日向と清霜か
クマ
お土産くれるクマ?
タマ
艦娘は、くれないニャ。
大淀
ウフフ、艦娘が最高の贈り物よ
「暗躍するのが好きな人ね」
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新「艦娘」グラフティ(第12部)
:第14話<生真面目な艦娘>
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ニタニタした副大臣は、ちょっとリラックスして言った。
「日向って子は本当に武蔵とは違うよな。見事に正反対な性格だ」
「それは分かりますね」
司令は頷く。
「真面目を絵に描いたようで、しかも表面上はとっつきにくい」
副大臣の言葉に司令と秘書艦も苦笑する。
「いわゆるツンデレって奴かなあ……鈍感なお前は知らないだろうけど、あの艦娘の美保への想いってのは痛々しいくらいだったぞ」
「えぇ?」
やや複雑な表情を見せた司令に副大臣は、さらにニタニタしながら言う。
「なんていうかナ。そういう方面の不器用さも含めてあの日向って子は、案外お前と良く似ているよな……」
「はぁ」
さらに副大臣は調子付いて、お喋りを続ける。
「ちょっとオタクっぽいところも」
「……」
すると痺れを切らしたように祥高が強い口調で言う。
「それで彼女はどういう経緯でこちらへ来るようになったのでしょうか?」
「あ、そうだったな。スマン、スマン話を進めよう。あっはっは」
そんな副大臣を見ながら美保司令は、彼がつくづく軍人を辞めて政治家になって正解だったと思うのだった。
「そもそも、お前たちが始めた養子縁組。あれを言いだしたのも彼女だよな」
「そうですね」
副大臣は記憶を手繰るような顔をする。
「それを聞いた武蔵も、確か元帥を立会人にして手続きをした。今、思えばその時点で武蔵もマークしておくべきだったな」
「マークって何をですか?」
司令の言葉に彼はニタニタ笑う。
「愛の脱走兵予備軍だよ」
「は?」
話が飛躍しすぎて司令はワケが分からない。
「ふざけないで」
祥高が注意すると彼は、ちょっと舌を出した。
それを見た司令は、その反応はまるで青葉のようだなと思った。
そうか、二人はよく似ているのかと妙に納得もした。
「強引で行動力もある武蔵に比べて控えめで大人しい日向。でもあの子は意外と……って奴でな」
そこまで言った彼は祥高が白い目で見ているのに気付いて少し慌てた。
「えっと、分析はこのくらいにして……日向、日向」
彼はお茶を含んでからメモ帳を取り出した。
(メモ帳……)
秘書艦と司令は、お互い心の中で苦笑した。
そこまでの彼の話が記憶だけを頼りにしたものだったのか? ということと、彼も政治家だけあって意外とマメな性格なのかも知れないという事だ。
彼は目的の項目を見つけたらしく、ようやく話し始める。
「まず日向としては海軍省とか軍令部からの移動の指示があるまでは当面、動くつもりは無かったようだ」
「彼女の性格なら、そうでしょうね」
司令も頷く。
「これに波風を立てたのが武蔵でね……」
言いながら副大臣はメモの数ページをめくり始める。
「武蔵がオレに直訴して、元帥令が出て武蔵のすり替えまでは話したな。問題はその後だ」
司令と秘書艦は固唾を飲んだ。
「横須賀の提督は武蔵を手放したくなかったんだよ。だが本人と元帥の意向ではどうしようもない。そこで彼が動いた……っていうか、また俺が廊下で彼に捕まったんだ」
「捕まったって……横須賀の提督に、ということですか?」
彼はニタニタして頷く。
「そういうことだ。オレは横須賀でも人気者だからな」
祥高が呆れたように言う。
「よほど横須賀(鎮守府)に入り浸っているようですね」
ちょっと苦笑した彼は続ける。
「まあね……要するに彼が言うには『法律的にもっと艦娘の移動制限を厳しくして欲しい』ということだった」
「?」
顔を見合わせる司令と秘書艦。
副大臣は続ける。
「簡単に言うと法律的に艦娘の所属変更に伴う移動法には結構穴があってね。まさか武蔵みたいな頭の切れる艦娘が『悪用』するという事までは想定していなかったんだ」
「……」
「そこで横須賀の提督が法整備……特に、移動条項の厳格化を直訴して来たんだ。まあ法整備は議員の仕事だからな。嫌とは言えない」
「そうですね」
そこで副大臣はまたニタリとする。
「ただ先に知った情報は、しかるべき人には伝えるべきだろうと俺は思った」
秘書艦が言う。
「それで日向を焚き付けたんですか?」
彼女の言葉に彼は肩をすくめた。
「その言い方は人聞きが悪いな。それにもしあの子が後から移動禁止令を知ったらどう思う?」
「あぁ……静かに嘆くでしょうね」
これは司令だった。
その言葉にニンマリとする副大臣。
「だろ? 善は急げだよ。しかも横須賀の提督、俺に別の条件を出してきてな」
「条件?」
副大臣はソファーに深く腰をかけた。
「実は武蔵を回収した際に、何隻かの艦娘も併せて救出してたらしくてね。横須賀の艦娘枠が少々オーバーしていて軍令部から横須賀に艦種を特定しない移動命令が出ていたんだ。まあこれはオマケみたいな緩い命令で期限は90日以内に任意の鎮守府に打診した上で二隻の移動するというものだ」
ここで不思議そうな顔をする司令。
「武蔵の回収は伏せられていたんじゃ?」
「そこだよ。あの提督もずる賢いというか武蔵ほか数隻の回収を軍令部に報告せずに居たんだ。結論としては、そのもみ消しも含めて俺に相談してきたんだよ」
「はあ」
これには再び顔を見合わせる司令と秘書艦だった。
「そこで俺は美保の名を出した。山陰の片田舎の鎮守府なら揉み消しには最高だろうってところだ。もちろん提督としては二つ返事でオッケーだ。してやったり、あっはっは」
「本当に貴方は、昔から暗躍するのが好きな人ね」
祥高の言葉に副大臣は嬉しそうに応えた。
「まあね。政治家なんてそんなものだよ。それに君だって……ね」
「……」
苦笑した祥高は否定しなかった。
そのやり取りを聞いていた司令は改めて二人が旧知の仲であることを思い出すのだった。
(きっと祖父である元帥と祥高さんには、いろいろなやり取りがあるのだろう)
そう思う司令だったが、不思議と詮索する気持ちにはならなかった。
むしろ、そこは彼女を信頼する想い……彼女は決して国家を裏切ることはないだろうという確信があったからだ。
その時内線が鳴った。秘書艦が受ける。
「はい……そう、分かったわ」
受話器を置いた彼女は言った。
「日向の部隊が到着したみたいね」
司令は言う。
「そうか……声を掛けてやるかな?」
その言葉に、秘書艦と副大臣も頷くのだった。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府」の略称です。