新「艦娘グラフティ」(第12部)   作:しろっこ

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美保鎮守府の艦娘たちは変人だらけ?

 いや、それは誤解だクマ。

 でも……人数が少ないから目立つのかも。

 どこの艦娘もオカシイのニャ。



第4話<願望と成長>

「私って割とストレートでしょ?」

 

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新「艦娘」グラフティ

:第4話<願望と成長>

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 早朝にも拘らず食堂の片隅では空母の艦娘たちが集っていた。

 

加賀は言う。

「早朝からゴメンなさいね。今朝、武蔵が着任したようだけど、気になる情報があったから、早々に正規空母だけでも意識を合わせて置こうかと思って」

 

 そういう彼女を横で見ながら赤城は感心した。同じ一航戦でありながら、こういった根回しは自分には出来ないなと。

 

「翔鶴さんが情報を手に入れたの。説明して頂戴」

加賀に促されて翔鶴が口を開いた。

 

「実は島風さんが気になることを言っていました」

加賀以外の正規空母たちは固唾を呑んで待ち構える。

 

「常識では考えられないことが……あの武蔵さんは能力がほぼゼロだとか」

『え?』

驚く空母たち。

 

翔鶴は反応の大きさに慌てて否定する。

「ううん、ゼロは言い過ぎで……建造直後の基本的スキルしか無いみたいです」

 

やはり赤城たちは驚く。

「えぇ? でもあの武蔵さんはブルネイで出合った本人ですよね?」

 

加賀は冷静に頷く。

「それは間違いないと思うけど……要するに艦娘の能力を移動させる技術が確立したってことね」

 

突然、飛龍が食いつく。

「ええ? そんなことが可能なんですか?」

 

「そんなことが出来たら……便利だなあ」

これは蒼龍。

 

 加賀は続ける。

「詳しいことは私にも分からない。ただ中央では、かなり艦娘の技術研究が進んでいるようなの。だから……」

 

 何となくこちらに聞き耳を立てている青葉をチラッと見ながら加賀は間を置いた。気付かれていると悟った青葉は思わずメモ帳で顔を隠した。

 

 だが加賀は軽く微笑むと、青葉に構わず続ける。

「今の時代は私たちが願えば、かなりのことが叶うってことね。それは確かだと思うの」

 

 その場に居た空母たちは加賀の言葉に頷く。

 

 青葉は、その場で加賀に質問して、もっと詳しく聞きたかったのだが自分の腕時計を見て、もう上がる時間だと気付いた。

「うーん、残念!」

 

 呟きながらショルダーバックを抱えて食堂から出て行く青葉。

それを見送る空母たち。

 

 加賀は言う。

「金剛が言う通り、あの武蔵もイロイロ潜り抜けて来たのよ」

 

 隣に居た赤城が頷いた。

「だから私たちも武蔵さんを心から歓迎してあげましょう」

 

「そうね」

 軽く頷く加賀に、翔鶴も呟くように言った。

 

「そう。願いは叶う」

正規空母たちは頷いた。それは隠すべき秘密というよりは、新しい時代の覚悟か、或いは責任のようなものを感じさせるのだった。

 

 

 隣のテーブルで聞くとも無しに彼女たちの話を聞いていた大井親子。

 

「そうなの? お母さん」

娘の伊吹が小声で問う。

 

大井は微笑む。

「そうみたいね。でも私たちは、ただ周りの状況に流されるだけではダメ。自分自身が強い意志を持てば艦娘は、どこまでも成長し続けるの」

 

「ふうん……」

 

「あの寛代ちゃんだって」

大井は司令夫妻の脇で黙々と食事を取っている寛代を示した。

 

「司令夫妻の姪でしょ?」

返事をした伊吹に大井は言う。

 

「あの子は特別に強い意志があるようにも見えないけど、その潜在能力は私でも計り知れないの」

 

そこまで言って彼女は娘に微笑む。

「もちろん、あなたにもね」

 

頷いた伊吹は、母親に言う。

「私、思うんだけどサ」

「なぁに?」

 

遠い目をする彼女。

「オスプレイで時々、フィリピンの海兵隊に戻ると普通の人間もたくさんいるんだけど……結構、海兵隊とかもみんな個性的なの。そういう点では、艦娘も人間も変わらないかな? ……って」

 

大井は微笑む。

「そうね。本質的なところは、何も変わらない……ひょっとしたら敵の深海棲艦だって」

 

 自分で言いながら、この発言はかなり際どいかな? と心配した大井だった。

 

しかし娘の伊吹は意外と平然と応えた。

「そうね。海兵隊でも心理学のレクチャー受けたけど結局、敵も私たちもコア(核心)部分は変わらないって。ただ方向性が違うだけみたい」

 

「そうね」

相槌を打ちながら娘のしっかりした意見に大井は母親として少し誇らしく思った。

 

「早苗はさぁ、結構おっとりしていて、お嬢さんタイプだけどさ」

急に伊吹は笑いながら話題を変える。

 

「私って割とストレートでしょ?」

大井は苦笑した。そこは母親譲りだろうか。

 

「でもさ私こんな性格だから日本よりもアメリカ軍のほうが過ごしやすいかも」

それを聞いた大井は苦笑した。

 

何となく武蔵の話をする艦娘たちの雰囲気を察した祥高は美保司令に言う。

「武蔵の件は大丈夫でしょうか?」

 

「そうだな……。でも島風だけじゃない。加賀も大井も察しているな」

頷く秘書艦。

 

司令は続ける。

「正直、私も武蔵のスキルのことは信じられないが……ま、朝の点呼の後で、事情を聞けば分かるだろう」

 

祥高も頷く。

「そうですね」

 

やがて朝の点呼のラッパが鳴り響いた。

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府」の略称です。
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