んでいった。