NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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第1章 下忍篇-第3次忍界大戦(前期)
002.結成!オビト班(仮)


 

 場所は忍者学校(アカデミー)から出てすぐのところにある広場。

 そこにオレと同じく合格し、尚且つオレと同じ班員となった2人がいた。

 

「ねぇ、僕らの担当遅くない??もうかれこれ30分は待ってんだけどー」

「そうねー、、、でも一番年下のカルタくんが大人しく待ってるんだから、ちょっとはじっとしてらんないの?ジュン」

「ジュンじゃなくて、ジュウな。僕の名前」

「あははーちょっとかんじゃっただけじゃんねー」

 

 そういって女の子のほうがオレの頭をポンポンしてくる。

 この女の子、桜田(さくらだ)ラクサという。忍者学校(アカデミー)では座学が得意だったはずだ。特に名門の出というわけではないが初歩的な忍術くらいなら扱えると言っていた。オレとは別のクラスだったから見たことは無いけども。

 そしてもうひとりの男の子のほうが(かけい)ジュウ。こいつはオレと同じクラスだったからもう少し詳しく知っている・・・つもりだ。

 座学の授業では真面目にノートをとっているように見せかけて、パラパラ漫画を描いており。体術の授業では準備体操までは真面目にやっているように見えるが、実技となるとてんでダメダメで。かと思いきや、忍術の授業や実技、試験となると張り切って要求以上のことをする。どっかの名門のクォーター兼どっかの名門のハーフと言いふらしていたことがあったような、なかったような気がする。

 

「遅れてごめんー!!ちょっと道端で困っているお婆さんの荷物を家まで運んであげててだなー」

 

 にへらへらとあまり反省の色が見えない笑顔で近づいてきたゴーグルをかけたその男は、『うちはオビト』だった。

 

 うちはオビト・・・うちは一族の現在中忍で、はたけカカシの親友。第三次忍界大戦中の「神無毘橋の戦い」にて同じ班で片思い相手ののはらリンが敵に拉致され、カカシも負傷するという事態に遭遇し、仲間を守りたいという思いから写輪眼を開眼させた。だが、リンの救出直後に敵の増援部隊の術からカカシを庇って岩に右半身を押し潰され、瀕死の重傷を負う。そしてカカシに「上忍昇格祝い」として開眼したばかりの左目の写輪眼を譲った後に岩石に押し潰され、殉職した。が、実は生きていて万華鏡写輪眼を開眼させ、原作後半にて作品最強級の敵キャラとして出てくる。

 

 だが、今はうちは一族の中では落ちこぼれている平々凡々な若い中忍うちはオビトだ。

 下忍になったばかりのラクサとジュウにグチグチネチネチ愚痴を言われている。なんとも情けなく頼りなくも見える若い中忍だ。

 そんな中忍がオレたち新人下忍の担当となるのだろうか。と、疑問に思っているとオビト先生(仮)が手をぱんぱんと叩いて他2人を黙らせたあと話し始めた。

 

「とりあえず、自己紹介から始めようか。俺はうちはオビト、中忍だ。みんなの上官ということになるけど、今は戦時中ということもあって上忍の方々が忙しいから俺が担当になった。と言っても俺は半年ほどで上官からは外れることになっている。残った君たち3人がそのあと三人一組(スリーマンセル)で任務に当たれるようにするのが俺の任務だ」

 

 なるほど、、、そういうことか。

 ラクサとジュウも頷いて納得している様子だ。

 

「今後の連携のためにも得意なこと、不得意なこともそれぞれ言ってもらおう。俺は火遁系の忍術が得意だ。苦手なのは幻術かな。はい、じゃあ年功序列で自己紹介してって」

「わかりましたーっ。私の名前は桜田ラクサ。得意なことは座学と忍者学校(アカデミー)でも習う初歩的な忍術。それ以外はなにもわかりません。よろしくお願いしまーす」

「僕は筧ジュウ。得意としていることは忍術。今現在、主に使える忍術は山中一族の秘伝忍術であるところの『心乱心の術』、奈良一族の秘伝忍術であるところの『影縛りの術』、秋道一族の秘伝忍術であるところの『部分倍化の術』それから」

「まだあんの!?」

 

 オビトからツッコミが入ったが全くもって同感である。一族の秘伝忍術がおいそれと使えたら色々とおかしい。

 

「性質変化は火遁を除く、水遁・土遁・風遁・雷遁の4つの性質を僕は持っている。でもそれはまだ修行しきれていないから術としては使えない。不得手なのはそれ以外の体術や幻術、よろしく」

 

 唖然だ。呆然だ。愕然だ。開いた口が塞がらないとはまさにこのこと。いや、オレはそもそも口を開いてすらなかったが。

 それでも、ジュウの自己紹介を聞いていた他2人の反応は概ねそんな感じだった。ラクサは口のみならず目も見開いていたし、オビトも驚愕、驚天動地といった有様だ。もしかしたら、もしかしなくてもきっとオビトのほうが彼の天性の才能の凄さを分かっているのだろう。「俺、こんな奴の担当になっちまったのかよー」と心の声が聞こえるような気さえしてくる。

 

「そ、そっか。ジュウ、すごいんだな。このまま修行していったら俺のことなんてすぐに追い抜いちまうかもしれねーなぁ。じゃあ最後のボク、自己紹介よろしくね」

 

 すごく優しい笑みを浮かべた、というか本当に幼稚園児もしくは保育園児に向けるかのような微笑ましい表情を浮かべてオレに自己紹介を促した。きっと、今さっきの自己紹介(アレ)で思考能力が皆無になってしまったのだろう。普通に考えても、いや普通に考えなくても4歳児が忍者学校(アカデミー)を卒業して今この場にいる時点で滅茶苦茶なのだから。

 

「はい。ぼくの名前は羽衣カルタ。4歳です」

 

 オビトが「ん?」と首を傾げる。

 

「得意なことは(雷遁を体に纏って)すごく早く走ること」

 

 「あぁ、なんだ。駆けっこが好きなんだね」と、オビト。

 

「あと、特に言っとくべきこととしては、ぼくは体質的(封印されている尾獣と仲が良いから)に幻術が効かないってことくらいです。不得手なことは強いて言えば体術です。身体が小さいのでどうしても腕や脚のリーチが短くて、、、あ、そういえばできることで(重明の能力で羽を出して)空も飛べます」

 

 今度はみんなして「ん?空?飛べる?」と首を傾げた。

 

「オビト先生、ラクサちゃん、ジュウくん。これからよろしくお願いします」

 

 ぺこり、と頭を下げてとびっきりの幼児スマイル。

 オビトはなんか「俺、この戦争が終わったら忍者学校(アカデミー)の教師になろう・・・」とか言ってる。そんなに先生って呼ばれて快感だったんだろうか。

 

 

 

 こんな感じで、オレ達オビト班(仮)は発足した・・・

 

 

 


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