NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

28 / 128
お気に入り登録、評価、感想。ありがとうございます。


020.茶の国防衛戦 急襲

 

 第3次忍界大戦の開戦からそろそろ1年が経とうとしている。そこで現在の火の国・木ノ葉隠れの里が置かれている状況を一旦整理してみようと思う。

 

 まず、火の国・木ノ葉隠れの里と同盟関係を結んでいるのは、茶の国。波の国。滝隠れの里、の2国1里。

 戦争を行っているのが、雷の国・雲隠れの里。前線は霜の国領内。

 それから土の国・岩隠れの里と風の国・砂隠れの里。この忍五大国の内3か国である。岩隠れと砂隠れとは三つ巴の様相となっており、主な戦場は雨隠れの里領内。他にもこの三大国に挟まれている小国や中規模の国土内でも戦闘が行われている。

 そして残るもう一つの忍び五大国である、水の国・霧隠れの里とは現在、停戦状態だ。停戦する前は、林の国・水の国・霧隠れの里連合として戦争を行っていたが、林の国が火の国に併合されたことによって、水の国・霧隠れの里とも停戦条約が結ばれた。

 

 風の国・砂隠れの里は、木ノ葉と岩隠れと戦争を。

 水の国・霧隠れの里は、雲隠れと戦争を。

 雷の国・雲隠れの里は、木ノ葉と霧隠れと戦争を。

 土の国・岩隠れの里は、木ノ葉と砂隠れと戦争を行っている。

 その他、中小国家や忍び里は大国と同盟を結んで戦争に参加している。

 

 木ノ葉としては、激戦地は対岩隠れ・砂隠れと三つ巴の戦いをしている西部戦線。その最前線である雨隠れの里領内には木ノ葉の主力が張り付いている。

 その次に厳しい戦いを強いられているのが雲隠れとの北部戦線。一応、激しい戦闘には今のところなっていないもののこちらの主力もいないこともあり、やはり、相手は大国とあって防戦一方だ。この状況で雲隠れが本腰を入れてきたら火の国領土での戦闘になり得てしまうだろう。

 あとは敵方についている小国や小規模な隠れ里との戦闘だ。中にはきっと第3次忍界大戦が終わるまでに歴史から名前を消すことになる国も出てくることだろう。

 

 そして、いまオレが派遣されている部隊が北部方面隊。つまり、雲隠れとの前線だった。

 

 

 

「私たちが来てからのここ1週間、敵の動きが何もないじゃんねー」

「嵐の前の静けさかもね」

「えぇー。そういう不気味なこと言わないでよねー」

「ラクサ、カルタ。2人ともうるさいよ」

 

 オレたちの班が支援物資を輸送した東部前線。そこの部隊長だった奈良シカゾウ率いる東部方面隊が林の国が崩壊したこととそれに伴い、水の国・霧隠れの里と停戦条約を結んだことにより任務を終え、北部方面隊に合流していた。それからというもの、雲隠れの里も無駄な戦闘をして戦力を無駄に消耗したくないからか、大きな動きを控えるようになった。

 だから増員されたばかりの下忍3人班のオレらが話してても怒られない程度に、平和だった。今は。

 

「そういえばカルタ、お前なんかすごい活躍したらしいな。東部戦線でお前と一緒にいたっていう人が噂してたぜ?本物の雷を何回も敵陣地にぶっ放して一人で壊滅させたって。それにその後、林の国に襲来した雲の二尾を暗部の人と一緒になって封印したんだって?スケールがでかすぎ・・・」

「うーん。まぁね。一応そういうことになってる。だから今はぼくが二尾の人柱力だね」

「羨ましいわー」

 

 人柱力!!僕もなりてぇぇぇぇぇ!!!とジュウが叫ぶ。

 いや、普通の人はなりたがらないんだけれども。いや、ジュウは普通じゃないからいいのか。いや、いいのか?

 

「それよりもジュウくんの方が羨ましいよ。あれからみっちり修行して、風遁と水遁も使えるようになったんでしょ?」

「まぁな。今は土遁も下忍レベルの術なら発動するようになった」

「なにそれ!ずるい!!」

「いやいや、あなたたちの方がうるさいじゃんね。盛り上がりすぎよ」

 

 ラクサが何か言っているが全然耳に入ってこない。聞こえない。

 

「そうだ、ジュウくん。ぼくは雷遁のコツ教えてあげるからさ。ジュウくんはぼくに水遁と土遁のコツ教えてよ」

「いや、なんで僕の方が多く教えなきゃならないんだよ」

「年上だから?」

「そんなんで納得できるかッ!」

「そこをなんとかー」

「嫌だ!不公平だろっ!!」

 

 その後、10分間に及ぶ肉体言語を交わしたことによって、なんとかジュウに水遁と土遁のコツを教えてもらえることになった。

 ジュウは忍術に関しては超天才的なのだが、その他のことはからっきしなのだ。

 つまりは、一方通行な肉体言語だった。

 

「じゃあ早速、水遁と土遁のコツ教えてね」

「ひ、ひどいぞ、カルタ。僕が体術が苦手なの知っているだろ。手加減もしない癖に、休憩も挟んでくれないのかよ・・・」

「じゃあ体術のコツも教えてあげるからね。これで2対2で等価交換だね」

 

 どんだけジュウは体術が嫌いなのだろうか。今の一言で顔を真っ青にしている。なんなら今にも吐きそうなほどに真っ青だ。

 

 そんなことをしているときだった。

 緊急集合の笛が鳴ったのは。

 

 

 

「茶の国に雲隠れの別働部隊が海岸から上陸、奇襲してきた!茶の国へすぐさま救援を送る!今から呼ばれる者は直ちに出発せよ!!」

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。