新「艦娘グラフティ」(第12部)   作:しろっこ

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そして超弩級戦艦が言うことは?

やっぱり迫力だクマ。

何か……深いお考えが?

やっぱり格好良いニャ。



第5話<武蔵様の挨拶>

「私たちは何も心配しなくて良いのだな」

 

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新「艦娘」グラフティ

:第5話<武蔵様の挨拶>

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祥高が司令に聞く。

「点呼は私が確認しますか?」

 

腕を組んで少し考えた司令は答える。

「そうだな」

 

すると、二人の処へ武蔵がやって来た。

「少し早いが……良いかな?」

 

彼女の顔を見た司令は立ち上がった。

「祥高さん、直ぐに大淀さんに言って、今朝の点呼しているメンバーは全員、その場で待機させてくれ。武蔵を紹介したい」

 

「ハッ」

敬礼する祥高。しかし武蔵が目を丸くしている。

 

「いや、急にそれは……」

彼女の目には全員の前に出るのは遠慮したいという雰囲気に満ちていた。

 

少し怪訝(けげん)そうな表情をした司令だったが、改めて彼女に諭すように言った。

「君にも、いろいろ事情はあるだろうが今は私に全てを預けてくれ。何事も、けじめは必要だろう?」

 

「けじめか……そうだな」

割と杓子定規な武蔵は、そう言われると反論は出来なかった。

 

司令は頷いた。

 

 二人のやり取りを見ていて祥高は、やはりこの武蔵は何らかの方法で建造直後のスペックにまでスキルが戻されているに違いないと確信した。

 

そこで彼女も言った。

「武蔵さんの不安も分かります。でも思い出して頂戴。貴女は司令の元へ馳せ参じるために全てを捨てる覚悟を決めたのでしょう?」

 

その言葉に驚いたのは武蔵、そして司令も同様だった。

 

 彼は秘書艦の洞察力の鋭さにはいつも感服する。それはまた美保鎮守府の艦娘たちを束ねる大きな統率力へと繋がっているのだ。

 

武蔵は頷いて言った。

「なるほど、祥高殿が居る限り私たちは何も心配しなくて良いのだな」

 

続いて笑顔を見せた彼女の瞳には、もう迷いがなかった。

 

そして、武蔵は改めて眼鏡の中央を押さえながら言った。

「分かった。参ろう」

 

 哨戒や休暇のメンバーを除いた艦娘たちは本館前の広場に集っている。各班長からの報告を受けている大淀さん。霞がその傍でタブレットを片手に、気付いた点などをデータを入力している。

 

 点呼が終了する頃に、司令と武蔵が並んでやって来た。広場では静かな、ざわめきが広がる。

まずは大淀さんが敬礼をして報告。司令は確認して頷く。

 

 それから司令は何かを伝える。大淀さんは頷くと霞に何か指示を出す。彼女は直ぐに近くのショルダーバックからタイピンマイクを取り出した。それを数秒、調整した上で司令に渡した。

 

彼はそれを胸元に着けると改めて国旗と海軍旗に敬礼をしてから広場の朝礼台へと上がった。武蔵は台の後方に続いて控えた。

 

「皆さん、静粛に」

大淀さんが手を上げると、ざわつく艦娘たちは静かになった。

 

司令は口を開いた。

「一部の者は既に知っているが、ここにいる艦娘が誰か……直ぐに分かるだろう。今日は彼女の着任について皆に告知しておく」

 

艦娘たちは固唾を飲んで見ている。

 

司令は武蔵を振り返る。

「何かひと言、あるか?」

 

すると、それまでうつむき加減だった彼女は顔を上げて壇上へと上がった。司令は壇の後方へ下がる。そのまま司令がマイクを渡そうとすると武蔵は手を振って断る。

 

「地声で十分だということか」

司令は苦笑した。

 

『やはり武蔵様は何か違うのだろうか?』

その様子に広場の艦娘たちは少し緊張した。だが島風などは平然として頭の後ろに手を組んでいる。連装砲ちゃんたちも首を傾げたりお互いにつつきあっている。

 

「私のことは皆、良く知っていると思う……だが過剰な期待はしないで欲しい。今の私は事情があって全てのスキルを外され建造直後の実力しかないのだ」

武蔵はノーマイクで腹の底から響くような声を出す。それは広場の後ろまで良く通った。

 

当然ざわつく艦娘たち。だが島風を筆頭に一航戦、五航戦の空母たちも、驚かなかった。もちろん大井親子も。

 

「情報の差か」

彼女たちの姿を見て司令は呟いた。良し悪しはともかく諜報活動が主たる美保鎮守府として、この温度差は、まるで何かを象徴しているようだった。

 

司令も改めて武蔵の横に立つと言った。

「突然のことで驚く者も多いだろう。だが私たち美保にとっては大切な仲間だ。数値だけのスキルが問題ではない。この武蔵という個性を大切にして、受け入れて欲しい」

 

 意外にも島風と加賀から拍手が始まった。それが徐々に全体に広がっていく。

 

なるほど、この二人が受け入れれば、ほぼ問題はないな。司令は、そう思った。

 

武蔵は壇上で全員に向けて手を上げながら言った。

「よろしく頼むぞ」

 

「しかし武蔵はマイク無しで実によく声が通るよな。さすが超弩級戦艦だ」

司令は感心する。はにかんだ様に頬を少し赤らめてうつむく武蔵。

 

その時だった。演台の手前に寛代が近寄って来た。そして司令にメモを差し出す。

「何だ?」

「また輸送機が来る」

 

「は?」

司令には最初、その意味が分からなかった。だが、ちょうどその時、遠くから輸送機らしきエンジン音が響く。

 

そして寛代を始め一部の艦娘にも、制限された無線が入ったようだ。

 

「副大臣が来るってよ」

島風が笑う。

 

「あいつか……面倒だな」

司令は、また何かが落下傘で降下すると察した。そこで広場の艦娘たちを解散させることにした。

 

「簡単だが武蔵の紹介は以上だ」

「全員、司令に敬礼!」

大淀さんの号令で全体が敬礼をして、そのまま解散となった。

 

暫く壇上で無線に耳を傾けていた武蔵が腕を組んで言った。

「なるほど、副大臣と共に風雲と清霜が来るらしいな」

 

「風雲……新しい艦娘だな?」

「ああ。そういえば清霜は以前、美保にも来た事があるらしいな」

 

司令は思い出した。

「そうだな。あの時も副大臣と一緒に来たな」

 

「え? 清霜が来るの?」

そう聞いてきたのは秋雲だった。

 

「へえ、何だかワクワクするね」

これは巻雲だ。

 

だが司令は、ふと考え込んだ。

「もしかして……清霜もスキルゼロで来るのか?」

 

「……」

武蔵は答えなかった。ただ清霜に関しては、何となく武蔵を慕って、付いて来たのではないか? そんなことを想像した。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府」の略称です。
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