死の先にある理想 作:Carter
かつて学園都市で最強と呼ばれていた男、一方通行。
ある日最強であるはずの彼は、一人の最弱に敗北した。
その日から生きる意味を改めて考え出した彼は、ある事件に巻き込まれる。
それは、彼が今まで1万回以上殺害してきた、御坂美琴のクローンの総括役の'打ち止め'を利用し、ミサカネットワークを暴走させるというテロ事件であった。
幸い彼の活躍により未然に防ぐことが出来たのだが、その代償は一方通行の命。
打ち止めの脳内ウィルスを完璧に削除しきった一方通行だったが、テロの実行犯である天井亞雄により銃殺されたのだ。
しかし死の間際、一方通行は確かな満足感と、僅かな幸福感をその身に宿していた。
(あァ、悪くねェ。誰かを救うッてヤツは。悪くねェ気分だ……)
この日、学園都市から第1位、一方通行の存在が消え去った。
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長く、暗闇に居た気がする。
何も無い空間を、何もせず、何も考えず、何も知覚せずに彷徨っていた気がする。
長いトンネルを只管歩いた様な、それでいて底のない海を只管潜っていたような、そんな感覚。
久しぶりに光を見た気がする。それを認識している訳ではないのだが、彼はただ真っ直ぐに光へ向う。
只管。真っ直ぐ。
ふと、気がつくと周囲は樹木に囲われ、足元は伸び切った草に覆われていた。木漏れ日に顔を顰めながら現状を把握するために彼、一方通行はその世界一とも言える頭脳を働かせる。
(とりあえず見覚えのねェ場所ってなァ確かだ。学園都市にコレほどの自然がある場所なんざ植物園ぐれェだろうが、どうも人の手が加えられた形跡がねェ。)
樹木の枝は好き勝手に伸び、隣の木々の枝と絡まり合っていたり、幹には虫や動物の気配を感じさせる傷等が見受けられる。
足元の草にしても、歩くのに支障を生む程乱雑に生えている。
(となると、日の高さからして何処かの山ッて辺りかァ?)
現在の居場所に当たりを付けた一方通行だが、しかし疑問は増えるだけであった。
山ならば、一体何処の山なのか。
何故ここに居るのか。
先程確かに自分は殺された筈では。
その疑問を浮かべると同時に、銃弾に貫かれた箇所……額に手を伸ばす。
そこには銃痕どころか傷ができたような感触はない。
しかし、確かにヤツの、天井亞雄の放った銃弾に撃ち抜かれたはずである。
(どうなッてやがる?夢でしたァってオチじゃ断じてねェぞ。)
それに、ここに居る理由もハッキリしない。
(自分の足で来たにしては、周囲の草木が自然過ぎる。俺の足跡もねェ様だ。テレポート系の能力か?)
しかし、彼はその能力故にテレポートを含め汎ゆる能力の影響を受け付けない。否、その効果を反射してしまうのである。
テレポート系統の能力をその身に受けても11次元の座標計算を自動的に逆算し、発動者の元へ跳ね返す筈である。
「アァ、もォ止めだァ。考えるのは後にして、一先ずここが何処か把握するか」
一先ず最優先事項。並びに目標を決した彼は、日の傾きと周囲の磁場のベクトルを割り出し方角を確認し、現在の場所を記憶した後に人を探しに歩き出した。
暫後、彼のいた場所に亀裂が走る。地面が割れたとか、木々が切れた訳ではなく、彼の板空間そのものが裂けたのである。
避けた空間の内は薄暗く、幾多の目がギョロギョロと視線を彷徨わせている。
『ふふっ、ようこそ幻想郷へ。幻想郷は全てを受け入れる。そう、それはとても、とても残酷な話ですわ』
裂けた空間の周囲に、鈴の様にコロコロした女性の声が鳴り。やがて空気となり溶けてゆく。
一人の少年をこの世界に受け入れるように。
初めましてCarterと申します。
本作品に目をお通し頂きありがとうございます。
あらすじに注意事項を記載しております通り、初めての小説投稿となります。
お見苦しい点多々御座いますが、それでもお楽しみ頂けるよう気持ちを込めてこの作品を投稿させて頂きました。
今後ともどうかよろしくお願い致します。
処デ
この程度の文章を書くのに1時間程掛かりました。
他作品の方、人気作品など見てみると10万字なんて物も沢山ありました。
私がその量を書こうと思うと大凡80時間程掛かるのですね。
今回はプロローグの為短い文章ですが、次話からは倍程度には伸びると思われます。
それではこの辺で。またお会いしましょう。