やはり彼女は駄天使には相応しくない   作:芳香サクト

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第八話『天真=ガヴリール=ホワイトはゲームにおいてはやっぱり天才だった。』

 クラスマッチ当日、悠人率いる1-Bは円陣を組み気合いを入れた。

 

 

「いいか、お前ら、やれるだけのことはやった。後は悔いの残らない様に気力を尽くすだけだ。僕たち1-Bは最強だ!。」

 

 

「「「最強だ!!」」」

 

 

 その時、場内アナウンスが発生した。

 

 

『只今より、校内クラスマッチを開催します。皆様、検討を祈ります。』

 

 

 そのアナウンスが終了した瞬間、学校中が熱気の渦に包みこまれた。

 

 

「よし、それじゃ、『使いっきり(サターニャ)』は学校をぐるっと走ってこい。」

 

 

「分かったわ、大悪魔として検討するわ。」

 

 

 悠人はまず、サターニャに学校全体の状況を把握してそれから踏み込むという作戦に出た。

 

 

「あー、ちょいまち、サターニャ、こいつをオンにしておけ。」

 

 

「これは?」

 

 

「こいつは『トランシーバーの小型バージョン』だ。」

 

 

 サターニャはトランシーバーを受け取ると廊下を飛び出し、走り去っていった。

 

 

「よし、サターニャが走り回っているうちに防衛組はこの旗を預けておくからしっかりと守り切るんだ。ガヴ、頼んだよ。もしも、取られたらこのトランシーバーで連絡するんだ。」

 

 

「ああ、任せておけ、絶対にとられはしないよ。」

 

 

 悠人はそういうとガヴリールに旗を渡した。

 

 

「それじゃ、旗を盗る攻略組は屋上にて待機、僕からの指示が出るまでは屋上にてほかのクラスの旗の捜索をしていること、なかったら連絡をすること。いいな。」

 

「「「おおーっ」」」

 

 

 そういって攻略組は屋上へと歩き始めた。

 

 

「悠人、なんで屋上なの?」

 

 

 私は悠人に聞いた。

 

 

「ああ、屋上は普段は閉鎖されていて使われることは絶対にない、ということは逆に考えたら屋上には隠す場所がたくさんあるということだ。」

 

 

「つまり、この機会を狙って屋上に隠すというクラスが出てくるはず…ということ?」

「そういうことだ。現に見てみろ。時期に場内アナウンスが放送されてくるはずだから…」

 

 

 悠人がそういうと『ピンポンパンポン』とチャイムが鳴り、1-Aと2-Cの敗退を告げた。

 

 

 このクラスマッチの敗退は旗を近くの先生に持っていくということで勝敗が決する仕組みになっている。

 だから、多少の範囲内なら奪い返せることもできるのだ。

 

 

「な?言っただろ?」

 

 

 悠人はそう言うと、盛り上がっている校庭を見ていた。

 

 

 校庭にはガヴリール率いる防衛組が円になって相手の攻撃を防いでいた。

 

 

「あんな所にガヴがいる。これも悠人の指示?」

 

 

 悠人は肩をすくめて言った。

 

 

「いいや、僕はただ『この旗を死ぬ気で守れ』としか命令してないよ。あーゆー風になったのはガヴが自分で考えたんだよ。」

 

 

「でも、ガヴ大丈夫なのかな?確か運動は苦手なはずだけど…」

「大丈夫だろ、ガヴだってやるときはやるんだ。それにガヴはこのクラスマッチをゲームとみているから多分死ぬ気で掛かってくると思うよ。」

 

 

 そういった悠人は何か自信満々な表情を浮かべていた。

 

 

 場内アナウンスは3-Bと3-Cの敗退を告げた。おそらく、生徒会長のほうが盗ったのだろう。あいつらは優秀だからな。そうこなくては面白くない。

 

 

「さて…開始3時間がたった訳だが、今のところは『1-Aと2-Cと3-B、3-Cの敗退が決まって残っているのは僕たち1-Bとラフィエルがいる1-C、二年生のAとB、会長率いる3-Aが残ったということか…』

 

 

 悠人はそういうと、黒板に何か書き始めた。

 

 

「悠人、何を書いているの?」

 

 

 私は悠人に聞いた。

 

 

「ああ、帰ってきた攻略組の為に(ねぎら)いの文字を書いたんだよ。」

 

 

 そういわれて黒板を見た私は驚愕した。

 

 

「でも、さすがに『よくやった、お前たちは優秀だ。』じゃ、務まらないかもしれないよ。」

 

 

「いいんだよ、これであいつらは納得する。さて…ゲームを始めようか…」

 

 

 悠人は腕を組み、某アニメキャラクターのポーズをした。

 

 

「悠人、そのポーズだと伝わりにくいかもよ。」

 

 

「えっ、ダメ?このポーズ、結構いけてると思ったんだけどな…っとそろそろ動かしますか…」

 

 

 悠人はそういうとトランシーバーを取り出し、ガヴリールに連絡をした。

 

 

 

 

 

『もしもし、ガヴか?悠人だ。応答をお願いする。』

 

 

『悠人か?こちらガヴリール、これ死ぬんだけど。』

 

 

『いいかよく聞け、これから多分だが、ラフィエルのクラスが攻めにかかってくる。もし、ラフィエルのクラスだったら、『旗を渡せ。』いいな、』

 

 

『はぁ?旗を渡すなって言ったのはあんたじゃん。いまさら旗を渡すわけには行かないよ。』

 

 

『誰も、そうやすやすと渡せって言ってるわけじゃない。いいか、ガヴリールのところの重戦士(タンク)はもうHPがぎりぎりな状態なんだ。だから、HPが限界なくらいまで戦ってそれで限界だなと思ったらラフィエルに旗を渡せ。勿論、その間にこっちで会長をつぶす。』

 

 

 その言葉にガヴリールは旗を見て悠人の意図を理解したのか言った。

 

 

『へぇ…面白いじゃん。いいよ、あんたの作戦、乗ってやる。』

 

 

『頼んだぞ』

 

 

 悠人はガヴリールとの通信を切り、私の方を向くといった。

 

 

「それじゃ、僕たちもそろそろ行くか…」

 

 

「うん。」

 

 

 私と悠人は会長を倒しに教室を後にしたのだった。

 

 

 

 その頃のサターニャはというと…

 

 

 

「全く、いつまで走らせるのかしらね。うわっ、」

 

 

 サターニャはカーブを曲がり切れずに盛大にこけてしまった。

 

 

「痛ってて、ってえっ?なんでこんなものがこんなところに?」

 

 果たして、サターニャが見つけてしまったものとは?




 という訳で、クラスマッチが開催しました。たぶん次回でクラスマッチ編は完結するんじゃないかなと思います。というか完結できるように頑張ります。

 さて、物語はガヴリールの大活躍により、悠人たち1-Bはスムーズに戦っているようにも見えますが…おっと、ネタバレはしてはいけませんね。

 では、次回の『やはり彼女は駄天使には相応しくない』第九話でお会いしましょう。

次回の投稿は明日のお昼になるかなと思います。
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