新「艦娘グラフティ」(第12部)   作:しろっこ

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司令 
まぁブルネイには再び赴くことになりそうだ。

クマ 
ブルネイ?

タマ 
暖かそうだニャ。

大淀 
あそこの大淀さんは、策略家だとか……。



第25話<火中の栗>

 

「むしろ波風が立つ方が嬉しくない?」

 

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新「艦娘」グラフティ(第12部)

:第25話<火中の栗>

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 かつてブルネイの演習に参加した者たち……つまり、この場に居る加賀を除いた全員が当時、青葉がどうなったかを知っていた。

 

不思議そうな表情をしている加賀に司令は説明した。

「青葉はかつてブルネイ近海で轟沈したことがあってね」

 

「そう」

『ブルネイ』と『轟沈』という単語に対して普段とは少し違った反応を見せる彼女。

 

司令は金城提督も絡めた加賀の複雑な過去を思い出した。

(そうか、この子にとってもブルネイは鬼門みたいなものか)

 

彼の想いを悟ったように彼女は少し微笑んで言った。

「過ぎたことです」

 

だが執務室の空気が重くなった。

 

すると今度は青葉が場の雰囲気を変えるように明るい表情で言った。

「司令、青葉の心配はご無用ですから!」

 

いつもの彼女とは違った不自然さを感じた司令と秘書艦だった。

 

「あ……」

二人の視線を感じた青葉は照れたように頭に手をやった。

 

「いえ、そのぉ青葉が気になるのはですね、私たちがブルネイへ行けば、またイロイロと波風が立ちそうだなーっていう。そんな心配です」

 

すると司令は言った。

「君にしては珍しい発言だな」

 

『え?』

……という表情を見せた青葉。

 

それを見た秘書艦も微笑んだ。

「青葉さん。記者は記事の為には危険にも飛び込むのでしょう?」

 

「えっと……そりゃ、まぁ」

また苦笑する彼女。

 

今度は加賀が続ける。

「むしろ波風が立つ方が嬉しくない?」

 

青葉は恥ずかしそうに頭をかきながら言った。

「えぇ……確かに面目ないです。ちょっと最近、田舎暮らしに慣れてしまって、ダメですね青葉も」

 

その言葉に微笑む一同。彼女は続ける。

「やっぱりここは心機一転、火中の栗を拾うくらいの気概が必要ですね」

 

すると加賀が淡々と呟いた。

「火中の栗……そうね。それも必要ね」

 

そんな二人の姿を見ながら司令は感じた想いを口に出した。

「青葉は記者だから経験豊富だが加賀さんも達観してるよな」

 

加賀は驚いたように目を丸くした。

「いえ」

 

相変わらずの硬い表情ながら彼女は恥ずかしそうな表情を見せた。

 

すかさず青葉が言う。

「加賀さんって同じ一航戦の赤城さんとは、また違った雰囲気ですよね」

 

「……」

すると加賀は司令のときとは、また違った顔をした。

 

 それは意識しないと分からないくらいに小さな変化だ。それに彼女は決して怒っているわけではない。

ただ口数が少ない分、不機嫌そうに見られるのは仕方が無いのかも知れない。

 

 司令は軽く腕を組んだ。

(加賀は、あまり自分自身が注目されるのを良しとしていない感じか?)

 

もちろん青葉には加賀に探りを入れるとか深い意図は無かっただろう。

 

それを知ってか知らずか青葉は続ける。

「もちろん赤城さんも経験は豊富ですよね」

 

『赤城』という名前を聞いた加賀は、また少し表情が緩んだ。

「そうね」

 

「光と影か」

思わず口に出た司令。その的を射たような表現に執務室はまた和やかになった。

 

 その発言の直後、司令は加賀が気分を害するのではないかと危惧したのだが、それは杞憂だった。

彼女は、そう表現されても気にしないようだ。

 

「影ね」

加賀は反復していた。

 

青葉も頷いている。

「そうですよ。赤城さんは親しみやすい反面、少しネジが」

 

危うく失言しかけた彼女は慌てた。

「……いえ、ちょっと大らかな所がありますよね」

 

それを聞いて苦笑した司令も言う。

「そうだな。加賀さんと赤城さんは、まるで正反対だからな」

 

秘書艦も頷く。

「そんな二人が同じ一航戦として仲良くやっているのは良いですね」

 

祥高の言葉に再び加賀は恥ずかしそうな表情をして真っ赤になった。

 

 司令は総括に入った。

「では基本的に加賀さんと青葉は遠征参加で良いな?」

 

『はい』

思わず二人揃って声を合わせた。

 

「私からは以上だが」

『はっ』

二人の艦娘は立ち上がって敬礼した。

 

司令に続いて秘書艦が補足する。

「二人とも直ぐに遠征に出るわけではありませんから詳細は追って通達します」

 

「えっと、よろしいでしょうか?」

青葉が軽く手を上げる。

 

「どうぞ」

書類を閉じながら祥高が促す。

 

「青葉と加賀さん以外には誰が参加する予定でしょうか?」

「ああ……」

 

司令は青葉を見た。

「敢えて今回は、川内と夕立も候補に上げている」

 

「え?」

さすがに青葉は驚いた。

 

すると秘書艦も微笑んで言った。

「武蔵さんと島風も同行する予定です」

 

「……」

青葉は絶句していた。まさに波風が起きそうな……。

 

すると加賀が口を開いた。

「司令は如何(どう)なさる御積りですか?」

 

「そうだね」

彼は微笑んだ。

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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