NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》 作:新名蝦夷守
2018年、初投稿です!今年もよろしくお願い申し上げます。
さて、新年早速お気に入り登録2000件突破(予約投稿時現在)、感想、評価ありがとうございます。
そして、この話にて暗部篇少年期は終了です!
湿骨林で行っていた文字通りの意味で時間密度の濃い修行を終えて体感では約2年ぶりに木ノ葉隠れの里へと戻ってきたオレはまず服を新調することを余儀なくされた。
なぜかって?
それは・・・なんてったって背が伸びたからね!背が!!
つ・ま・り、身長が伸びたからね!身長が!!
ん?何度も言わなくたってわかるよって?そりゃあれだよあれ。重要だから2回言いましたってやつだよ。
いやぁーそれにしても修行1年目後半から伸び始めてまさか精○と時の部屋にいた期間だけで合計30cm近くも身長が高くなるなんて思ってもみなかったなぁ。
・・・こほん。それはさておき。
精神と○の部屋から出てきたオレにとりあえずということで蛞蝓仙人がくれたダボダボの服しか持ってないオレは服屋に来ていた。
『おまえ様よ。あの山吹色の道着なんてどうじゃ?なんでも左胸と背中には好きな文字をサービスで入れてもらえるらしいぞ』
『いや、それよりもそっちの紫のやつの方が』
『何言ってんだ!んなものよりも伸縮性抜群で防御性能も抜群なあの戦闘服の方が』
『戦闘服は戦闘服でも肩パットの入っていない旧式の方が見栄え的に良いのでは?』
『えぇい!バカどもは黙っておれ!おまえ様!妾は絶対あの山吹色の道着をオススメするぞ。ほら見てみよ!今ならなんと期間限定で重し付きアンダーシャツ(紺色)を無料でプレゼントキャンペーンもやっておるんじゃぞ?もうこれはおまえ様のためにある一品と言っても過言ではないのう!!』
そう言って、あれがいい、いやあっちの方が似合うなどとオレが頼んでもいない服選びを勝手におっぱじめた
というか、お前らいい加減その世界観から帰ってこい。
時は進み、その日の夜。もう少しで日付が変わろうかという時間帯。
空には雲がところどころ浮かんでいるものの煌々と輝く満月。そして、それに負けじと自己主張をする数多の星々。
木ノ葉隠れの里郊外。
森が開けており、満天の星空を満喫でき、なおかつ人里から離れているその場所にオレ羽衣カルタと照美メイ、うずまきサソリの3人が立っていた。
「ねぇ、カルタくん。ここで一体何が始まるというのかしら?」
と、隣でワクワクした様子で聞いてくる視線の位置がだいぶ近くなったメイ。
「全くだぜ。
何がどうなっているんだか。と、困惑の表情を隠すつもりもないサソリに対してオレは「まぁ、黙って見てろって。2年間に渡る修行の成果を見せてやるからよ」と返すに留めた。
その返しに「2年間?」と、また新たな疑問が浮かんでいるサソリはとりあえず置いておこう。
さて、オレが何をしようとしているか。
結論から言うと、これから黒ゼツの野望を一撃で葬り去ろうとしている。ま、そのために修行をしたんだしな。
ふぅ。と、小さく息を吐き集中力を高める。
そして自身の身体エネルギーと精神エネルギー、それから周囲に漂っている自然エネルギーを均等に練り込むことによって仙人モードへと変化する。
しかし、外見上には微塵も変化は起こらない。
少しでも仙人化に失敗すれば動物の姿に近寄ってしまうことはもちろん、完璧な仙人化を成功させた時でさえ隈取りとして現れるはずの変化すらもない。
全く変化を必要としない仙人化。
これこそが真の仙人の境地。
チャクラを感じ取ることが出来る者、もしくは人の戦闘力を感じ取ることが出来る者ならばオレの仙人化に気付けるだろう。
現にこの2人はオレの纏う空気の変化を敏感に感じ取って目を見開いている。
だが、気付けない人には分からない。そういうもの。
真の仙人化を果たしたオレは両手を天高く掲げる。
『 大地、大海原、大空、大宇宙よ 』
心の中でそう全ての自然に対して語りかける。
自然に対して必要なものは挑戦ではなく、尊敬。リスペクト。
自然に願うことはただ一つ。
【災厄・大筒木カグヤ】復活の阻止ッ!!
『 オレに自然エネルギーを分けてくれ!! 』
そう自然に願うと、キラキラと小さく輝く自然エネルギーの粒子がオレの天に掲げる手に向かってあつまり出してくる。
その光が生み出す幻想的な雰囲気に女の子として目を輝かせているメイ。
同じように目を輝かせているサソリはメイのように乙女という意味ではなく、親になっても中二病を完治しきれていないというだけだろう。
その間にも自然エネルギーの粒子は地球上、宇宙空間問わずオレの掌へと集まってくる。
ハァァァァァァァッ!!
そして体内で自身のチャクラ、尾獣のチャクラを練り合わせ発射台としての役割を持つ自分自身を強化する。
天に掲げた両手の上には自然エネルギーの球体がどんどんと肥大化する。
そして。
「そろそろ、かな」
自然から貰った力を一気に自身のエネルギーへと変換。
すると掌からどっと身体へと入り込んできた自然エネルギーによって身体の内側から発光が始まる。
この現象はエネルギーの供給過多により、オレの身体が悲鳴を上げていることに違いない。
時間はもうかけられない。
だがっ!
「これで、終わりだッ」
『
自分が今、扱うことの出来る全てのエネルギーを余すことなく両手に集中させる。
そして掌底を合わせ、全エネルギーを右手に移譲。
『
弓を撃つときのように的に向かって直角に立つ。
右手で狙いを定め、その狙いがぶれることの無いように左手で右腕を抑える。
『
そうして、ゴォォォッという轟音を響かせてオレの右手から放たれた大きく青白いエネルギーの波動は煌々と輝く満月の元へ一直線に飛んでゆき。
雲を蹴散らし、成層圏を突き抜け、月面を貫き、月の核へと到達したその瞬間に。
夜空に大きな花火を作り出し、月の欠片によって地球へと降り注ぐ流星群を生み出したのであった。