NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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お気に入り登録、評価ありがとうございます。

1点、設定を変更しました。
テンテンのアカデミー入学年齢を10歳から6歳に引き下げました。急な変更となり混乱させてしまったら申し訳ないです。


前回のあとがきの件。
期待値が高いようでびっくり。ほんとうにやってしまおうかしら・・・(なにやら今回もあとがきで何かをつぶやく模様)


118.武器屋の看板娘 其の伍

 以上、回想終わり!

 

 え?いままでの話、回想だったことすら忘れてたって?

 んじゃあ、少し前から遡って読んでくれや。きっと思い出せるさ。

 

 とまぁこんな感じでテンちゃんや親父さんと仲良くなったんだよねっていう、言わばただそれだけの話だね。うん。

 

「こうして、こうやって・・・こうだっ!」

 

 できたっ!できましたよーカルタさん!と、何度も失敗しつつも高い集中力で真剣な表情を浮かべながら諦めずに何度も挑戦し続けていたテンちゃんだったが、ようやく自分が思った通りに傀儡を操作出来たらしく顔をほころばせながら報告してくれる。

 

 うん・・・まぁ、ずっと見ていたから知ってるんだけどね。

 まったく、可愛らしい子である。

 

 そんなテンちゃんにオレは「すごいすごーい」と拍手を送る。スタンディングオベーションで拍手喝采だ。

 

 いや、最初から立っていたことは触れないで置いといて。

 

「カルタさんありがとうございました!これでまた一歩、私の夢に近づけました!」

 

 自身の傀儡(ちなみにこの傀儡がサソリから貰った烏天狗)に頬ずりしながらキラキラとした笑顔でそう言うテンちゃんに苦笑いをしながら「いやいや、なんもだよ」と返し「そういえば」と先程まで2年前のことを思い出していたからであろう思いついた話題を振ってみる。

 

忍者学校(アカデミー)入ってしばらく経つけど、今はどんな感じ?今年卒業とかできそう?」

 

 その問いに、テンちゃんは「いやいやいや!カルタさんがいた頃と時代が違いますからそんなに簡単には卒業できませんよー」と笑って否定してから話し始めた。

 

「そうですねぇ・・・今年クラス替えがありまして去年まで一緒だった仲良かった子と別のクラスになっちゃったりとかそういうこともありましたけど、でも担任の先生もいい人ですし、クラスの雰囲気とかも悪くないですし、まぁこれはこれで良かったのかなーって思いますね。ただやっぱり忍術や体術の授業のレベルが低い子に合わせられているからちょっとだけ物足りないとは思いますけどねー」

「まぁテンちゃんはセンスあるからね。楽にダントツで学年1位とかなんでしょ?」

「あーいや・・・」

 

 オレの質問に対していままでの話の流れから急に打って変わって言い淀むテンちゃん。

 

 そして。

 

「くのいちクラスでは1位ですけど、学年ではあの日向一族の男の子がいるので、僅かに力及ばず2位なんです」

 

 すみません、カルタさんやサソリさんのご指導を受けているのに。と言いにくそうに続けた。

 

「そんな謝ることないって。2位でも立派だよ!それにオレらだってたまーに来てちょっとした助言くらいしかしてないんだしさ。今の実力は全部テンちゃんの努力によるものなんだから。もっと胸を張りなよ」

 

 ポンポンと肩を叩きながらオレは最近、上忍会議の場でも名前が挙がる機会があった日向ネジの存在を思い出す。

 

 まぁ、いくらテンちゃんが才能に溢れる少女とはいえ、生粋の天才と比べちゃうのはなぁ・・・と。

 

 もちろんそんなことを言ってこっちがテンちゃんの限界を設定するなんてことはしないが。

 

 それからというもの。

 また話題を変えて二、三の雑談を交わしたあたりで今日は解散という流れになった。

 

「今日は色々とありがとうございました!」

「はいはーい。んじゃまたねー」

 

 そんないつも通りの別れの挨拶をして、オレは次の目的地である『うちは一族の屋敷群』へと足を向ける。

 時空間忍術を使うまでもない。通常の瞬身の術で充分だろう。至急の用事というわけでもないし。

 

