NARUTO-カルタ外伝- 転生者の独擅舞台《チーターライフ》   作:新名蝦夷守

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024.雲による木ノ葉奇襲作戦 尾獣

 

「八尾の人柱力ってのは、どいつだ?」

 

 オレは雲の4人小隊が移動してくる真正面に降り立ち、仁王立ちして待ち構えていた。

 雲隠れの小隊は急停止。突然目の前に現れたオレに対して最大限の警戒をしている。ていうか、1人以外みんな子どもじゃないか。やり辛いなぁ、もう。

 

「木ノ葉の忍びか」

「あぁ。それ以外に見えるか?」

「いや、見えないな。雲の忍びを舐めるなよ。その小さい身体(見た目)には騙されんぞ」

 

 その言葉と同時に雷遁の塊が飛ばされてきた。それを避けたと思ったら目の前には屈強な巨体が現れていた。

 

雷犂熱刀(ラリアット)ッ!!」

「うぐッ!!」

 

 それをもろに喰らったオレは、それはもうピンポン玉の如く派手に飛ばされた。オレの後ろにあった木々をなぎ倒しに倒しまくりながらようやく大きな岩にぶつかって止まった。

 

 ・・・痛てぇ。どっかの骨何本か折れてやがる。全身が悲鳴を上げている。

 

「滅茶苦茶痛てぇじゃねーかよ!この野郎ッ」

『さっき言っておった八尾の人柱力じゃがの。おまえ様をぶん殴ったやつじゃな。間違いないわい。あやつの中からはっきりとなつかしいチャクラを感じたからのう』

「っちっくしょう。あいつか。ぜってぇやり返してやる」

 

 八門遁甲【第二休門】開ッ!!

 

 続けて雷遁・纏も弐式にしてギアを上げる。

 

「又旅、重明。オレの身体骨折れたところから治しておいてくれ」

『ま、無理はせんようにのう』

『了解だ。主様』

 

 バチバチと雷遁のチャクラがスパークする。

 

「第二ラウンドだ」

 

 地面を蹴って今まで飛ばされた分の距離を一瞬で戻り、八尾の人柱力へと急速に接近する。

 

「お返しだッ!千鳥ッ!!!」

「お前まだ生きてたのかYO!頭八刀(ヘッドバット)ッ!!」

 

 オレの全力の突きと八尾の人柱力の全力の頭突きが激突する。

 その衝撃は凄まじく、周りの木々が衝撃波だけで折れ曲がる。

 

「お前強いな♪ばか野郎♪この野郎♪俺の本気行くぜ4本♪出すぜ4本♪八っつぁん!!」

 

 ビーさん!?という雲の残りの3人の悲鳴にも近い驚きの声がする。

 

「ウィィィィィィィィ!!!!!」

 

 雄たけびとともに尾獣のチャクラが衣のようにビーを包み込み、4本の禍々しい尾が現れた。

 

「相討ちなら覚悟!刺し合うか相互!?」

「うるせぇ!その下手くそなラップをまずはどうにかしやがれ!!又旅!両腕ッ!!」

『わかっておるよ。そんなに叫ばんでものう』

 

 オレの両腕が二尾である又旅の蒼い炎で覆われる。もちろんオレは火傷にはならない。

 

「尾獣の力を制御できるのがお前だけだと思うなよッ」

 

《蒼炎・千鳥》

 

 蒼い炎を纏った千鳥が八尾のチャクラを纏ったビーの胸に命中する。貫通するはずの威力だったのだが、化物染みた硬さがそれを阻止した。

 だが、それでも明らかに傷を負ったビーだったが、八尾のチャクラの衣によってすぐに修復される。

 

「二尾の炎、見たことあるぜ♪二尾はもともと雲隠れの里(うち)のだぜ♪」

「でも今はオレのだぜ!」

 

 千鳥での目論見が失敗したあと、間合いを取ろうとバックステップを踏もうとしたがその前に右腕を捕まえられた。

 八尾のチャクラがビリビリとして痛い。掴まれている右腕がどんどんと火傷のような状態になっていくのがわかる。

 

「昔は雲隠れの里(うち)の♪今はお前の♪お前の二尾は今日から雲隠れの里(うち)の♪ウィィィィィ!!」

 

 八尾のチャクラでできた尻尾が振るわれ、避けることのできなかったオレはまた派手に飛ばされる。

 あまりの衝撃に意識が一瞬吹き飛ばされそうになった。

 

「八尾ってこんなに強えぇのかよ」

『何を今更言っておるのじゃ。おまえ様が忘れているようじゃから言っておくがの、八尾のチャクラ量は九尾と同程度じゃぞ。チャクラ量が強さと完全に比例するわけではないが、それがどれくらいのものかわかるじゃろ?』

「お前ら2人がかりでも八尾が完全体になったら勝てねぇかもしれねぇぞ。4本であれだけのパワーがあるなんてチートだぞ。チート」

 

 まじでずるいわ。

 

『主様よ。影分身体でいいから我らを外に出さんか?』

『そうじゃそうじゃ。それがよかろう。おまえ様とて、こんなところで切り札を温存して死にたくはないじゃろ?妾たちもおまえ様のことを見殺しにはしとうないしの』

「あっちが尾獣化したらな。怪獣大戦争でもなんでもしてくれ」

 

 オレが投げやりにそういうと2人は渋々といった具合だったが、大人しく黙った。

 

「一発でもいいから当たってくれよ・・・」

 

《雷遁・超電磁加速手裏剣》

 

 半分祈るような状態で、オレは忍具入れ(ポーチ)から手裏剣を全て出し、投げ放った。

 自然破壊的な攻撃となった。無差別に無作為的になるべく広い範囲に投げ放った超電磁加速で強化された手裏剣は目の前の木々のほとんどに穴をあけながら飛んで行った。

 

「オイオイ危ねェじゃねぇかよーばか野郎♪この野郎♪おかげで死ぬところだったぜ!ウィィィィィ!!」

 

 死にそうだったと言うわりには随分と元気だった。

 

「どうせそんなこったろうと思ったけどなぁ」

「お前、チビのくせに強いな!ばか野郎♪この野郎♪八尾がサビのキラービーだぜオレ様が!アー!イェー!」

「そうかよ。オレが木ノ葉の二尾、羽衣カルタだ」

 

 ビーの身体から八尾のチャクラが漏れ出してあふれ出す。

 

 多少離れていてもビリビリと身体を蝕むチャクラだ。

 

「オレ様の真の本気♪見せてやる尾獣化やる気♪敵を刺す♪敵刺すロングホーン♪ウィィィィィィ!!」

 

 そしてビーは完全なる八尾と化した。

 

 

 


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