やはり彼女は駄天使には相応しくない   作:芳香サクト

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 もう…何と言いますかタイトルで今後の展開が見えているような気がしますが…
 と、とりあえず、お楽しみください。




第一一話『大須賀悠人は月野瀬=ヴィネット=エイプリルと初めてのけんかをする』

 アリスと名乗ったこの少女はパソコンから悠人の端末へと移動した。

 

 

「アリスはこうやって、電子機器なら大体のものに移動ができる。しかも、アリスにはいい特徴があってだな…」

 

 

 なんか博士っぽくなった悠人は語りだそうとした。

 

 私は、あ、これ長くなるなと思い悠人を制した。

 

 

「は、悠人、その説明は後でいいからみんなで勉強をしましょうか。」

 

 

 悠人は気分を害されたのか少し不機嫌になった。

 

 

「分かったよ、それじゃ、アリス、みんなの学力に合わせて問題を作ってくれ。」

 

『かしこまりました、マスター、それではガヴリールさんから順番に私に顔を映してください。』

 

 

 アリスはそういうと、勝手にガヴリールのパソコンに移動した。

 

 ガヴリールはびっくりして、椅子から転げ落ちそうになった。

 

 

「わわっ、なんだこいつ、勝手に私のパソコンに入りやがって…」

 

 

 その時、アリスはガヴリールの顔認証を済ませたのか、悠人の端末に移動した。

 

 

『マスター、ガヴリールさんの問題を作成しました。プリントアウトしますので、そこからプリントを取ってください。』

 

 

 悠人はそういうと、近くにあったプリンターに行って、ガヴリールのプリントを回収した。

 

 

「ガヴ、これが、今回のお前の課題だ、学力はお前に合わせているから他人に頼ろうとするな…いいな。答え合わせはアリスがやるから間違いなくやるように…」

 

 

 ガヴリールは悠人に向かって言った。

 

「やらなかったら、どうなんの?」

 

 

 悠人はアリスの方を向いた。アリスははきはきと答えた。

 

 

『はい、もし、無回答、もしくは白紙の場合は、ガヴリールさんのパソコンのネットワークを遮断します。』

 

 

 その瞬間、ガヴリールはアリスに泣きつけるように言った。

 

 

「やります、いえ、やらさせていただきます。だからネットの遮断だけはやめてぇぇぇ。」

 

 鬼に金棒であり、アリスにネットワークである。

 

 私は、すくっと笑うと、アリスに近づき顔認証を済ませた。

 

 

『ヴィーネさんの課題問題をプリントアウトしました。』

 

 

 私は、アリスに言われたのでプリントを取りに行った。

 

 

 アリスは凛とした表情で話した。

 

 

『サターニャさん、ラフィエルさんの課題問題もプリントアウトしました。』

 

 

 サターニャとラフィエルも自分でプリントを取りに行った。

 

 

 悠人はアリスに向かって暖かな笑顔で言った。

 

 

「それじゃ、僕はいつものを…アリス、頼んだよ。」

 

 

『分かりました、マスター』

 

 

 アリスはそういった瞬間にプリントアウトを完了した。

 

 

 私は悠人のプリントが気になって聞いた。

 

 

「悠人、悠人のプリントはどんなのなの?」

 

 

 悠人はプリントを見せてくれた。

 するとそこには、難しい記号や文字がたくさん並んでいた。

 

 

「悠人、これ何の科目の奴?」

 

 

悠人はくすっと笑うと答えた。

 

 

「これは『電子工学(でんしこうがく)』って言って、まあ、簡単に言えば、回路を繋いで物を作る。例えば、アリスみたいなAIを作る、みたいな感じかな?基本的には大学か、それ関係の専門学校に行かないと教えてくれない奴だけどね。」

 

 

 私は唖然とした、そういえば、前にラフィエルに聞いたことがある、悠人は小学生の時に中学生までの全過程を修了させたとか、なんとか…そして、この学校では秀才だったガヴリールはほおっておいて、それでも頭の良いラフィエルを抜くほどの学力の持ち主で常に成績はトップだとか…

 

 

 悠人は一通り語ると、自分の端末でアリスに何かを与えた。

 

 

「ありがとうアリス、これは僕からのお礼だよ。」

 

 アリスはプレゼントをもらう子供のような表情をして、プレゼントを開けた。

 

 

『こ、これは…ダージリンティーと、メイドコスチューム?ですか?』

 

 

 悠人はパソコンでアリスの部屋を立ち上げるとプレゼントのメイドコスチュームをタンスに入れた。

 

 

「また、アリスのコスチュームが増えたなぁ…」

 

 

 悠人はそんなことをつぶやいた。一体いくらのコスチュームがあるんだろうか…私は考えたけど怖くなってすぐにやめた。

 

 

 こうして、私たちの勉強会は始まった。

 

 

 途中、昼食と夕食は悠人が作ってくれたが、とてもおいしかった。

 

 まあ、なぜかガヴリールは泣きながら食っていたけど…

 

 午後九時くらいを回ったときに悠人が立ち上がって言った。

 

 

「そろそろ、お風呂を入れようと思うんだけど…入る順番は4人で勝手に決めておいて」

 

 

 そういって、悠人は浴槽へと向かった。

 

 その間、私たちはというと…

 

 

「とりあえず、サターニャさん、私、ガヴちゃんの順番は確定で、その後ですね…」

 

「ふむ…そうだな。ヴィーネが先か悠人が先か…」

 

「ヴィーネさんはどちらがいいと思います?」

 

「えっ、そういわれてもなぁ…」

 

