遅くなりましたが、ここにて第1幕は終了です。
また、こちらとは別の作品も作成中です。
こちらとはまた別の内容ですので、よろしければそちらもよろしくお願いします。
舞園さやかが殺人を計画していた。
この事実を目の前にしてもなお、学級裁判は続いていく。
いや、続けなくてはならない。
でなければ、腐川が今騒いでいるように全員が破滅してしまうのだから。
桑田「つか、犯人決めろって言ってもよ。もう新しい手がかりがないんだぜ?どうしようもないだろ?」
苗木「それは違うよ!」
再び苗木の言葉の弾丸が放たれる。
桑田「な、何だよ!」
苗木「手がかりなら残ってる!舞園さんが残したダイイングメッセージだよ!」
桑田「だい?何つった?」
霧切「ダイイングメッセージ。舞園さんの背中の壁にあったでしょ?」
霧切の発言により全員がシャワールームにあったあるモノを思い出す。
葉隠「おお!あれなんなんだべ?」
朝比奈「あの11037ってやつ?」
大和田「数字のことならその女とそこのヤローが詳しいんじゃねぇのか?超高校級のプログラマーと数学者何だろ?」
そう言って、大和田は不二咲と守亜の方を見た。
しかし、2人の表情は曇っている。
不二咲「それが全然なんだよね…。どうやってもこの数字列に意味を見いだせなくて…。」
守亜「私もだヨ。ピボナッチ数列や他の可能性を試してみたが特に関連性はなかった。」
それを聞き、苗木は犯行時の舞園の行動を頭の中でシミュレートした。
そして、守亜の言葉により苗木は一つの可能性を見いだす。
守亜「ならば、そもそもアレは数字ではないのかもしれないネ。」
苗木「ッ!そうか解ったぞ!!」
苗木の言葉により、全員が彼の方を見る。
苗木「あそこに書かれていたのは犯人の名前だよ!」
全員「ええ!」
苗木「あのダイイングメッセージを180º回転させれば見えてくるはずだ…。LEON…。」
そして、苗木はある人物を見ながら自分が導き出した真実を告げる。
他の全員も思い至ったのだろう彼らもまた苗木と同じ人物へと目線を向ける。
苗木「コレって、君の名前だよね…。桑田怜恩君…。」
場が静まりかえる。
全員が告げられたら名前の持ち主である桑田怜恩を見、本人はこの状況に飲み込まれていた。
大神「桑田、、怜恩、、」
桑田「待てよ!そんなのただのこじつけじゃねぇか!!」
霧切「おそらく彼女は壁にもたれ掛かった態勢で背後の壁にメッセージを書いた。」
守亜「背を向けた状態で、普通に文字を書くのは難しい。負傷していたのであればなおさらだ。」
桑田の反論も霧切と守亜によって、霧散する。
苗木「そう、だからこそ正面から見ると180ºひっくり返った形になってしまったんだ。」
桑田「なんだよ、それ…。俺が犯人だぁ、適当なこと言うんじゃねえって!!」
しかし、それでも桑田は自分ではないと食い下がる。
だが、それもまた虚しく苗木達によって新たな確証を生み出す手がかりにしかならなかった。
霧切「あなたが犯人ではないのなら、何故証拠を処分しようとしたの?」
桑田「はぁ?」
その言葉に桑田だけでなく全員が驚きの声を上げる。
石丸「どういうことだ?」
苗木「は!それって、焼却炉に落ちていたワイシャツの燃えカスとガラス玉の破片のことだよね?じゃあ、守亜君はそれを僕に確かめさせるために?」
苗木が驚いた顔をして守亜を見ると守亜は肩をすくめるようなジェスチャーをして笑った。
山田「おお、確かにみましたぞ!」
葉隠「そういえば、俺の水晶玉を見ねえんだけど、ソレじゃねえよな?」
山田と葉隠れの言葉により、全てが揃った。
霧切「苗木君、どうやら見えてきたみたいね。全ての謎の答えが。」
守亜「では、始めようか…。この問の解答を!」
苗木「うん、これが事件全容だよ!」
そう言って苗木はこの謎の全てを語り始めた。
苗木曰く
この事件の犯人は舞園さやかを殺害後、証拠隠滅に為に慌てて焼却炉へと向かった。
しかし、焼却炉にはシャッターが閉まっていたため近づくことが出来ずにいた。
そこで犯人は葉隠れが所有していたガラス玉を用いて、シャッター奥にある開閉ボタンを押した。
常人ではまず不可能な行為だが、犯人はそれが出来た何故ならばその人物は超高校級の野球選手だったからである。
シャッターが開き、証拠を隠滅することが出来た犯人は安心して、その場を後にした。
