深夜の時間が少し減った気がしたなぁ…
「待っててね、悠人。絶対に助けてあげるから」
私は悠人を助けるべく事務室のドアをたたいた。
「はぁはぁ…す、すみません、一年B組の月野瀬です。保健室のカギを貸していだだけないでしょうか?」
息を荒くして入ってきた私を見て先生はただ事ではないと理解し、慌てたように言った。
「月野瀬さん、何かあったんですか?」
私は呼吸を整えてから先生に告げた。
「保健室の前で倒れている男子生徒がいるんです。なので保健室のカギを開けていただけないかと…」
あえて、私が連れて来たとは言わないで先生に申し出た。
先生はそれで納得したのか保健室のカギを倉庫から出してきた。
「分かりました、今回は緊急時ということで特別に許可します。さあ、早く行ってあげてください。」
「ありがとうございます、では失礼しました。」
先生からカギを受け取った私は、今出せる最高のスピードで廊下を走り(本当はいけないのだけれど…)悠人のところに駆け寄った。
◆
「悠人、もう大丈夫だからね。」
私は急いで保健室のカギを開け、保健室に入って再び、悠人をおんぶしてベッドに寝かせた。
「悠人、そうだ、熱は…」
私はそう言うと悠人の額に手を当てた。
「熱い、悠人、すごい熱…そうだ、水は…」
私は水道にいって濡れたタオルをつくって悠人の額に乗せた。
「これで、少しは良くなるかな?」
この時、私は悠人の脈が弱っていることを思い出し悠人の脈を再度確認した。
悠人の脈は先ほどよりも少しばかり落ち着いた感じの脈になっていた。
「良かった…これで、悠人はよくなった。」
その瞬間、私はこれまでの行動で疲れたのか寝ている悠人にもたれかかってしまった。
倒れたところが良かったのか悪かったのかは分からないが、悠人の胸に倒れた。
◆
「おっと…」
悠人は目覚め、体を起こそうとしたが、疲れて寝てしまっているヴィーネを見て、自分がまた倒れてしまっているのを実感し、ヴィーネに迷惑をかけたことを反省した。
「そっか…また、倒れちゃったんだ。ありがとう、月野瀬さん。今はゆっくり休んで…」
その時、ヴィーネが起き、悠人が目覚めたことを実感した。
◆
「悠人、起きたんだ。あれ…私寝ちゃっていたの?」
「おはよ、月野瀬さん。僕はもう大丈夫だから…さあ、教室に戻って作戦会議をしないといけないね。」
「ええ、立てる?」
私は悠人に手を差し出した。悠人は私の手をしっかりと握り立ち上った。
「朝は本当にありがとう、
「あれ?いつから私の愛称を?」
「ふふふ…」
この時、私は初めて異性に愛称で呼ばれたのだった。
◆
教室に戻ると、ガヴリールが私たちに気づき、出迎えてくれた。
「ヴィーネ、それに悠人も…おかえり。聞いたよ、悠人倒れたんだって?」
「あはは…恥ずかしながらそうなんだよね。んでも、ヴィーネが保健室まで送ってくれたから大丈夫だよ。」
そういった悠人の目は優しそうに私を見ていた。
「それじゃ、時間も時間だから始めようか…『フラッグアウトの作戦会議』を…」
悠人は教卓に立ち、黒板に色々な文字を書いていった。
「今から、当日の役職を決めたいと思う、なるべく男女差別がないように均等にこちらで考えた。」
その時、1人の男子生徒が手を上げ、言った。
「ちょっとまて、大須賀、お前が勝手に決めたのか?」
「そうだが…なにか不満でもあるのか?」
「ちゃんと、長所を考えて振り分けたのか?」
それもそうだ。苦手な仕事に就かれてしまっては意味がない。でも悠人は全員を見て言った。
「もちろん、ここ数日でのみんなの行動を見て、誰が何処の職に就けるのかそれをしっかりと考えてきた。さあ、確認してくれ、これが当日までにやることと、当日の担当の職だ。」
そこには全員が納得するようなことが書いてあった。
最近、この話を書くのが楽しくなってきました。他の作品も行き当たりばったりなのが良くないのかも知れませんが…
この話ではヴィーネの優しさが全面的に出ていたんじゃないかと思います。
では次回の『やはり彼女は駄天使には相応しくない』第四話でお会いしましょう。