◆
「ここが…魔界」
私は呟いた、見慣れていたはずの魔界だと思っていたがふたを開けてみればそんなことはなかった。
「さて…それじゃ、まずは状況確認をするべく軽く町でも散策するか…」
悠人はこういう時でもマイペースでのんきにあくびをしながら歩き出した。
そんな悠人を見て、ガヴリールが言った。
「なあ、悠人、天界のものが魔界に来ていいのか?基本的には駄目なんだろ?」
そう、普段なら魔界と天界の
「ああ、基本的には駄目だ、だが、今回はローラン様の命令なのだ。特別に許してもらっていると事前に連絡が入っている。気にする必要はないさ。」
「そうか…ならいいんだが。」
実際に魔界のゲートポリスをガヴとラフィが超えても何も言われなかったのだ。
「後、気になったんだがな…どうしてその格好でいるんだ?ガヴ。」
ガヴリールの格好はロングヘアーにきちんとした格好、どう考えてもいつものジャージ姿の人とは同一人物だと思えない。
「まあ、一応魔界に来ているんだ。それなりの格好はしているさ、」
「あ、口調はそのままなんだな。」
悠人はガヴリールに向かって言った。
「何なら口調も変えてみようか?『私はこの魔界を救いに来たのです…』」
「やめてくれ、吐き気がする。」
悠人は3秒でガヴリールの天界姿を制した。
「だろ?だったらこっちの方がしゃべりやすい。」
「ああ、そうしてくれ…」
私たちは歩きだし、街も近くなったところでラフィエルが悠人に向けて言った。
「そういえば、アリスちゃんは連れてきてないのですね。」
悠人は歩きながらも答えた。
「まあ、アリスを連れてきたところで戦力になるとは考えていない。むしろ家にいてくれた方がありがたい。」
「そうですか…ところで兄さん、少し暇なので着くまで遊びましょうか?」
ラフィエルの提案に一番に乗っかったのはサターニャだった。
「だったら、しりとりとかしない?」
「いいですね、兄さん、それでいいでしょうか?」
「構わない、順番はガヴ、ヴィーネ、サターニャ、ラフィエル、俺の順番な。」
こうして、しりとりが始まった。
「納得は行かないけど…それじゃ、最初はりだから『リディキュラス』はい、ヴィーネ。」
「寝耳に水みたいな状態だけどまあいいか、えっとスだから『スニーカー』はい、サターニャ。」
「えっと…次はカだから『カモメ』ほらラフィエル。」
その瞬間、悠人とラフィエルは意図を組めずかわいそうな人を見るような眼でサターニャを見た。
「サターニャ、
「サターニャさん、私の順番は来ませんよ?」
サターニャはその言葉に何を言っているのか分からないというような表情をしていった。
「は?何でよ。きちんと繋いでいるじゃない!」
悠人は指を振るといった。
「いいや?お前は肝心なミスをしている。そもそもこのしりとりはお前の『だったら、しりとりとかしない?』という言葉からゲームは始まっているんだ。よく思い出してみろ。続きの言葉ラフィエルは『いいですね、兄さん、それでいいでしょうか?』とそして俺は『構わない』といった。あとは分かるな?しりとりをしているのはお前からだったということだ。」
悠人の言った言葉に唖然となったサターニャは泣きだしそうになった。
「うっぐ、えっぐ、ひどぃー」
悠人は「悪かったよ。調子に乗りすぎた。」とサターニャを慰めながら町に向かった。
◆
町についてみるとそこには誰もいなかった。
「おかしい、前に来たときはもっと賑わっていたはずなのに…」
悠人は首をかしげ、考えた。
その時、ガヴリールが指をさした。
「悠人、あれを見て、きっと、あれが原因なんだと思う。」
その指の先には何やら黒い軍団が町の人から金を取り上げているところだった。
「あれは?どういうことだ?行ってみようか…」
私たちは走ってその現場に向かった。
◆ 被害者Side
『おい、ゴラァ。姉ちゃん、意地悪されたくなかったら金を吐き出すんだな。』
『そうだそうだ、金を出せー』
「困ります、そんな勝手に言われても…」
私は困り果てた、このお金を取り上げられてしまったら子供たちに食べさせる資金が無くなってしまう。私は決死の声を上げた。
「誰か助けてくれませんかーー」
しかし、その声に反応する人はいなく、私は半ばあきらめていた。
『女の人一人に男2人で襲い掛かるのはちょっとフェアじゃないなぁー』
