新「艦娘グラフティ」(第12部)   作:しろっこ

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司令 ついに来たか。青葉はどうする?

クマ また今度は誰だクマ。

タマ 新しくもない艦娘……だニャ?

大淀 そう、情熱を秘めたあの子ね(笑顔)



第9話<強かな青葉>

「知って下さるのは司令だけですから」

 

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新「艦娘」グラフティ

:第9話<強(したた)かな青葉>

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 ふと艦娘の気配を感じた司令は横を見た。青葉だ。

 

彼は言った。

「お前も弓ヶ浜へ出て行って取材しなくて良いのか?」

 

「まぁ現場が一番ですけどね」

そう言いつつ彼女は双眼鏡を取り出した。

 

「失礼ながら司令への取材も敢行いたしたく青葉は、ココから降下作戦を俯瞰(ふかん)しながら取材と致します」

 

司令は苦笑した。

「今さら私を取材することがあるのか?」

 

含みのある彼の言葉に青葉も意味ありげに笑う。

「そうですねえ……司令と日向の関係は、もぉ諳(そら)んじられるくらい調べ尽くして覚えてますからねえ。でも問題はその後でして……」

 

 その時、美保鎮守府のオスプレイが飛び立つ。

 

青葉が言う。

「あれは米軍機の支援任務ですね」

 

 鎮守府上空で、ゆっくりとローターを前転した機体は、そのまま美保湾へ向かう。

オスプレイの排気臭の混じった海風が吹き渡り青葉の青い髪がサラサラとなびく。

 

彼女の姿を見詰めながら司令は言う。

「艦娘のスキル移動……いや、リセット技術というべきか。それのことだな?」

 

青葉は頷いた。

「はい……さすがにこれは軍部のトップシークレット事項ですから。青葉としてはノウハウはともかく、そういった事実を知りたいのですが……公には全く情報が出てきませんので」

 

再び双眼鏡を覗きながら司令は言った。

「お前の新聞記事なら軍部で流布しているゴシップレベルで十分じゃないのか?」

 

彼の言葉に青葉は少し肩をすくめた。

 

双眼鏡を覗いている司令を見て、ちょっと諦めたような彼女。仕方なく司令と同じ方向へ双眼鏡を向けると彼と並んで降下作戦を観察し始めた。

 

青葉は言った。

「表面的な記事だけなら、それでも良いんですけど……でも記者でもある青葉としては正確な情報を把握して置きたいんです」

 

 その言葉に司令はふと顔を上げた。

 

青葉は彼の反応を感じて内心ほくそ笑んだ。それでも双眼鏡を覗きながら続けた。

「それが記事の説得力に繋がるんですよ。それこを青葉の命です」

「お前の命か……」

 

 ちょうどその時、美保湾では次々とオスプレイから艦娘たちが降下する姿が遠くに見えた。艦娘たちは美保湾に着水直前に次々と煙幕を張った。

 

 さらに見ると埠頭に手の空いた艦娘たちが何人か並んで降下作戦を見学し始めていた。

 

中でも特に金剛姉妹は目立つのである。

「本格的ですねえ、お姉さま!」

「新しい子が来るネ?」

「急に決まったのでしょうけど、皆さすがですね」

「今後の参考になるかしら……ねえ、誰かビデオを撮ってる?」

 

 最初の降下作戦を終えたオスプレイは、日本海側に向けて大きく旋回をする。続けて弓ヶ浜半島へ反転すると砂浜から垂直に松林上空へ侵入して艦娘たちの上陸を支援する体勢をとっている。

 

 その光景を見ながら司令は思い出したように言った。

「負けたよ青葉」

 

その言葉に青葉も微笑んだ。

 

しかし彼は申し訳無さそうに続ける。

「だが艦娘のスキル移動については、私も何も知らない。むしろ秘書艦の方が何かを知っているかもな」

 

「あぁ、やっぱりぃ」

落胆したような顔をする青葉。

 

「何だよ、それは」

予想出来るのなら、改めて私に聞くなよ……と突っ込みたくなった。

 

彼の表情を察したのか彼女は少し慌てたように弁解する。

「いえ、そのぉ秘書艦のガードが固いのは司令もご存知でしょう?」

 

その言葉に彼は「あ、そうか」と苦笑した。

 

「武蔵さんも同じで、なかなか喋ってくれないんですよ」

彼女は口を尖らせた。

 

司令は子供のような膨れっ面をしている青葉に言った。

「では、この訓練が落ち着いてから、当事者である日向に聞くのはどうだ?」

 

その言葉に彼女は激しく手のひらを左右に振るのだった。

「ダメダメ! あの人って基本的に寡黙でしょ? その上、川内並みの『隠密』の達人ですから……いやぁ厳しいなあ」

 

「あはは、そりゃそうだな」

彼は笑うしかなかった。

 

「でも日向は私の前では結構、喋る子だけどな」

「……」

司令の言葉に青葉が何故か、ムッとしたような顔をした。

 

思わずフォローすべきか悩んだ彼は言った。

「何だ、怒っているのか?」

 

「ううん……」

急に子供口調になった青葉の表情が変わる。

 

「青葉の事情を一番良く知って下さるのは司令だけですから」

「え……」

まったく青葉め……その言葉に弱いなと彼は思った。

 

 だが司令は、そんな青葉の強(したた)かさ……暗にプレッシャーをかけてくる姿に苦笑したが、同時にこれが青葉なんだと改めて思うのだった。

 

「分かったよ青葉。それがお前らしい態度だ。私もお前の為に、いろいろ努力してみるから」

 別に彼には青葉に反撃するとか何も意図もかった。しかし何故か今度は青葉が真っ赤になった。

 

 そして彼女は小さな声で答えるのだった。

「はい……司令」

 

そのとき急に金剛が声を出して指差した。

「オスプレイがこっち来るネ」

 

その白い機体は弓ヶ浜の松林上空から機銃掃射するような体制を取りつつ鎮守府へと向かって来た。

 

 司令は制帽を被り直す。

「さて、最後は広場で副大臣様のへっぴり腰でも見物するか!」

 

「イエース!」

司令の言葉に金剛を始め艦娘たちは広場へ向けて動き出す。

 

霧島が言う。

「副大臣って落下傘で降りたことあるのかしら?」

 

その台詞に榛名が静かな口調で質問する。

「米軍機は、ここに着陸しないのですか?」

 

すると比叡がカットイン。

「そうですよっ、米軍機がここに着陸するだけでも手続きが面倒だから……ですよね? 司令」

 

こいつ何処でそんなこと覚えたんだ? ……と思いつつ彼は応えた。

「まぁ、そういうところだ」

 

今度は平常に戻った青葉が補足する。

「書類上の手続きだけでなくても米軍側も時間の拘束、燃費の悪化……着陸を避けたい理由は、いろいろありますよね」

 

さらにゴソゴソとバックからカメラを準備しながら彼女は続ける。

「でも青葉が想像するに本来は新しい子たちが列車か何かで来るべきところを副大臣がたまたま飛ぶ米軍機を見つけて訓練名目で、ねじ込んだ……ってところデショ?」

 

「Oh!」

感心する金剛。

 

「彼の場合、それは十分に有り得ますね」

霧島もメガネを抑えながら言った。

 

(それはリアルすぎる)

司令は青葉の洞察力には脱帽するばかりだった。

 

すると突然、彼に近寄った彼女はカメラを片手に言う。

「司令、いろいろな努力、期待してますから」

 

「あ……あはは」

変な笑いになった。

 

 米軍のオスプレイは高度を保ちながら広場の上空に差し掛かっていた。

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府」の略称です。
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