新「艦娘グラフティ」(第12部)   作:しろっこ

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司令 副大臣は相変わらずだな。

クマ お土産くれるクマ?

タマ お土産は忘れないニャ。

大淀 副大臣もいろいろあったようですね



第12話<保護と救出>

「美保に建造施設を置かないのは、そういう理由か」

 

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新「艦娘」グラフティ(第12部)

:第12話<保護と救出>

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 副大臣と美保司令は本館の執務室へ向かう。廊下で彼らは大井とすれ違った。

 

彼女は言った。

「新しい子と日向が……戻ってくるのね?」

 

「ああ」

司令は立ち止まる。

 

彼女は窓の外に視線をやって呟くように言った。

「そうね……ここは弓ヶ浜ですから」

 

 そのまま彼女は立ち去った。司令には彼女の言葉の意味が分からなかった。

思わず副大臣を振り返るが彼は肩をすくめるばかりだった。

 

 執務室へ戻ると秘書艦が書類を整理していた。副大臣は彼女を見るなり「あっ」と言った。

 

「どうかされましたか?」

秘書艦の言葉に彼はポケットをあちこち探り始める。

 

「艦娘たちへのプレゼントの事を言おうとして思い出した。君へ軍令部からの指示書やら最近のアップデートファイルやらのUSBが、どこかにあったんだ」

 

そんな彼のアバウトさに苦笑する司令と秘書艦だった。

 

「あった、あった」

彼は内ポケットから密封されたケースを取り出す。

 

「ああ」

思わず声を出す司令。

 

「海に落ちたからデータもダメかと思ってましたけど」

 

その言葉に再びニタニタする彼。

「こう見えてもオレだって中央で戦っているんだ。抜け目はないよ……それにこれは海軍省で技術の連中から直接貰ったんだ。あいつらもデータ保護には気を遣うさ。なにしろ舶来品だからな」

 

そう言いつつ彼は英文と白頭鷲の刻印されたケースのふたを開けてUSBメモリーを確認する。

 

「OKだな」

それからケースごと秘書艦に渡した。

 

祥高も確認をしてから、ふたを閉めた。

「確かに受け取りました」

 

彼は続ける。

「今回は出掛けにバタバタしてね……祥高なら聞いていると思うが日向の件だ。お陰でお土産を買う暇もなかった」

 

 彼は一呼吸置くと、ため息をつきながら再びソファに座る。秘書艦の祥高は内線を取って霞を呼び出し指示を与えていた。

 

司令は言った。

「日向か……順を追って説明してもらえると助かります」

 

「ああ」

副大臣は頭の後ろに手をやって話し始める。

 

「実は武蔵の着任も急だったんだが、それには前振りがあってな」

「前振り?」

司令が聞くと副大臣は少し身を乗り出した。

 

「ここは小さな鎮守府だから良くあると思うが戦場で救出された艦娘は、他所の鎮守府へ転出することが多いだろう?」

頷く祥高。

 

司令が口を開く。

「美保の艦娘枠は最大百人ですけど実用的には90人ちょっとが適正ですね。建造施設がないので解体も出来ませんから自動的に転出になります」

 

それを聞いた副大臣は腕を組む。

「なるほど……美保に建造施設を置かないのは、そういう理由か」

「……」

 

黙った司令に副大臣は言った。

「いや、良い。それがお前の優しさだからな」

 

言いながら彼はふっと窓の外を見詰めた。

「それがなければ、あいつらだって……」

 

 執務室内に沈黙が流れた。

微妙な雰囲気になる直前に「おほん」と軽く咳払いをしてから彼は続ける。

 

「普通、従順な艦娘が自分から配置転換を言い出すことは滅多に無い。以前、秋雲の脱走事件で日向が代わりに横須賀へ行った事例くらいだな」

 

その言葉に司令は元帥を思い出した。元はといえば彼が発端だが。

 

 そこで副大臣は声を潜める。

「そういえば日向の転出の入れ知恵したのも武蔵だったな……実は、その武蔵型の艦娘が先月横須賀で偶然にも『救出』されたんだよ」

「えっ、救出?」

 

司令の言葉に彼は応える。

「今は量産化が進んでいるからな。太平洋側では重巡くらいまでは、けっこう沈んだらしい子も敵との交戦結果によって『保護』されることがある」

「……なるほど」

 

「だが戦艦や空母……特に正規空母クラスになると量産化もまだ不十分だ。もちろん新造は不可能ではないが意外と『資源(コスト)』が掛かる。おまけに狙って出せるわけではない……我々にはそこまでの技術力が無いからな」

 

司令は苦笑する。

「はあ、その辺りはピンと来ませんね」

 

副大臣は司令を見て言った。

「ここは建造もしないからな。そっか、山陰の海では海戦も少ないから保護される子も限られるよな」

 

すると祥高も応える。

「そうですね。軽空母くらいまでなら比較的よく保護されますけど」

 

その時ドアがノックされて霞が「失礼します」と言って入ってきた。

手には、お茶を持っていた。

 

 お茶を入れる彼女に祥高は言った。

「霞ちゃん、副大臣がデータファイルを持ってきてくれたから後でアップデートをお願いします」

 

「はい……指令室の端末からで宜しいですか?」

「そうして下さい」

「了解です」

彼女が敬礼をして退室しようとしたとき副大臣が手を上げる。

 

「おっと待って、霞ちゃん!」

「はい?」

少し面倒臭そうな表情をした彼女に副大臣はニタニタして言う。

 

「あはは、君の反応も変わらないなあ……お土産は別便で送ったから、それらしい荷物が着いたら代理で受け取っておいてくれ」

 

「……はい」

ホンの少しだけ照れ隠しのような笑顔を浮かべて霞は退出した。

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府」の略称です。
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