その声がかかり私は振り返ってみると14~17歳くらいの男の子がいた。
『ああん?何を言っているんだ?小僧、姉ちゃんの代わりにお前が金を出すっていうのか?』
その少年はポケットに手を入れ、吐き捨てるように言った。
『えー、俺が金出すの?嫌だよ。めんどいし、それに俺は今、金がないから…んでも、何でこんなことをしているのか教えてくれたらこの場は見なかったことにしておくよ。』
その言葉に男たちはキレ、少年に向かって剣を向けた。
『舐めてんじゃねーぞ、小僧、そんなに殺されてーのか!!』
少年はまるで危機感がないような感じが出て、私はどうしようもなかった。
『こらこら、危ないじゃないかそんなものを持ち出したりして全く…いつまでたってもこの世界は常識というものが無いわけだ。』
その言葉に男たちは少年に襲い掛かり少年の姿はたちまち煙の中へと消えていった。
「ああっ…」
私はかける言葉もなかった。少年の無残にやられる姿をこの目で見たくなかった。
『大丈夫?お姉さん。』
その声の方向を振り向くとさっきの少年がいた。
◆ 悠人side
『困ります、そんな勝手に言われても…』
やれやれ、走っては来たが、少しやり過ぎだとは思うんだよなぁ…
みんなもまだ後ろにいるし、ここは僕が何とかするか…
『誰か助けてくれませんかーーー』
さて、勇者の登場でもしますかね。
「女の人一人に男2人で襲い掛かるのはちょっとフェアじゃないなぁー」
うーわ、言っちまったよこのセリフ、僕が勇者だったら言ってみたいセリフ第二位のセリフを…
『ああん?何を言っているんだ?小僧、姉ちゃんの代わりにお前が金を出すっていうのか?』
金を寄越すのは変わらない主義なのね…っても今、俺は金ないしな…どうしたもんか…
まっ、ここは正直に言いますかね。
「えー、俺が金出すの?嫌だよ。めんどいし、それに俺今、金がないから…んでも、何でこんなことをしているのか教えてくれたらこの場は見なかったことにしておくよ。」
さあ、この言葉に向こうはどう反応するかな?
『舐めてんじゃねーぞ、小僧、そんなに殺されてーのか!!』
完全に怒っていますね、さて、ここからどうしようか…
うおっと剣を向けてきやがった。こいつらホントに常識というものが分かっていないな。そんなものを持ち歩いていたら銃刀法違反で捕まるぞ。っとここ人間界じゃ無かったわ…
「こらこら、危ないじゃないかそんなものを持ち出したりして全く…いつまでたってもこの世界は常識というものが無いわけだ。」
さあってそろそろ本気を出してもいいかな?っと向こうは話を聞かずに突っ込んできたよ。こういう奴は本気を出せないまま終わってしまうのが残念だ。
それじゃ、相手の剣を奪ってささっと終わらせますかね。
◆
悠人はそう思うと、最初に突っ込んできたやつを翻し、腰から剣を奪うと、2人目の奴の服をわざと傷つけて油断させ、後はカードを取り出し、転移魔法で牢獄へと送りと遂げた。この間わずか10秒。
「大丈夫?お姉さん。」
よし、これで完全に僕が勇者だ!!
◆
「はーるーとー、待ってよー」
私たちは悠人を追いかけながら現場へと向かった。
「全く、なんであんなスピードが出せるのよ。」
「兄さんは運動神経もいいですからね。っとガヴちゃん、大丈夫でしょうか?」
「ぜーぜーぜー、な、何とか…」
「遅いぞー、お前らー早く来ーい」
現場のあった所で悠人が呼び掛けてくれた。とその時、悠人の後ろにいた被害者の女の人が黒い目をし、悠人に向かってどこから出したのか剣を振り下ろした。
「悠人、後ろーーーーー!!」
「えっ!??」
そして、ドゴンという大きな音が鳴った。
何とか書き上げましたよ、魔界編、第一作目、毎回のごとくタイトルが思いつかないのは内緒で、今回はしりとりをしていたり、初めてのSideを着けたり、悠人君が最強だったりと色々盛り沢山な話になっています。
さて、話は変わって、もう春アニメの時間がやってきましたね。僕自身は『エロマンガ先生』と『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?』の2本がとても楽しみです。というか紗霧ちゃん可愛すぎでしょう。あー、妹に…ゲフンゲフンすみません取り乱しました。
では、次回の『やはり彼女は駄天使には相応しくない』第一五話でお会いしましょう。