赤き龍は銀と共に   作:天城八雲

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後半部分を改稿しました。


プロローグ

「死んでくれないかな?」

 

 

「えっ………………………」

 

 

 

 ブゥン。

 

 

 夕麻ちゃんの言葉が、全くというほど頭に入ってないでいると、ゲームの機動音よりも重たい音が公園を鳴り響いた。

 音の発生源である夕麻ちゃんの背中から黒い翼が生えていやがって、右手にはさっきまで無かった、マンガで書かれているような光る槍(・・・)

を持って、こっちに微笑んでる。

 

「楽しかったわ。あなたと過ごしたわずかな日々。初々しい子供のままごとに付き合えた感じだった」

 

 夕麻ちゃんの声は今まで聞いたことのないような、冷たく、大人っぽい妖艶な声をしてやがって、今日のデート中の時のような明るい声とは全然違う。

誰なんだよ。今目の前に立っている女は誰なんだよ。さっきまで一緒にいた夕麻ちゃんは何処に行ったんだ。

 

「さようなら」

 

 その言葉が俺の耳に届く同時に、肉が裂ける音と肉が焦げた匂い、そして赤い血が飛び散る光景を目に映る。

 

「っっっっっっっ!!」

 

 痛ぇ! 痛ぇ痛ぇいてぇイテェイテェイテェイテェイテェ!

 今まで経験したことのない痛さのあまり、声が出ない。

 

「…なん……で……」

 

 何とか絞り出して出した言葉に、興味なさげに此方を見る夕麻ちゃん。

 

「恨むならあなたに神器(セイクリット・ギア)を宿らせた神を恨みなさい。それじゃあね、一誠くん」

 

 訳の分からない事を言い残すと、夕麻ちゃんは何処かへ飛び去っていた。

 

 

 

 

 

 どれぐらい時間が経ったのだろうか。自分の中では何時間も経ったように思うんだが実際にはどれぐらい経ったんだろうか。

俺このまま死んじまうのか。

脳裏を過る死の恐怖が俺を包んでいく。死の恐怖が身体を覆うごとに身体の感覚が消えていっちまう。

 

「父…さん…母さ…ん……ご……めん」

 

目を開くのもきつく目を閉じようとしたら、俺の身体を中心に眩い光が包み込んだ。

 

「死に…た…く…ねぇ。ま…だ、生きて…ぇ…いた…い」

 

その言葉を最後に俺は意識を手放した。

 

 

 

今日その公園の一部で眩い光が輝き、血の跡が残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~とある場所の一室~

 

「メフェスト、こちらの陣営に協力をしてくれる事を決めてくれて、感謝します」

 

メフェストがこちらの協力を受け入れてくれた事に、頭を下げる。

これで、終戦への一歩に近づく。これからの、冥界を支える子供達も無事に過ごせる様になるだろう。

 

「気にしなくていいさ、サーゼクス。旧四大魔王(あいつら)とは仲が悪くてね。情報を流す位問題ない。それに、面白いオモチャ(・・・)も貰った事だしな」

 

そう言ったメフェストは、彼の前に置かれた箱からチェスの駒の1つである兵士の駒(ポーン)を取り出す。

 

悪魔の駒(イーヴィル・ピース)。他の種族を悪魔に転生させるか。実に、面白い物を作ったね。おかげで、かの有名な魔龍聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)タンニーンを眷属に迎える事になったんだ。アジュカ。流石は、冥界の中でも、随一の技術者だよ」

 

感心し、また、興味深げにメフェストはアジュカと悪魔の駒を見つめていた。

メフェストの言葉の通り、悪魔の駒は面白く、また、素晴らしい物になる、画期的な技術だ。おかげで、タンニーン殿のような存在も悪魔となり、メフィストの代わりに戦争に協力」して貰える事になった。今後の冥界に必要不可欠な物になる物を作ったアジュカに対して、友人として誇らしく思うよ。

「そうですね。アジュカが作った悪魔の駒のおかげで、先の大戦や今回の戦いで減った悪魔の数を増やすことが出来るよ」

 

冥界の未来を見据える私にとって、悪魔の駒は何よりの助けである。

 

「悪魔の駒は、俺が考えているレーティングゲームを行うのに必要な物だからな。後、メフェスト、悪魔の駒には、様々な隠し要素がある。楽しんでくれ」

「……レーティングゲームね。話は聞いたが、そっちにはあまり関心がないな。さて、ここで話は終わりに…!」

「この波動、聖遺物(レリック)か!」

 

話を切り上げ様とした瞬間、テーブルの上に聖なる光が光る。私達は3人はすぐさま防御魔方陣を組み上げる。

 

「収まったか……!」

 

光が収まると、テーブルの上には、私やアジュカと同い年位の男が寝転がっていた。胸には大きな穴が空いており、誰が見ても死に際だと分かる。

 

「……酷い怪我をしているな。それに、彼は人間だ。もう助からない」

 

アジュカが宣言すると、それが聞き取れたのか少年は虚ろな目をしながら口が微かに動く。

 

「死に…た…く…ねぇ。ま…だ、生きて…ぇ…いた…い」

 

か細く、弱し弱し声を紡ぐ少年。その少年の声に少年を見ていたメフィストが少年に顔を近づける。

 

「その願い、このメフェスト・フェレスが叶えて上げよう」

 

メフェストの宣言に、私とアジュカがメフェストを向く。

 

「それは、悪魔の駒をですか。よろしいんですか」

 

私も助けてあげたいとは思うが、悪魔の駒の数は全部で15駒しかない。その1つを、よく知らない初めて会った彼に使おうする、メフェストに思わず、質問してしまう。

 

「構わないよ。私の直感が彼に使えと訴えるんだ。それに、使う駒は兵士(ポーン)だ。1つ無駄にしたと思うよ」

 

少年の胸の部分にメフェストの駒を近づけると、少年と触れた部分から沈み込んでいく。しかし、特に変わった様子が見られない。

 

「これは、駒1つの価値ではないだな。メフェスト、駒をもう1つ入れてくれ」

 

アジュカの言葉通り、メフェストは兵士の駒をもう1つ投入する。しかし、それでも反応せず、1つ、また1つ駒を投入していく。

どんどん、兵士の駒が沈み込んでいく光景を、私達は驚きながら、その光景を静観することにした。

そして、メフェストが最後の兵士の駒を投入すると、横になる少年の気配が悪魔の気配に変わった。

 

「……これは、面白い拾い物になったかな」

 

メフェストは、笑み浮かべながら興味深く少年を見ながら呟く。

だが、私は彼がどのような存在なのか警戒しなければならない。兵士の駒を全て使用して、ようやく転生を行える存在。アジュカに視線を向けると、アジュカも同じように考えていたのか、こちらに視線を向けて頷いた。

 

「メフェスト、出来ればこの少年についてアジュカに調べさせたいのですが、よろしいでしょうか」

 

真剣な表情でメフェストに頼み込む。

 

「あぁ、いいよ。頼むよ、アジュカ」

 

メフェストも快く引き受けてくれて、良かった。

 

「任せろ」

 

こうして、秘密会談が、予想外な形で終了する結果となった。




文才がないので、読みにくいかもしれません。文才が欲しい。
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