新「艦娘グラフティ」(第12部)   作:しろっこ

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司令 
青葉とも、いろいろあったな。

クマ 
色々って、青色? 赤色?

タマ 
違うニャ。青葉だから緑色だニャ。

大淀 
うふふ、青葉さんって色彩豊かな印象ね。




第24話<通う心の距離>

 

「一航戦の二人は未だに『さん』付け」

 

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新「艦娘」グラフティ(第12部)

:第24話<通う心の距離>

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「青葉も大変だよな」

「え?」

司令の言葉に彼女は一瞬目を丸くした。

 

「あのぉ司令、大変って? どういうことですか」

瞬時にアレコレ考えを巡らせながら青葉は聞く。

 

司令は顎(アゴ)に手をやって彼女を見た。

「いま、加賀さんがブルネイへ行くかも知れない話が出ているんだが」

 

「はい」

彼女にも、それは分かる。

 

「君も一緒に行きたいか?」

「えっ」

これまた青葉には意外な問いかけだ。

 

「そりゃ正直、行きたいですけど……どのくらいの期間になるか分かりませんし」

 

司令は頷(うなづ)いた。

「君の言うとおりだ。ブルネイの金城提督は信用できるが、その周囲の情勢は極めて不安定だ」

 

「はい……」

ブルネイ周辺海域は、シナや各国の利権が絡んで常に緊迫している。

それは以前、美保のメンバーが遠征した際にも肌で感じたことだ。

 

「でも……青葉も記者ですから危険に飛び込まなければ良い情報は得られません」

そう言いながら自分で『シマッタ』と思った彼女。ちょっと格好つけすぎたか?

 

すると加賀は言った。

「見上げた心がけね」

 

加賀の言葉で、ふっと緊張が緩んだ。ホッとして救われた思いになる青葉だった。

 

「加賀さんの言う通りだな」

司令は軽く頷いている。

 

「そういえば司令は、一航戦の二人は未だに『さん』付けナンですね」

青葉は、ふと呟くように言う。

 

司令も微笑む。

「そうだな、着任した直後……君と埠頭で出会ったときは、まだ『さん』付けだった」

 

思い出すような彼の言葉に青葉も続ける。

「司令が艦娘を呼ぶ敬称は駆逐艦と一部の軽巡級の艦娘を除いて『さん』付けでしたっけ」

「あぁ」

 

もちろん、これだけでも軍隊では珍しい指揮官なのだ。だからこの鎮守府でも『さん』付けを喜ぶ艦娘も少なからず居たりした。

 

 とはいえ青葉にとっては正直どちらでも良かった。

 

記者の仕事をしていると必然的に他の艦娘たちよりも人間社会に出て他の組織機関と交わる機会が増える。

 

その際は軍部の広報班という肩書きになるから割と『さん』付けが多かった。

 

「でも秘書艦は今でも『さん』付けですね」

加賀の鋭い突っ込みに思わず全員笑った。

 

少し落ち着いてから青葉はポツリと言った。

「最近、司令と接する機会が増えて……いつの間にか青葉の呼称は『呼び捨て』になりました」

 

「あ? イヤだったか?」

司令が少し心配そうな表情を見せた。

 

彼女は慌てた。

「いえいえ、青葉としてはむしろ、その方が嬉しいです」

 

「君のように最前線で取材が可能な記者は貴重だ。人間にも出来ない事だ」

司令の言葉に恥ずかしくなる青葉。

 

 司令は口を開いた。

「私としては、国を守るために、率先して最前線に趣くのは当然だと思う。それは一般の艦娘であれ、君や夕張さんのように特殊任務に付く子であれ同じだ」

 

全員、頷(うなづ)いた。

「普段から切磋琢磨し、いざとなれば一人も欠けること無く最高の状態で出撃して防人としての責務を果たす。それがこの鎮守府の使命だ」

 

『……』

誰もが真剣な眼差しだった。

 

彼は続ける。

「私たちは単なる軍人ではなく、この国を象徴する存在だ。だからこの国の平和を脅かす存在に対して抵抗するのは当然だ。愛天、愛人、愛国の精神を以て戦い勝利を積み重なることで、この国が栄え、この鎮守府も発展していくと思う」

 

「意義ありません」

加賀は呟いた。

 

 その反応を見た青葉は、この空母の艦娘は、どれだけ深いものを持っているのだろうか? と興味が湧くのだった。

 

「艦娘との養子縁組を進めるのも、そういった考えが根底にある。無理強いはしないが、一つの家族としての絆を以て最後まで関心を持ち責任を持つつもりだ」

その言葉に青葉も加賀も、何か不思議な感覚に包まれる気がした。

 

 美保鎮守府と、司令夫妻。その背後に連なる人間、或は艦娘姉妹たちの関係。何か、果てしなく広大で深遠な世界を垣間見るような心地だった。

 

「ちょっと脱線したな」

司令は苦笑した。

 

「加賀さんがブルネイへ行く話の続きだが、そこに参加する編成を検討していて、君の名前も上がっている」

その言葉に青葉は、さほど驚かなかった。何となく予想はしていたのだ。

 

「でも……」

彼女は言いかけて口を閉じた。期間も不明だが、政情も不安定だ。

 

「恐怖心はないのですけど……何か引っ掛かるのです」

つい本音が出た。

 

すると秘書艦が微笑んだ。

「無理もないわ」

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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「美保鎮守府」の略称です。
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