 ちなみに回想時にはあんなに小っちゃかったテンちゃんも(と言っても高々2年前の話)今では立派な忍者学校(アカデミー)の生徒(というか、回想当時もちゃんと忍者学校(アカデミー)の生徒でした)。

 

 さて、オレがひとりになったところで少し話を戻そうか。

 

 くのいちクラスの中ではダントツで一番の成績を誇っているテンちゃん(流石だね)。

 だけど僅差ながら学年1位の座は他の人物に譲っている状態なのだ。

 

 その人物こそが、さっきも名前は出たが10歳という年齢で既にあの日向一族きっての天才との呼び声が高い“日向ネジ”。

 

 既に白眼を発現させ、日向流柔拳法の筋もいいらしい。

 

 とはいえ彼はあくまでも分家の出であり、通常であれば例え忍者学校(アカデミー)で高い評価を受けようとも上忍会議や族長会議などでチラリとも名前を聞くこともないはずなのだが、それでもセンスや潜在能力が高いというのが里上層部には知れ渡っている。

 と、いうことはだ。それほどまでに彼の才能は抜きん出て秀でているのであろう。

 

 人の口に戸は立てられないということだろうな。

 

 もちろん、それに引き換え次代の日向宗家は情けないだの、日向宗家は立つ瀬がないだの、面目が潰れただの言う輩はいないわけではないがそれは横に置いておき。

 

 日向宗家の人物を差し置いて噂になるネジ。

 これがどれだけ凄いことか。例外中の例外であることかオレは伝えたくて仕方ないのだが、語彙力の問題だろうな。上手く伝わってなかったら申し訳ない。

 

 そしてこれは話が横道に逸れることになってしまうと思うが日向一族の宗家と分家の関係について少しだけ話しておこうと思う。

 

 この世界軸では以前から雷の国・雲隠れの里とは良好な関係を築けており(もちろん国同士のことなので双方に思惑や利害の一致などで結び付いているというだけのことだろうが)、原作で起こった同盟締結の式典の裏で日向の白眼を狙ったヒナタ誘拐事件は起らなかった(ちなみに原作で実行犯となった雲の忍頭は戦時中にカルタの手により既に死んでいる)。

 そのためネジの父であり、日向一族現当主の双子の弟でもある日向ヒザシが存命しており、宗家と分家の関係は原作の世界軸よりはまだ悪くは無い、拗れてはいないという状況だ。

 それに伴って、ネジの宗家に対する考え方や日向の嫡子であり自身の従妹でもあるヒナタに対する態度もかなり柔らかいものとなっている。

 

 ・・・それにしても日向ネジ、そして日向一族の話が思った以上に長くなってしまった。一体、どこから話題がずれたんだろうか。

 

 あ、あれか。テンちゃんは天才でも、その更に上には日向ネジが居座っているっていうところからだ。

 

 オレやサソリの指導を時々とはいえ受けているテンちゃんよりも成績や恐らく能力も高いというのは特筆すべきことだろうしな。まったく。天才が努力を惜しまないっていうのは卑怯だよなー・・・って、もうこの話はおしまい!

 

 話を戻そうか。

 

 オレは無駄な思考回路を存分に働かせている間、つまりテンちゃんと別れたそのときから瞬身の術で絶え間なく移動を続けた結果。

 

 いつの間にやら目的地『うちは一族の屋敷群』に到着していたのだった・・・。

 

 

 




次回、更新日未定!
タイトルは「うちはの秘蔵っ子」に決定!
まぁ、だいたい察し(笑)





【NARUTO-続・カルタ外伝- 八男って、それはないでしょう!(仮称)】


---現在公表可能な情報---

主人公
羽衣マグナ(12)下忍
 羽衣家の末弟、八男。
 家族構成は、父カルタ、母***に、兄が7人、姉が4人いる。その内姉2人が同い年でありながら既に中忍と特別上忍となっている。
 名前の元ネタは英国の大憲章『マグナ・カルタ』から。
 羽衣一族の中で最も父の面影を感じさせる人物でありながら、その忍術等の資質はほぼ受け継がれていないと思われるほどの落ちこぼれ。自身のチャクラ量が圧倒的に少ない。同情するならチャクラくれ(笑)状態。そういったところがどうやらコンプレックスな模様。
 下忍班でチームを組んでいるのは波風ボルトとうちはサラダ。担当上忍師は猿飛木ノ葉丸。

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