しかし、証拠であるワイシャツの一部が焼却炉から焼け落ちてしまい、決定的な証拠を残すこととなってしまったのだ。
そう語り、苗木は最後に犯人に確認する。
苗木「そうだよね、桑田怜恩君。」
霧切「どうなの桑田君、何か反論はある?」
霧切が犯行を白日の下にさらされた桑田を問いつめる。
しかし、桑田はフルフルと体を振るわせながら、大声で言った。
桑田「反論だぁ~。あるよ!あるに決まってんだろ!アホンダラぁ!!」
その剣幕に苗木を初めとしたほとんどの生徒が圧倒される。
桑田の顔に余裕はなく、彼は怒りにまかせて苗木達に言葉をぶちまける。
桑田「アホアホアホアホ。そんなもん認めねぇぞ!!」
苗木「でも焼却炉のスイッチにガラス玉をぶつけられるのは、超高校級の野球選手である君だけなんだよ!」
苗木は圧倒されながらも桑田に犯行を認めさせようと怯まずに自分の推理を語る。
しかし、桑田は聞く耳など持たないと言ったように血走った目で苗木を罵倒する。
桑田「アホアホアホアホ、そんなの認めねぇぞ!!だいたい当番の山田なら柵に中に入れるだろうが!!」
苗木「そもそも当番の山田君なら柵の中に入れるから、わざわざガラス玉をぶつける必要がないんだよ!」
桑田「アホアホアホアホ、つーかガラス玉投げて証拠隠滅っていうのも結局状況証拠からの想像じゃねえか!」
苗木「そうだね、でも君が犯人だっていう証拠は他にもまだあるんだ!」
これだけ言っても、桑田はまだ自分が犯人だと認めない。
苗木は出来ることなら、まだ自供の余地がある段階で桑田に罪を認めて欲しかったが、もうそれは叶わなかった。
そして、苗木は決定的な証拠を桑田へと提示する。
苗木「シャワールームのドアノブはネジが外されていたけれど…。」
桑田「ソレがなんだってんだよ!」
苗木「犯人はーそのネジを外すときにどんな道具を使ったのかな!?」
桑田「お前の推理なんて間違っているんだよ!このクソボケウンコたれぇ!!!」
苗木「もし僕の考えが合ってるなら、その工具セットのドライバーには使用された痕跡があるはずなんだ。」
桑田「アホアホアホアホ!証拠がなけりゃ、ただのデッチ上げだ!そんなもん認めねーぞ!!」
最後の弾丸。
それが全てを終わらせる、この事件の決定打となると信じて。
苗木「これで証明するよ!」
桑田に向かって、言葉の弾丸が装填される。
そして苗木は桑田の姿を真っ直ぐに見据え、その弾丸を放った。
苗木「桑田君、君の工具セットを見せてもらえるかな?!」
そして、その弾丸は見事に桑田を撃ち貫いた。
桑田が頭を抱え、青ざめる。
苗木「桑田君の工具セットは使用されているはずだよ…。」
苗木のその人ことで、全てが終わった。
先ほどまでの傍若無人な態度はなく。青ざめた桑田の目にはうっすらと涙がにじんでいた。
十神「もし別の用途で使ったというなら、どこでどんな使い方をしたのか教えてもらおう。」
霧切「先に言っておくけど、なくしたなんて言い訳は無しよ。」
十神と霧切にも念を押され、そこにいた桑田の顔は青白くどころか真っ白なり歪んでいた。
桑田「ぁ、アポ?」
十神「どうやら反論はないようだな…。」
苗木「桑田君・・・。」
全員が悲痛な面もちで桑田を見ている。
すると、今まで黙って学級裁判を見ていたモノクマが喋り始めた。
モノクマ「ウプププ~、議論の結果が出たみたいですね。ではそろそろ投票タイムといきましょうか!お前らお手元のスイッチで投票して下さ~い。投票の結果、クロとなるのは誰か?その答えは!?」
モノクマの指示に従い、全員がそれぞれの表情でボタンを押した。
モノクマ「ヒャッホー。大正解!!。今回、舞園さやかさんを殺したのは桑田怜恩君でした!」
桑田「はい?」
モノクマの無慈悲な、しかし脳天気な口調による言葉は放心している桑田だけでなく、その場にいる全員に届いた。
朝比奈「桑田…。」
大和田「てめぇ、どうしてこんなことしやがった!!」
2人の言葉に桑田がふるえながら答えた。
桑田「仕方ねえだろ…。俺だって殺されそうになったんだ。だったら、殺すしかなかったつーか…。オマエラだって一歩間違えばこうなってたんだぁ!!」
そう言って、桑田は崩れ落ち泣き出した。
しかし、やはりモノクマの言葉は残酷に桑田へと降り注ぐ。
モノクマ「はい!てなわけで、オマエラは見事クロを突き止めましたので、桑田怜恩君のオシオキを行いまーす!」
