今回思いつきでFateシリーズのSSを書きたいなと思いまして初投稿することにしました。
初めてのSSなので表現の間違いや誤字などがあるかもしれませんがそこはコメントなどでご指摘よろしくお願いします。
では、本編をどうぞ〜
──私は闇の中にいた。
自分以外何も存在しないただ静寂な闇の中に。
ここでは私をカタチ作っていたものが壊されていく。
家族や友人、そして幼いころに信じたほんのちっぽけな理想さえも・・・
ここは何処なのか……と考える力はもう自分には残っていない──そう悟った私は深い暗闇の中に堕ちていった・・・・・・
ジリリリリ
「ん……もう朝か……」
朝の光を浴びながら私は目覚まし時計のアラームを止めた。
私は背伸びをした後台所へ向かい朝食の支度を始める。
今日のメニューは鯖の味噌煮とご飯とみそ汁。
至ってシンプルなメニューだ。
ゆっくりな朝食を済ませた後、学校に行く身支度を整える。
私・・・言峰遙が住んでいるのは冬木の郊外にある教会だ。ここから私の通っている高校……穂群原学園まではかなり距離が離れているので徒歩ならば他のクラスメイトよりも三十分早めに出なければならないのだが、そこは学校側の考慮で私だけ自転車での登校を許可してくれている。
「でも、目立つんだよなぁ」
そうぼやきながらいつもの通学路についた。
信号を待っていると横から私を呼ぶ声がした。
「あら遙、奇遇ね」
「おはよ凛」
そう返すと凛はごきげんようと軽く手を振って返してきた。
この娘は遠坂凛。私のクラスメイトでもあり魔術の兄弟子だ。
私の義父……言峰綺礼は私が教会に引き取られる前から凛に魔術の指導をしているらしい。もっとも凛本人は義父のことを嫌っているが……
「もう……そんなふうに猫かぶるのやめたら?普通の凛もキャラ立ってておもしろいと思うよ?私」
「慣れた間柄でも普段からこうやって愛想振りまいた方が私にとっても都合がいいのよ。そんなことより遙、準備……ちゃんとしてる?」
私は何のことかすぐ理解した。
聖杯戦争……
どんな願いも叶うという万能の器である聖杯をかけた儀式。
それがまたこの冬木で行われるのだ。
この聖杯戦争に参加するには聖杯に選ばれた魔術師である……というのが条件で私は一応その条件は満たしている。サーヴァント召喚に必要な触媒も義父さんが用意してくれているらしい。要するに後は私が参加するか辞退するか……だ。
「その準備っていうのが形式上の準備のことだったらイエスだけど、気持ちの準備のことならノー……かな」
「まだ迷ってるのねあなた。まあ参加しないっていう選択肢もあるけど、もし参加するならその時は手加減しないから!」
凛は私の方に指をつきつけて言った。
私は凛からの宣戦布告にうん……と相槌を入れて返した。
学校での七時限目の授業を終えて放課後……
部活には入部してないのでいつもならすぐ帰路につくのだがあいにく今日は日直の仕事で教室掃除の当番に当たっている。
こういうのってみんなでやったほうが絶対速く終わると思うのになんで日直にやらすんだろ……こういうところこの学校足りてないっていうかなんというか……
掃除を一通り終わらしてからもう一人の掃除当番(代理)に声をかけた。
「衛宮くん。黒板消し終わった?」
「ああ。終わったぞ」
衛宮くんはふう〜と一息いれたあとそう答えた。
「ごめんね。衛宮くん。ワカメ……じゃなかった間桐くんの代わりに手伝わせちゃって」
「いいさ、好きでやってることだからな」
ほんとこの人、人が良すぎる。心配になってくるな……
「それにしても随分遅くなっちゃったな」
外を見てみるともう真っ暗だ。時計の針も七時を指している。
「ほんとだね……はやく帰ろっか」
「家まで送るよ。もうこんなに暗いしな」
「いいよそんな……衛宮くんに悪いよ。それに私の家遠いし」
私としてもこれ以上衛宮くんに負担をかけるわけにはいかない。
「いいや。遠いなら尚更一人で帰らせるわけにはいかない。それにここまで付き合ったんだ。最後まで付き合わせてくれ」
衛宮くんは真剣な表情で私の方を見ながら言った。
う……そんな真剣な顔で頼まれたら断れるものも断れないんだけど……
そしてこの後結局衛宮くんの押しに負け、家の近くまで送ってもらった。
私は慣れ親しんだ教会の扉を開いた。
すると扉を開けた先の本堂にやや痩せ気味の男性が立っている。
「ただいま。義父さん」
私に義父さんと呼ばれた男はこちらの方に振り返り挨拶も返さずに言った。
「遙……お前は聖杯戦争に参加する気があるのか?残り空いてる枠は二枠だ。もし参加しないのであれば……」
「分かってる。ちゃんと決めるから」
義父さんの言葉が紡ぎ終える前に私は声を遮った。
「……部屋戻るね。後、夕食の麻婆豆腐は冷蔵庫の中に入れてるから」
そう言い、私は足早に本堂を後にした。
私は自室のドアを開けてベッドに飛び込んだ。
「あ〜またやっちゃったな〜。やっぱり反抗期なのかな?私」
でもあれは義父さんが挨拶も返さずに話しはじめるからだよね?
そんな年頃の女の子のような思いを頭の片隅に置きつつ私はしばらく考えた。聖杯戦争のことや自分の過去のことについて。
「よし……決めた!」
私はベッドから起き上がり下の祭壇に向かった。
「えっと……魔法陣書いて聖遺物をここにおいて……これでよし……と」
時刻は午前一時。私の魔力が最大になる時刻だ。
さあ──始めよう。
「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
詠唱を終え、眼前が光り輝く。
この輝きの中現れるのはこれまで人類が残してきた数多の逸話や伝承から出でる万夫不当の英霊だ。
光が治まり、数秒間の静寂の後、魔法陣の中心に黒いハットを被った黒づくめの男の姿が見えた。
そして、男はこちらの方を見すえ口を開いた。
「俺を呼んだな!マスター!」
いかがだったでしょうか?遙の過去などまだ分からない部分はあると思いますがそれは後々書いていこうと思ってます。