黒歴史   作:蓬莱玉の三難門

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後編です。完全オリジナルストーリーですが、自分のシナリオ作りが未熟なせいでパッとしない終わり方になってしまってます。それでもよければ読んでいただければ幸いです。




後編

「――――と、私の黒歴史(作品)はこのくらいですね。・・・ふふっ、やはり私の作品は素晴らしいものばかりだ!」

彼女は数時間もかけて自分の黒歴史を俺に語った後、いきなり立ち上がり、天に向けて両手を広げながら自画自賛する。しかしそれはナルシストのような自己陶酔ではない。第三者である俺が聴いても、全てが素晴らしいものばかりだったからだ。

「ふふふふ、ありがたき。非常にありがたき作品の数々だった。これで俺も、ようやく覚醒を果たせそうだ――――!!」

俺の背中が光を発する。その光は翼をかたどると消えた。光のあった場所に漆黒の翼が現れる。俺の髪は黒の強い銀髪になり、闇のような深い黒をしたロングコートが新たに着用される。いきなり容姿が変化した俺に彼女は驚き、俺から逃げるように距離を取る。

「安心しろ。最初に言っただろう、『俺は神だ』と。とうの昔、俺は封印を施されてな。動力源である黒歴史を愚民どもに奪われ、さっきみてえな体になっちまったんだ。だが、それも今日で終わりだ。お前の黒歴史、とても良質であり、最高であった。お前の黒歴史からパワーを得たおかげで俺は再び神としての力を取り戻し、野望を果たすことができそうだ。」

俺はそのまま彼女に近づき手を差し出した。

「なあ、お前。確か死神といったな。一緒に世界征服をしないか?科学しか信用しなくなった今の愚民どもに、黒歴史と邪神(かみ)の畏れ多き力をこの俺と一緒に見せつけようじゃないか。」

彼女は混乱しながら俺の手を見つめている。やがて立ち上がるとその手を握った。

「交渉成立、だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が神としての力を取り戻してからすでに100年以上が経過した。この世は俺の黒歴史と混沌の力により飲み込まれ、世界征服ももう手の届く範囲にあるときだった。小屋の物置を整理していた死神が俺の元へやってきた。

「あの・・・これ、あなたのものですか?」

その手にはピンク色の布でできた下着があった。

「・・・女性用の、パンツ?」

間違いない、これはパンツだ。女性用の。しかしおかしい。何がおかしいといわれれば、サイズがおかしい。小さいのだ。手のひらサイズであり、人間が履くものだとは到底思えない。

「――――のミニチュアですかね。私こんなもの身に覚えがないんですけど・・・。」

彼女は困惑顔で言うが、俺にも身に覚えはない。

「いや、俺のではないはずだ。そもそもそんなもの初めてみたし、ここに持ち込んだものなどなければ買ってきた記憶もないのだが・・・。」

2人とも頭を抱える。例えここに来てから100年以上経過していようが、そんな衝撃的なもののことを忘れることはないはずなのだが・・・。

そんなことをしていると、いきなり廊下の扉が勢いよく開けられた。その向こうから一人、武装した人間が入ってくる。

「誰だ。」

俺のその問いかけに対し男は、無視したように話し始める。

「ついに、このときが来た。長く続いた戦いもようやくこれで終わりになる。村のみんなのうらみ、絶対はらす!」

そういうと男は顔を俺のほうへ向け、叫んだ。

「最終決戦だ!!」

どうやらこの状況を終わらせるために俺を倒しに来たみたいだ。そうか、人間ごときがここまでたどり着けるとは思っていなかったが、数々の妨害を突破したようだ。俺がそう感慨にふけていると、その後ろからもう一人やってくる。

