NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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今回のタイトル

『官能は・・・芸術だッ!』にしようか迷いました。

はい。完全にどうでもいい話でした。

では、どうぞー。


099.『宵』新世代の三忍

 サソリの人形劇は木ノ葉で密かなブームとなり始め、それに伴ってグッズの売り上げも良好らしい。

 どうやらその噂話は火影である自来也の耳にも届くこととなり、自来也専用の傀儡人形の制作を頼まれたのだとか。

 

 えっと。確か要望は金髪美人の爆乳くのいち実寸大。これは聞いてはいないが、サソリがモデルとして選ぶのは恐らくあの人だろう。お察しの通りだ。

 それから肌ざわりと感触。それから先端の色には徹底的なまでにこだわるようにとのお達しがあったと聞いている。

 

 おい自来也。貴様、ナニに使おうとしている。

 

 絶対にナニに使おうとしてるじゃないか。

 

 サソリの傀儡は芸術であって。決してリアルラ〇ドールなんかじゃないぞ。

 

 きっとサソリのことだ。オリ〇ント工業さんも腰を抜かすような次元の傀儡人形(という名のリアル〇ブドール)を作り出してしまうのだろう。

 

 ・・・いや、官能もある意味では芸術だからいいか?

 

 ということは、自来也の使い方もあながち間違った使い方ではない・・・のか?

 

 

 

 こほん。

 

 それはさて置き。

 

 とある日の午後。

 

 忍者学校(アカデミー)を卒業したと同時に我が暗部組織『宵』の養成部門へと来ることが決まっているうちはシスイとうちはイタチの様子を見に、うちは一族の邸宅が建ち並ぶ区画へと足を運んでいたオレはその途中で面白い光景を目撃するのだった・・・。

 

「なにやってるんですか?オビト先生」

「あ、カルタ先生。いや、ちょっと木遁の術の制御を誤ってな」

 

 何故か木の枝に引っかかっているオビトを見つけて声をかけると、どうやら木遁の術の練習をしていたらしいことがわかる。

 

 ちなみにオビトがオレのことを先生呼ばわりする理由は主治医的なことをやっていたからだ。

 毎回ではないが、たまに先生付けで呼ばれる。

 

 多分今回のは照れ隠しだろう。

 

「そういえば、シスイとイタチ帰ってるかわかりますか?」

「あれ?カルタってシスイとイタチと仲良かったのか?俺、全然気づかなかったなー」

 

 なんてオレが欲していた答えとは全く別の返答に相変わらずのんきというか、マイペースというか、抜けてるなぁと思っていると今度は聞いた答えが返ってきた。

 

「あぁ悪ぃ悪ぃ。あいつらならフガクさんの家の裏庭にあるでかい池のところで今日も修行してんじゃねーかな」

 

 たぶんだけどな!と付け加えるオビトに礼を言って、その場から立ち去る。

 

 木の枝に格好悪い姿勢のまま引っかかっているオビトを放置してしまったわけだが、仮にも中忍なんだ。

 それぐらいなんとかするだろうと思っていたのだが、帰り道になっても同じ場所に同じ姿勢で引っかかっていたのはまた別の話。

 

 

 

 閑話休題。

 

 イタチの両親、うちはフガクとミコト夫妻に挨拶をして裏庭へとお邪魔する。

 

 そのフガクはうちは一族の代表を務めている男だ。

 

 当然、シスイとイタチを『宵』にスカウトしたときにも挨拶をしたし、先日彼にとっての第2子であるサスケの誕生祝いも遅ればせながら送らせてもらった。

 

 原作ではうちは一族が木ノ葉隠れの里に対してクーデターを起こす際の首謀者のひとりだったが、この世界軸では今のところそのような兆候は見られない。

 千手とうちは。木ノ葉上層部とうちはの確執は創建当時から現代までずっと続いて来ている問題だが、この世界軸にはもうすでに色々と引っ掻き回して厄介ごとを生み出すトラブルメーカーである志村ダンゾウはこの世にはいない。それにダンゾウに同調していたご意見番2人の他に穏健派の三代目がご意見番を務めている。

 九尾の襲来もなかったし、それがなかったことによって、うちは一族が上層部から監視を受けるということもない。

 

 つまり、うちは一族でクーデターの画策やその先に起こったうちは一族の滅亡が起こる気配は今のところ皆無ということだ。

 

 平和が一番なのである。

 

「シスイにイタチ。元気してたか?」

 

 池に向かって豪火球を放っている2人に後ろから声をかける。

 

 いや、それにしても2人合わせてだとしてもこの規模の豪火球って・・・。

 

 ほぼ豪火滅却の次元(レベル)なんだが。

 

 池から炎がはみ出て木々が燃えているんだが。

 

「あ、カルタ」「カルタさん」

 

 同時に術を解いた2人は、これまた同時に振り返りながら声をハモらせてオレの名前を呼んだ。

 

 髪がボサボサしていて、背が高く恐らく10歳の平均身長はありそうな方がシスイ。

 髪がサラサラしていて、背は2個下のくせにオレと変わらない方がイタチだ。

 

 その2人の双眸には赤く輝く瞳。写輪眼が宿っていた。

 

 イタチは勾玉の紋様が1つ。シスイには既に2つあった。

 

「おいおい。お前らしばらく見ない間にすげぇ力つけてんじゃんか」

「まぁな。カルタには負けるけど修行は一日たりとも欠かすことなく続けてるからな」

 

 シスイはドヤ顔でそう言った。

 確かに塵も積もれば山となる。千里の道も一歩より。とは言うものの・・・こいつら正真正銘の8歳と6歳だよな?正直、才能が凄すぎる。

 

 戦闘経験は皆無だったとしても、並みの中忍じゃ手も足も出ないんじゃないか?

 

 ただフガクさんの修行は厳しすぎるけど。とぼそり付け加えたシスイの表情から推測するに相当絞られることは容易に想像できた。

 

「ならオレが修行付けてやろうか?」

「ホントか!?」

「まず第一ステップとして多重影分身の術を覚えることから始めるけど」

「あ、いや、やっぱ遠慮しとくわ」

 

 なんとも変わり身が早い男だ。

 

 このやりとりを見て「こいつどう思う?」とイタチに問いかけるも肩をすくめて苦笑いをして流された。残念。

 

 まぁ。流石は後に瞬身のシスイと呼ばれるだけのことはある・・・って、それは違うか。

 

「そうそう。お前たちが入隊後に組む相手が決まったから伝えに来たんだ」

 

 来年。シスイとイタチは忍者学校(アカデミー)を卒業する。

 

 そいつはオレやシスイと同い年で現在8歳。

 

 医療忍術を義母から学んでいる最中の。

 

「薬師カブトっていう奴。今度、一回顔合わせも含めて皆で集まろう」

 

 

 

 うちはイタチとうちはシスイ、それから薬師カブトは下忍の間は表向きは新人下忍として通常任務を行ってもらう。

 このときの担当する上忍師もこちらの息がかかった者が担当することになっている。

 

 そして任務の合間には『宵』の施設にて修行や特殊な訓練をしてもらう。

 

 中忍になった暁には表向きは暗部所属で裏では『宵』の実行部隊へと配属されることが既に決められているのだ。

 

 そう遠くない将来、この3人が木ノ葉を裏から支えることになっていくことは想像に難くないだろう・・・。

 

 

 


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