新「艦娘グラフティ」(第12部)   作:しろっこ

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司令 
まったく厄介だな。

クマ 
スキル移動って便利クマ。

タマ 
ホントにそんな事が出来るニャ?

大淀 
信じられない話ですね。



第18話<ケッコンとリコン>

 

「ホントに、どっちが親なんだろうな」

 

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新「艦娘」グラフティ(第12部)

:第18話<ケッコンとリコン>

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 艦娘も含めた執務室の面々は静かに涙を流す日向を見守っていた。

 

 そもそも負傷しても無い艦娘が涙を流す状況は珍しいことだ。

もちろん今は別の意味でも特異な状況といえる。

 

 つまり艦娘には明確な喜怒哀楽があること。この場に居る面々は多少なりとも、その事は理解していた。

 

 そして日向は目の前の出来事(痛み)に対してではなく、目に見えない思考=精神的な理由で感情的になっているのだ。

 

少し落ち着いた日向は呟くように言った。

「私は、とても幸せだと思う」

 

それは、およそ艦娘らしからぬ発言だった。人間臭いとでも言うのだろうか。

 

 それについて美保司令は差ほどでも無かったが副大臣は驚いた。

(艦娘が『幸せ』を感じるのか?)

 

 だが彼は直ぐに自分の娘……養子となった艦娘『石見(いわみ)』を思い出すのだった。

 

(そうか、彼女のことを思えば有り得る事か)

石見……祥高型三姉妹の末っ子であり、一番感情的な子だが、彼ら夫婦の前では意外なほど素直になり、冗談も言う。

 

(養子になってからの彼女はとても落ち着いたし、良い意味で感情が豊かになったよなあ)

そう思った彼は一人で、しきりに頷いていた。

 

元々副大臣夫妻には子供が無く、石見が養子になったことで彼ら夫婦の関係も以前より良くなった気がした。

 

「そうか、日向もようやく峠は越えたかな」

ちょうどその時、武蔵が意味深なことを言った。

 

「峠?」

美保司令が不思議そうな顔をする。

 

すると武蔵は苦笑した。

「親父の鈍さは天下一品だな」

 

「いや……すまん」

司令は苦笑した。

 

「日向が苦しんでいる事は知っていたが、その……」

 

武蔵は軽く手を上げて言った。

「良いよ親父。そういう鈍さも含めて個性だと思えば何でもない」

 

執務室の司令と日向以外の全員が微笑んだ。

 

「ホントに、どっちが親なんだろうな」

副大臣の言葉に美保司令も返す言葉が無かった。

 

 ただ、そうは言うものの副大臣自身、娘の石見には諭されることが少なくなかった。艦娘とは……特に、この祥高型というのは特異だ。

 

現役を退いても、なお最前線に影響を与え続けるという点。長女である出雲からして優秀だ。(性格に難は有るが)

 

副大臣がそう考えていると武蔵の表情が、鋭くなった。

「スキル移動の問題点は、そこだと私は考えるのだ」

 

全員が彼女に注目する。

「親父……いや美保司令も日向も生真面目だろう。これは裏を返すと特定のことに執着しやすいと言える」

 

 ちょっとボンヤリしていた日向も武蔵を見た。

 

 彼女はメガネの中央を押さえつつ言った。

「誤解しないで欲しいのは、それが悪いのではない。むしろ私のような大雑把な性格の方が軍隊組織では使い難いだろう」

 

一同は苦笑する。場が少し和んだ。

 

ここで武蔵は一呼吸置く。

「だがスキル移動では、その性格が災いするように感じる」

 

一同、固唾を呑んだ。

「日向は何かに固執するというよりは、向上心が強い性格だな。それがスキル移動では反動となって現れるようだ」

 

「つまり」

副大臣が口を開く。

 

「『反動』って言うのが鬱(うつ)みたいな症状が出ることか?」

 

彼を見て武蔵は頷く。

「そうだな。鬱もあるが逆……つまり躁(そう)に出ることもある。早い話が過度に感情的になることだ」

 

 ふと祥高が口を開く。

「まるで艦娘が離婚したときに似ていますね」

 

「そうだな、そういえば似ているな」

武蔵は腕を組んで頷く。

 

「リコン?」

不意に日向が呟く。

 

司令が言う

「そうか、日向は『ケッコン』や『リコン』は、よく分からないよな」

 

彼女は少し考えてから応える。

「いや、噂程度なら……横須賀でも良く聞いたし」

 

そう応える彼女は会話が増えるに連れて少しずつ表情が明るくなってきた。

安堵する司令。

 

それを受けて武蔵が言った。

「そういえば美保では司令夫妻以外のケッコン例は無いな」

 

「あー、そうだな」

直ぐに反応する副大臣。

 

すると、こういう情報に通じてそうな青葉も口を開いた。

「国内の主要鎮守府でケッコンしている提督のほとんどは、一対一が多いんですよ」

 

大きく頷く副大臣。

「そうだな……日本国内での提督の重婚は禁止されてはいないが原則、軍令部の許可制だ。それも敷居になっているようだが。何しろ艦娘とリコンするとするとイロイロと面倒だからな」

 

「そう……なんだ」

そこで反応する日向。やはり知らないのは彼女だけらしい。

 

「リコンすると……どうなるの?」

改めて質問する日向。

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府」の略称です。
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