新「艦娘グラフティ」(第12部)   作:しろっこ

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いよいよ超弩級戦艦が着任ですよ。

どうして美保に武蔵様が?

まだ……長門も日向も居ないクマ。

でも、やっぱり格好良いニャ。



第3話<願望と対価>(改1.3)

「艦娘は一途だから……」

 

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新「艦娘」グラフティ

:第3話<願望と対価>(改1.3)

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 美保司令と副司令は執務室へ戻ってソファに対面で腰をかけた。

直ぐに鳳翔さんがドアをノックしてコーヒーをもって来た。

 

「ありがとう、早朝から悪いね」

「いえ……」

いつも通り恥ずかしそうな表情を見せる彼女。

 

応接セットの机にコーヒーと茶菓子を置いた鳳翔さんは、お盆を抱えたまま軽く会釈をして退室した。

 

 コーヒーにミルクを注ぎながら副司令の祥高が微笑む。

「やっぱり……武蔵には驚きましたか?」

 

 制帽を脱いだ美保司令は、ため息をついた。

「そりゃね。ここは最大で百人が精一杯だから。そこに武蔵様だろう? いくらあの子が私たちを慕ってくれているとは言え簡単に配置転換なんか普通は出来ないよね」

「そうですね」

 

ここで少し思案をする司令。

「でも、さっきも言ったように島風からは『来るかも知れない』という話は聞いていたから」

 

頷く祥高。

「やっぱり情報の早さも島風らしいわね」

 

司令も苦笑する。

「君は寛代から聞いたんだろう?」

 

そこまで言って彼は気付いた。

「あ、そうか……祥高さん自身は、いろんな情報源(チャンネル)があるんだよね」

「済みません」

 

苦笑して頭を下げる彼女に司令は続ける。

「いや、情報は重要だ。特に美保は、そういう鎮守府だから……」

 

司令もコーヒーを口にする。

「さっきも言ったけど、そもそも長門や日向も居ない小さな鎮守府に大和型が来るってのが異常だよね」

 

「そうですね、私も初めのことです」

祥高もコーヒーを口にして苦笑した。

 

「まぁ着任指令書は追って来るだろうケド……やっぱ何かのミスかな? って思うよね」

 

司令の言葉に祥高は言う。

「後で大淀さんから連合艦隊司令部や軍令部にも確認は入れてみますけど」

「そうだな」

 

 窓からは明るくなっていく空と、大山の稜線が美しい。

 

数秒、それを見ていた司令は気を取り直したようにコーヒーを再び

手に取って言った。

 

「ますます美保は『特異』鎮守府になっていくな」

その言葉に苦笑する祥高だった。

 

 

 朝、司令夫妻が食堂に下りると、ちょっとした騒ぎになっていた。

武蔵様の周りに美保の艦娘たちが群がっている。特に第六駆逐隊の艦娘を中心にワイワイやっていた。

 

以前、美保に数日間、立ち寄ったとはいえ、超弩級戦艦の武蔵様ともなれば誰もが驚く。

そして量産化が進んだとはいえレアな艦娘であり、興味は尽きない。

 

 ただ司令が言った如く海軍の着任体制を知る者なら、この命令に疑問を抱く。

『なぜ美保に武蔵様が着任するのか?』ということだ。

 

鎮守府の規模、既存の艦娘履歴から見てもアンバランスだ。

仮にその武蔵様が量産型だとしても……である。

 

 もっともブルネイへ遠征したメンバーたちは薄々納得していた。

この武蔵様が美保に妙に執着していたこと。彼女のその想いは時を経るごとに強くなって行ったのだ。

 

遠巻きに武蔵様を見ながら吹雪が言う。

「これで美保は戦力増強ですね!」

 

すると意外にも青葉は複雑な表情で応えた。

「いや……それは微妙かも知れません」

 

「へ? それは、どういうことですか?」

 

 青葉は頭をペンで掻いた。

「うーんと、まだ確証が無いから言い難いけど、あの武蔵様は、ひょっとするとですね、あまり戦力にならないかも……ってことです」

 

 するとそこに駆逐艦のように小柄な時雨が来て言う。

「艦娘はさぁ、自分の願いを通そうとすると、それと引き換えに何かの対価を支払わないといけないんだよ」

 

「え? 願望?」

 ちょっと驚いたような吹雪だったが美保の妙に小柄な時雨の姿を見て何かを悟ったようだ。

 

「それじゃ?」

 同じ思いを抱いていた金剛姉妹たちも一様に頷いていた。

 

前髪を気にしながら榛名が言う。

「艦娘は一途だから、いろんなことが起きますね」

 

 続いて二人の比叡が口を開く。

 

まずは比叡改2。(いわゆる1号)

「そうですよ。私も、かなり無理を言ってねじ込んだから」

 

「はい、もう絶叫モノですから」

これは後から来た比叡2号。まだ改だが1号に負けないパワーの持ち主。

 

 総括するように霧島が言う。

「ここは小さいけれど、いろんな艦娘がいますからね」

 

 ただ長姉の金剛は腕を組んで複雑そうな表情だった。

「あの武蔵は、いつか来るかと思ったケド……私、彼女の気持ちは分かるネ」

 

榛名が振り返る。

「そうですか?」

 

「ウン……あの武蔵はサ、赤城1号とか、前に沈んだ赤城2号と、何かが似ているヨ」

その言葉に姉妹たちは、感慨ひとしおな表情になった。

 

 金剛は何かを思い出すように言った。

「きっと、たくさんの悲しみを越えて来たネ。だから……今の私は心から歓迎してあげる」

 

「お姉さま」

榛名は呟くように言う。金剛姉さまもまた美保に来てイロイロ経験して成長しているんだと彼女は思うのだった。だから自分も頑張ろう……と。




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府」の略称です。
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