「ああ、そうだな。」

そいつは男の横に立つと、また話し始めた。

「ついにこのときが来たぜ。絶対に勝とうな。お前は最高の戦友だよ。今までも――――」

そういって二人目は剣を構える。

「これからもだ!!!」

そうポーズを決め、俺もそろそろ喋ろうかと言うとき、また一人男が入ってきた。

「・・・ああ・・・そうだな。オレたちは最高の戦友だ。お前等がいたから今のオレがいる。お前等がいたから今オレは戦える。さあ!」

更にその男は列に並び、武器を構えながらいった。

「最終決戦だ!!」

そう三人で決めポーズを取り、やっと俺の出番かと言うとき、また一人入ってきた。今度は女のようだ。

「・・・ようやくここまで来たわね。ついにここが最後の地。・・・私達は最高の戦友よ。行きましょう、最終決戦に!」

更にもう一人男が入ってくる。

「待て、俺たちは最高の戦友だろ?最後くらい一緒に戦おうぜ。・・・じゃあ行こう!」

そういうと五人は並び、再度ポーズを取った。

「最終決戦だ!!!!」

やっと人の出入りが終わる。俺はもう誰も入ってこないことを確認すると、5人に向けてポーズを取る。

「ハッハッハッ!よくこの我が拠点へと辿り着いた。数々の罠や敵を突破し・・・っておい!」

俺がかっこよくボスとして語っているのを無視し、5人は和気藹々と喋りだした。

「いやー、ここまで来るのやっぱ大変だったなぁ!お前らどこが一番苦戦した?俺はやっぱハリ地獄の森かな。グロスに襲われたときは死ぬかと思ったぜ!」

「いやいや、やっぱり死の砂漠で骨の集団に囲まれたときじゃね?いきなり武装したガイコツに囲まれたんだから、あれ以上に怖いことはないっしょ。」

「オレの記憶に残ってるのは血の海かな。あのおどろおどろしい鮮血のような赤!まるで牛の血を絞ったような!あれがこいつが世界を混沌で覆うまでは綺麗な青をしていたっていうんだから、取り戻さねえとな!」

「くっそ・・・こいつら無視しやがって!」

もう今喋っている間に殺されても文句は言えないんじゃないかと思い殺そうとした瞬間、廊下から声が聞こえた。

「おーい!」

その声を聞き、5人は振り返る。廊下には、新たに5人の人間がいた。

「オレ達も最高の戦友だろ?」

真ん中の奴が5人に近づいて言った。

「最後までいっしょだぜ!」

それを聴き最初にやってきた男が頷く。

「ああ、仲間は全員そろった。行こう、最終決戦だ。」

そういって10人が剣を構える。その瞬間、割れた窓ガラスから少女が入ってくる。

「はじめまして・・・かな?君を手伝いに来た。最高の戦友になろう。」

そういって少女は10人に合流する。

「ああ、よろしく頼む。」

今度は2回へと続く階段からぞろぞろと5人程降りてくる。

「はじめまして、かな?俺らも一緒だ。ともに奴を倒し、最高の戦友になろうぜ。」

そういうと全員は武器を構えた。やっと増援が収まったことを確認すると、俺はもう一度語りだした。

「・・・ふぅ。ハッハッハッ!よくこの我が拠点へと辿り着いた。数々の罠や敵を突破したこと、褒めてやろう。光栄に思え!だがしかし、ここでお前らの夢は潰えることとなろう。なぜなら、俺がお前らをここで食い止めるからだ!世界征服・・・いや、実況者界征服の野望は誰にも邪魔させたりしない!この漆黒の翼を持つ者(ダークぺいんと)頼れる後輩(死神)そして新たに俺の活動に賛同してくれた超絶イケメン(クロノア)ガーデンビート(トラゾー)の名にかけてなッ!!!!」

俺の横にクロノアとトラゾーが召喚される。4対16、4倍の戦力差があるがその程度、簡単にひっくり返してみせる!この場にいる全員が武器を構える。死神は紺色の独特な布が特徴的な杖(スク水の杖)を、クロノアは戦いに特化した農具(ダイヤのクワ)を、トラゾーはビートルートをかたどった剣(ビートルート現象)を、そして俺は漆黒の邪神にふさわしい力(厨二の力)を。全てが整ったことを確認し、俺は叫ぶ。

「さあ行くぞッ!!!!」

それに呼応するように全員の言葉が重なる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最終決戦だ!!!!!」




自分でもパッとしない終わり方ですがこれ以上綺麗な締め方も見つからなかったので結局こうしました。すいません・・・。マイクラ日常ネタ多いですよね。原作死神暮らしなのに・・・。

最後に、死神さん!こんなセンスもないつくりの小説に対し凄いと褒めてくださり、さらにツイキャスで朗読していただきありがとうございました!死神さんを知れてよかったです!これからも実況活動がんばってください!応援しています!
そして読んでくださった皆様!このような稚拙な文章を読んでくださりありがとうございました!今回は死神さん作の茶番ではないのでセンスがないのがバレバレでしたね。それでもこんな小説で楽しんでいただけたのでしたら幸いです!ありがとうございました!!

※なおこの作品は死神暮らしおよびマインクラフターの日常本編とはなんの関係もありません。ただの二次創作小説です。

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