NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》 作:新名蝦夷守
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霜の国領内の某所。
「お久しぶりですね。ビーさんに皆さんも。それから牛鬼もお変わりないようで」
オレたち木ノ葉側の留学生と雲隠れ側の留学生は道中何事もなく無事に合流することができた。
元から雲隠れから誰が護衛で誰が交換留学生なのかという情報は当然ながらオレには入っていたから、まず面識があるオレが第一声を発するのが一番無難だろうと思い挨拶をするが、なぜか雲隠れ側から驚かれる。
なんでだ?
・・・あぁ。もしかして前にあったとき(木ノ葉隠れの里を直接奇襲しようとしてきた第3次忍界大戦前期にあった森での戦いのことだ)は敵対してて言葉が乱暴だったからかな。
それともビーの中にいる牛鬼に対しても挨拶をしたからかな。もしかしたらその両方かもしれない。
あ、でもビーとはその後も一度戦ったか。
五尾穆王をオレが引き取ることになったあの時の戦い以来の顔合わせになるな。
そのときもどうやらサムイ、マブイ、ダルイの3人はいたようだけれども、結局顔を合わせることはなかったんだっけ。
「チェケラッチョー!ハゲラッチョー!お前も相変わらず、中のも変わらず♪オウイエー」
「あ、相変わらずのクオリティですね・・・」
ビーの調子っぱずれなラップに反応を返せたのは木ノ葉ではオレだけ。というか何故にトレンディなエンジェルしてるんだビーさんや。
木ノ葉のみんなは目が点になってポカンとしている。
雲の3人はもうすでに諦めの境地というか。そんな感じだろう。無反応で無表情だった。
そのラップを聞いて、そういえばビーの特徴教えるときに伝え忘れていたなぁとボンヤリ考えて、心の中で「ビーに関する情報である意味一番伝えておかなくてはならない情報だったな。ごめん」と謝っておく。
「とりあえず、
ビーのラップのせいで変な空気になってしまったのを元に戻すために、そう前置きしてからカカシ、オビト、リンの紹介を始める。
「まず銀髪の彼が、はたけカカシ。第1次忍界大戦後期から第2次忍界大戦で活躍した『木ノ葉の白い牙』の息子で、ご覧の通りうちは一族ではない彼は写輪眼のオンオフができずに常時写輪眼を発動させているため、最近では『写輪眼のカカシ』とも呼ばれています」
そうオレが紹介するとカカシが頭を下げる。
雲隠れの里に入ってもずっと写輪眼だと嫌がられそうなものだから、初めに理由を説明しておく。
まぁ、雲隠れの里の上層部には留学生の情報はある程度教えてはいるのだが、案内人であるビーにはこちらの口から直接説明しておくべきだろう。
「そして次に、うちはオビト。名前から分かるように木ノ葉の名門うちは一族の出身であり、それでいて初代火影さまと同じ木遁の血継限界を有しています」
「ご紹介にあずかりました!うちはオビトです!よろしくお願いします!」
オビトはそう言って勢いよく頭を下げた。
雲隠れの里はカカシとオビトの写輪眼と木遁の術は喉から手が出るほどに欲しているだろうが、留学生に手を出しては戦争になるとわかっているだろう。
それでもその対策や術を解析する機会はあるかもしれないと考えているに違いない。まぁ、写輪眼の対策は目を見ない、複数人で対処する。という初歩的なものしか学べないだろうし。木遁の解析に至ってはほぼほぼ不可能だと思うが。
「最後に紅一点である、のはらリン。忍びではない一般家庭の出身ながらも医療忍術に長けており、その分野においてはこの世代ナンバーワンの実力があると思います」
「ビーさんとお呼びしてもよろしいでしょうか。これからよろしくお願いします」
そう言ってリンも頭を下げる。
彼女の医療忍術に関しては雲隠れの里も技術や情報を盗むことはできるだろう。医療忍術に関して言うと、木ノ葉隠れの里は他国より一歩も二歩も先を行っている。
これが雲隠れの里にとって交換留学生を受け入れる際の分かりやすいメリットだ。
それはリンにも伝わっており、もし雲隠れ側から医療関係で助言や助力を求められたら出来る範囲で応じるようにと言われている。
そんな感じで。
ビーからも雲隠れ側の留学生を紹介され(これもド下手なラップ調で行われ大変聞き取りにくかった。というか、全然頭に入ってこなかった)無事・・・というには多少の無理があったかもしれないが、とりあえず顔合わせを終えた後。
それから大して時間を置かずに、オレはカカシたち3人をキラービーに預け、代わりにマブイ、サムイ、ダルイの3人を預かって帰路についていた。
今度は徒歩ではない。みんな一緒に飛雷神の術でだ。
これによって一瞬で「あ」「ん」と書かれた大門の前まで移動する。
こんなチート忍術、何度見せたって真似どころか解析すらもできないだろう。
まぁ、雲隠れには似たような時空間忍術の《天送の術》があるけど、それも物を送るだけで精一杯らしいからな。
「私の天送の術とは、術発動時の作動の仕方というか、法則というかわかりませんが。全然違うんですね・・・」
「何と言うか。流石というか。お前だけは何をしてももう驚かんな・・・」
「こいつに関しては考えるだけ無駄ッスよ」
「「流石、岩隠れでは名前すら呼んではいけない例のあの人と呼ばれる羽衣カルタだ」」
と、サムイとダルイが口をそろえて遠くを見ている。遠い目をして現実逃避をしている。
なんだよそれ。オレはヴォルデモート卿か。
てか、なんでお前らが岩隠れでのオレの呼び名を知っているんだ。と、ツッコミたいところはいくつかあったが、このまま門を目の前にして立ち止まっていると他の通行人に対して邪魔だろうとまずはサムイたち3人の入里手続きをすることにする。
なぜか今日に限って門番をしているガイとゲンマとエビスがこちらをじーっと見ているのだ。
その目はさっさと移動しろと言っている。あ、いや。エビスだけはサムイとマブイのパックリと開いた胸元で視線が止まって鼻を押さえているのか。
一応はお客さんである彼女らに対してエロいことしか考えてないエビスには後で目潰しでもしておこう・・・。
今回のオチが何故かエビスに。