「はいはい、私、一番最後がいい。」

 

「てめえは、空気を読むことができないのか、このバカ悪魔。」

 

 

 カオスな状態になっていた。

 

 

それから10分後、どうやら風呂だけでなく2階に人数分の布団を敷いてくれた悠人が帰ってきた。

 

 

「それで、順番は決まったの?」

 

 

 私はしどろもどろになりながら答えた。

 

「ああ、悠人、まあ、決まった事には決まったよ。」

 

「ん?どしたの?ヴィーネ?」

 

「な、何でもない。ほ、ほら一番はサターニャでしょ?入りなさいよ。」

 

「分かったわ。」

 

 

 その後も、ラフィエル、ガヴリールの順で何とか風呂には入っていった。

 

 そして私の番になった。その時、後ろから悠人の声が聞こえた。

 

 

「ごゆっくりどうぞ~」

 

 

 私はお言葉に甘えてゆっくりさせてもらうことにした。

 

 

 そして、風呂に入ろうかと足を入れたら思っていた以上に熱くてその反動で足を滑らせてしまった。

 

 

「きゃぁぁぁぁー」

 

 

 その時、浴室のドアが開き悠人が入ってきた。

 

 

「どうした?ヴィーネ?あっ…」

 

「いやぁぁぁぁぁー、見ないでぇぇぇぇー」

 

 

 その瞬間、悠人に私は鉄槌を食らわせてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 悠人は私が風呂から出た後、何度も謝った。

 

 

「ご、ごめんってヴィーネ、そんなに怒らないでくれ。不可抗力なんだから…」

 

 

 私はそっぽを向いて言った。

 

 

「見られた…不可抗力とはいえ…で、でも悠人にも悪いところはあるよ。」

 

 その言葉に悠人はカチンときたのか少し強い口調になった。

 

「悪いところ?」

 

「そう、勝手にのぞくなんて、悠人なんかもう知らない。勝手に風呂でも入ってくれば!!」

 

 

 悠人はそんな私をちらりと見て、背を向けて言った。

 

 

「分かったよ、そこまで言うなら、お望み通り風呂に入ってくる!」

 

 

 悠人は力強く怒った様にして言ったような気がした。

 

 そんな2人を見た残りの3人はというと…

 

 

「うーわ、完全に怒らせちまったな、ありゃ」

 

「そうですね、兄さんはめったなことで怒らないのですが…あれが兄さんの本当の怒りなのでしょうか?」

 

「私、もう寝たいんだけどー」

 

「「勝手に寝て(てください!)ろ!」」

 

「な、何よ、2人そろってそんな風に言わなくてもいいじゃない…」

 

 

 そんな会話を聞いても私の心は晴れなかった。

 

 そんな様子を見たアリスは私の端末に入ってきて言った。

 

 

『ヴィーネさん、マスターのあれは空元気です。なのでマスターは怒ってなどいません。ですから気を落とさないでください。』

 

 

「アリスちゃん…うん、ありがとう。なんか元気が出たよ。」

 

 

 

 一方そのころ、風呂にいる悠人はというと…

 

 

 

「あ~~、やっぱり風呂っていいもんだな~っとヴィーネ、大丈夫かな?確かに不可抗力だけど、僕も少し強く言い過ぎたかな…後でもう一回謝っておこう」

 

 

 悠人はよし、と一つ息をして風呂を出た。

 

 

 

 

 悠人は風呂から出た後、周囲を見渡して私に聞いた。

 

 

「ふぃ~、いい湯だった。あれ?ヴィーネ、みんなは?」

 

 

 私は悠人の方をしっかりとみて言った。

 

 

「ああ、みんなだったら先に寝ちゃったよ。それで…その…」

 

 悠人は共同不振になっている私を見て、言った。

 

 

「ヴィーネ、すまなかった。僕、君の気持ちを分かってあげられなかった。本当にすまない。」

 

 

 90度に曲がった悠人を見て私は首を振って言った。

 

 

「う、ううん、何も悠人が全部悪いわけじゃないのよ。私も…その、強く言い過ぎたわ。ごめんなさい。」

 

 

 私がそう言った瞬間、ドアが開き、ガヴリールたちが入ってきた。

 

 

「さあさあ、仲直りも済んだことだし、今夜はパーッと行くぞパーッと」

 

 

 その言葉に後ろのサターニャとラフィエルも手を挙げて言った。

 

 

「「おおーっ」」

 

「ったく、しょうがない奴らだなぁ。」

 

 悠人は呆然としている私に手を差し出して言った。

 

 

「ほら、いこ?」

 

 

 私はその手をしっかりと受け取った。

 

 

 

「うん!」

 

 

 その日は、深夜まで宴が続いた。




 悠人君、遂にやってしまいましたな、というかそれをさせた作者です。

まずは第一一話まで来て友人に話したところ『やったじゃん、これで少しずつ人気が出るな』と絶賛してくれました。本当にありがとうございます。

 と、ここで余談を…この『やはり彼女は駄天使には相応しくない』は毎日夜の七時に投稿ということでさせて頂きます。理由?そんなのみんなが一番見てくれる時間帯に決まっているじゃないですか!

後、『小林さんちのメイドラゴン』の2次創作をやろうと思ったのですが難しすぎて断念したのは事実です。まあ、これ以上作品数を増やすのもどうかと思うんですけどね。


さて、次回は悠人君の家で行われる『勉強合宿』パート3です。
それでは、次回の『やはり彼女は駄天使には相応しくない』第一二話でお会いしましょう。
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