「確かにやるからには優勝はしたいけど…でもさっきも言った通り1年生には相当なハンデがあるんだ。それをどうするの?」
ガヴリールには優勝したいという思いがあった。
それはネトゲで培った『
悠人はそんなガヴリールに対して肯定するかのように言った。
「ああ、だが、間違いなくこの戦力じゃ勝てるわけがない。その為にも2人に協力をしてほしい。僕はこれからクラスの男子に当たってみるから2人は女子の方をお願いしたい…そして願わくは、運動神経のいい女子をお願いしたい…」
悠人がそういった時、私とガヴリールはある1人の赤い髪の女子の顔が浮かんだ。
「「あ、そんな奴一人いる。」」
「本当に?」
悠人が驚いた顔で私たちを見つめるものだから私はついおかしくなって笑ってしまった。
「月野瀬さん、何がおかしいのさ?」
私が笑ったことに対して悠人はむきになって聞いた。
「んー、このクラスで戦うってなったからちょっと面白くなっちゃって…」
そんな2人の行動が面白くなかったのか、ガヴリールが間に割って入った。
「それで、大須賀、この戦いの作戦会議は来週でいいかな?」
「ああ、来週にはLHRがある。作戦はその時でいいだろう。」
「分かった、とりあえず、今日は解散だな。それじゃ、行こうかヴィーネ、確かアイスおごってもらう約束だったでしょ。」
ガヴリールは私を引っ張ってそそくさと出て行ってしまった。
「それじゃあ、またね2人とも」
悠人はそんな私たちに向けて挨拶をしてくれた。
◆
その日の夜の事だった。
悠人は日課になっている公園までのランニングを済ませ、公園でメールの着信履歴を見ながら一息ついていた。
「ふぅ…んで、何とか男子全員の協力を得てもらったけど…正直なところこの状態でやっと
気合を入れなおして立ち上った悠人のもとに一本の電話がかかってきた。
宛先は『非通知設定』だった。
「誰だろうか、こんな夜中に電話してくる人なんて…」
そう思い、悠人は電話に出た。
その差出人からの電話に悠人の表情はだんだんと曇っていった。
◆
朝、いつもより早く登校した私は、教室ドアの近くで息絶えたような表情をしている悠人を目撃した。
「悠人っ!!」
私は急いで悠人のところに向かい、脈を測った。
その脈は、かすかだったが、動いていた。
「と、とにかく保健室に行かないと…」
私は悠人をおんぶして保健室まで急いで行った。
◆
保健室に着いた私はまだ学校に来るのが速すぎたせいなのか、あいにく、保健室のドアはかぎが掛かっていて開けられる状態じゃなかった。
「開いてないの?お願い、誰か開けてよ。そ、そうだ救急車…あ、でも番号知らないんだった…そうだ、悠人、悠人の容態は…」
私は悠人を降ろし、再び悠人の脈を測った。するとさっきよりも脈が短くなっていったのが分かった。
「どうしよう…」
私は、緊急事態に頭がパニックになってしまった。
「もう、こうなったら仕方ない、悠人、ちょっとそこで待っていて。」
私は保健室の前にうなだれた状態で悠人を寝かせ、ダッシュでとある場所に向かった。
どうしてこうなった?この話を書き終えてからそんな言葉が出てきました。無理もないです、ガヴリールが嫉妬、ヴィーネが困惑しているなんて誰が想像できるのでしょうか?
次回からも楽しみにしながら読んでいただければありがたいです。
では次回の『やはり彼女は駄天使には相応しくない』第三話でお会いしましょう。