やはり彼女は駄天使には相応しくない   作:芳香サクト

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 アニメ『ガヴリールドロップアウト』最終回すごくよかったです。
 うかみ先生ありがとぉぉぉ!!
 


第五話『そして大須賀悠人は月野瀬=ヴィネット=エイプリルと関係を高める』

 4時間目の授業もなんだかんだ言って終わりに近づいてきたころ、教室のドアが開き、3年生と思われる人が入ってきた。

 

「ごきげんよう、1―Bの諸君、私は3―Aで生徒会長を務めています。『郷里 由羅(きょうりゆら)』と申します。」

 

 真っ先にその言葉に反応したのは悠人だった。

 

「それで、その生徒会長さんがなんでわざわざうちに来たのですか?腹いせですか?」

 

 会長はコホンと一つ咳払いをして全体を見てから言った。

 

「そんなのではありません。私たちのクラスは、『こんど行われる全校クラスマッチで優勝する』ことを宣言します。」

 

 その言葉に一瞬だけ驚いた悠人は顔を変え、正々堂々と言った。

 

「それで、もしも、優勝できなかったらどうするんだよ?」

 

 会長は悠人に向かって言った。

 

「そんなことはあり得ません、かつてナポレオンという人物が言いました。『私の辞書に不可能はない。』と、私はその意思を受け継ぎその教えを貫き通しました。現にこの生徒会長という職もその教えがあったからこそなのです。それでは、私はこの辺で、お邪魔いたしました。」

 

 いうだけ言って会長は去っていった。私は嵐のような人だなと思った。

 

「ナポレオンだって最後は島流しにされたじゃないか…」

 悠人のつぶやきは会長には聞こえなかった。

 

 

 一通り作業が進み、チャイムが鳴る5分前に悠人が立ち上がっていった。

 

「みんな、聞いてくれ、会長のおかげで僕はありえないくらいに燃えている。それはこのクラスマッチに勝つことだけでなく、あの高い鼻を折ってやろうという気にさえなった。そこでどうだろうか、今まで以上にクラスマッチに熱意が籠っている奴は挙手をしてほしい。もちろん、無理にとは言わない、手を上げなかったやつを特別扱いしたり、差別したりするようなことはない。ただ、僕は今のみんなの気持ちが知りたいんだ。」

 

 

 悠人は言って、クラス全体を見た、それでもなかなか手は上がらない。

 

 悠人はダメか…としょんぼりしかけた時、ガヴリールがおずおずと手を挙げた。

 

 

「悠人、私は悠人の考えに乗るよ、このまま負けるのも嫌だし、あの偉そうな会長の鼻を折ってやりたいという気持ちはある。」

 

 

 

「ガヴリール…ありがとう」

 

 

 その言葉が引き金となったのか次々に手を上げ、やがてクラス全員が手を挙げた。

 

 

 悠人はそんなみんなを見て、少し涙目になりながらも言った。

 

「みんな、本当にありがとう。いよし、全校クラスマッチまであと一週間、やれるだけのことをして全力で立ち向かおう。」

 

 

 

「「「おー」」」

 

 

 私は、そんな悠人を見て始めてカッコいいなと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良かったね、クラス全員が乗ってくれて…」

 

 放課後、いつものように教室には私とガヴリール、そして悠人がいた。

 

 

「ああ、ガヴリールもありがとう、みんなの引き金になってくれるようなことをしてくれて」

 

 

 その言葉にガヴリールは照れたのか、顔を背けて言った。

 

 

「そんなんじゃないよ、私は私の意志を言っただけだし、ふん。」

 

「ふふふ、可愛いわね。」

 

「ヴィーネ、茶化すのはやめてよ。私、先に帰る。」

 

 ガヴリールはからかわれているのが面白くないと思ったのか、鞄をつかんで教室を出て行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガヴリールが帰ってしまい、いつの間にか悠人もいなくなっていて、話すことが無くなってしまった私は、ぼんやり夕日を眺めていた。

 

「ヴィーネ、ガヴリールを追いかけないの?」

 

 ふと、そんな声が後ろから掛かり、振り返ってみると、悠人が心配そうに見ていた。

 

 

「悠人こそ、てっきりガヴが帰った後、すぐに帰ったかと思ったよ。」

 

 私はそんな風に悠人に答えていた。

 

 

「僕は、まだやることがあるから…」

 

 悠人は少し、うつむくと力が抜けたのか目を閉じ、倒れてしまった。

 

 

 

「悠人っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 悠人が目を覚ました時に見たのはヴィーネの顔だった。

 

 悠人は無意識にヴィーネの顔に手を当てて、言った。

 

「魔力切れ?」

 

 ヴィーネが聞いた。悠人は微かにうなずいた。

 

「普段は何ともないんだけど変身すると異様に魔力を使うんだよ。ヴィーネ、君には一日で二度も助けられてしまった。何かお礼がしたいくらいだよ。」

 

 

 ヴィーネは表情を赤く染めて言った。

 

 

「そう思うのなら、少し、お願い事を聞いてほしいな。」

 

 その時、悠人は自分がヴィーネの顔に触れていることを実感し、手を下ろした。

 

 

「お願い事?いいよ、好きなものを言いな。」

 

 

 そういった悠人にゆっくりと顔を近づけたヴィーネは優しく言った。

 

 

 

 

 

 

 

『私、悠人が欲しいな…』

 

 

 

 

 その言葉は本心からの言葉だと悠人は理解した。

 

 

 

 

 

 そして、悠人は再び、ヴィーネの顔に手を当て、返事をした。

 

 

 

『いいよ、おいで…』

 

 

 

 

 

 

 それから先の事は誰も知らない。

 

 

 ただ唯一言えるのはこの日、ヴィーネと悠人が学校を出て、家に帰ったのはそれから一時間後の事だった。ということだけだ。




 新しいキャラクターの登場、ツンデレガヴ、そしてヴィーネの告白、今回の話はそのようなコンセプトで成り立っています。

というか、書いている途中で僕自身が恥ずかしくなってしまったのは事実です。
こんなふうに告白されたらいいなぁ…

アニメ『ガヴリールドロップアウト』も最終回を迎えてしまいました。正直もうこんな時期かと季節を実感させる最終回でした。


さて…次回はいよいよあの『白羽=ラフィエル=エインズワース』の登場です。

 次回の投稿は今日の夜中か明日の午前中には書きたいと思っています。
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