桑田「ちょ、ちょっと待てよ!俺は仕方なく殺しただけなんだって!そうだ!正当防衛じゃね?俺は自分の身を護るために仕方なく!」
モノクマ「ウプププ、それじゃあ、さっさとオシオキを始めちゃおうか!みんな待ってることだしね!」
桑田「待ってくれ!」
モノクマ「言い訳無用!秩序を乱したら罰を受ける。それが社会のルールでしょ?」
その言葉に桑田がこれ以上ないほどに取り乱す。
壁際へと走り出し、ここから出せと叫びわめく。
しかし、その行為も空しくどこからともなく現れた鎖に首を取られ、どこかへと連れて行かれた。
そして、裁判場の奥が開く。
そこには夕焼けをバックにした野球場があり、桑田はマウンドの真ん中に張り付けとなっていた。
その反対側には桑田に向かって向けられたらピッチングマシーンがあり、モノクマの合図と共に無数の硬式のボールが彼に向かって猛スピードで放たれる。
そして、全てが終わると苗木達の前の金網が開く。
一部始終を見ていた苗木達の前に現れたのは、オレンジ色に染まったマウンドとその中央で血だらけになり絶命していた桑田怜恩の姿があった。
辺りには、彼の血で汚れたボールが無造作に転がっているだけだった。
モノクマ「ヤッホー!エクストリーム!!アドレナリンに染みわたるー!!」
目の前の出来事に言葉を失っている苗木達とは対照的にうれしそうに声を上げるモノクマ
そして、そんな彼らにモノクマは言う。
モノクマ「これが嫌ならきっぱりと外の世界との関係を断ち切って、ここでの一生を受け入れるんだね!ま!オマエラにそれが出来たらの話だけどね~。」
苗木は震えていた。
桑田が死んだことに対してか、舞園が殺されたことに対してか、様々な感情が苗木の中を駆けめぐる。
すると、モノクマが苗木に向かって言った。
モノクマ「わかる。わかるよ~、苗木君!」
苗木「わかるって、何がだよ…。」
モノクマ「自分を裏切った舞園さんに絶望しているんだね?」
その言葉に苗木は我を忘れるほどの怒りを感じ声を荒げた。
苗木「ふざけるな!全部、全部お前のせいじゃないか!」
そう言ってモノクマを掴みかかろうとするが、その行為は霧切によって遮られた。
苗木は霧切をみると彼女は言った。
霧切「今は止めておきなさい。本気で彼女の仇を討ちたいのならね。」
守亜「霧切クンの言うとおりだ。今、ここでキミが死んでは全てが無駄になる。」
そう言って、守亜も苗木の肩に手を置いて制した。
こうして、希望ヶ峰学園における最初の学級裁判は幕を閉じた。
今日あったことに圧倒されたのか、今は全員が自室に籠もっている。
寄宿エリア、生徒達の自室がある廊下にて、ある2人は顔を合わせていた。
守亜「おや、霧切クン…。」
そう言って、守亜は目の前にいる女性とに声をかけた。
声をかけられた霧切は声の方を向く。
2人が立っているのは、苗木の部屋の前だった。
守亜「こんな所でどうしたのかね?」
霧切「それはこっちのセリフなのだけれど、あなたこそどうしたのかしら?」
守亜はそう訪ねられ、苗木の部屋の扉と霧切の顔をみると後ろ向いて来た道を戻っていこうとした。
霧切がそんな彼を引き留める。
霧切「あなたも何か彼に用があって気なのではないの?」
守亜「いや、そのつもりだったがキミがいるのならば私が会う必要はないだろう。」
そう言って歩き出す守亜
しかし、そんな彼に霧切は再び彼に声をかける。
霧切「どういう意味かしら?」
守亜「何、女性の気持ちの代弁は女性がするべきだ。私が伝えても彼は喜ばないだろう。」
霧切「そう…。最後に一つ良いかしら?」
何かネ、そう言うと背中を向けていた守亜が振り返り、霧切を見る。
霧切「あなたはいったい何者?」
そう霧切が言うと守亜はいつもと同じように笑顔を見せ彼女に言った。
守亜「謎は解き明かすのがキミの信条出はないのかネ?相手に答えを求めるなんて君らしくない。」
だから…
その男は言った
守亜「キミが解き明かしてくれたまえ、この謎も…。」
そう言って、守亜は再び背を向けると今度こと歩みを止めることなく去っていった。
霧切は彼の言葉を聞き、顔をしかめると気持ちを切り替え、苗木の部屋のインターホンを押した。
彼に自分の導き出した、彼女の、舞園さやかの想いを伝えるために。
to be continued…